Sweet Rosemary
暦の上では立秋でも、まだまだ暑い。そりゃそうだ、まだ8月だもの。夏。何かを思い出して書こうにも暑く、ひどくやる気が出ない。捻挫も完治しておらず、自由に動けない。普段スポーツをしている時間が長いので、こういう日が続くとなんとなく気持ちが塞いでくる。だからそんな日は、音楽でも聴こうかなと思う。
さて、数年付き合っていた人と別れて3週間ほどが経った。散々「仕方ない」と言い聞かせてきたので、気持ちは案外落ち着いている。以前の恋愛のほうが別れてしばらくーーあるいは振られてからしばらくーー未練がましく荒れるときも多かった。この落ち着きというか、無駄に抗わない諦めの境地が三十路も半ばを過ぎた大人の余裕なのか、それはわからない。だからといって完全にいい思い出として乗り越えられたかなというと、そうでもない。不意に思い出したり夢の中に現れたり、なんだかんだ記憶に深く残っていて、感傷には浸らずとも時々胸が痛くなる。ちくちくするのだ。
鬼束ちひろの歌に「Sweet Rosemary」という短い歌がある。カーペンターズのようなカントリーな曲調で、アコースティックなサウンドが心地良い。そこに鬼束の少しハスキーな声で、人生を旅に喩えた歌詞が響く。サビで繰り返し登場するのが以下の歌詞だ。
この歳になると、それなりに誰かを好きになって、その分失恋もしたり喧嘩もしたり、いい思い出もつらい思い出も増えていく。「結婚して子供を育てて家庭を築く」という未来がない分、ほんとうはパートナーの存在は大事なはずなのにね。でも、もう過去は戻らない。眠ればすぐに明日が来てしまう。
先のことはなにもわからないけれども、たぶん人生はまだまだ長いんだろうな。幸か不幸か。その道中、かつて好きだった誰かのことを思い出すこともあるかもしれないし、まだ見ぬ誰かに触れたいと思うこともあるんだろうなと、この歌を聴いてると思う。
今を決めすぎる必要もないね。
たまに胸が痛くても、気楽に、きらくに。
読んでくれてありがとう。
地震のあった土地の人、どうかくれぐれもご無事で。
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