モトナリ

昔の記憶とか今の酒とか。LGBTで言うところのGです。でもほんと、何の変哲も無いっす。

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最近の記事

柚子酒

うっかりしてる間に向日葵は枯れて、街には金木犀と銀杏の香り。近所の庭の柿も良い感じに実ってきた。空も一段高くなったような青色。いい秋だ。 足の剥離骨折もだいぶ良くなって、もうじき運動にも復帰できそうだ。でも3か月もブランクが開いてしまったからちょっと気持ちがついていけない。モチベーションを保つのって難しい。 それでも足が治って、人と遊びにいけるようになったのはよかった。ハジメマシテ、の出会いもようやくできる。と、思ったら顔に大きなニキビができてしまった。あれ、そんなに不養

    • 美丈夫

      もう九月になってしまった。 八月のはじめ、捻挫だと思っていた痛みはレントゲンを撮るごとに明確に骨の傷だとわかり、結局のところ剥離骨折だと診断された。治りかけで自己判断で無理をしたのもよくなかったらしく、安静にすべき時期が延びてしまったのだ。 今までスポーツに全振りしてた時間がぽっかり空く。友達には「フリーになったしリアルでもしたら?」と言われるが、片足に包帯ぐるぐるでギプスつけた状態で「ハジメマシテ」というのも気が引けるし、基本的にあまり出歩かずに家でじっとするようにしてい

      • 百日紅

        サルスベリの花が咲いている。真っ赤というよりも少し淡く、ピンクというほど薄くはない。海棠の色にも似ている。 小さい頃はサルスベリというからには「猿滑り」だと思っていたら、素敵な漢字が充てがわれていた。百日紅。本当に百日咲くのか数えたことはないけれど、夏の暑さを長いこと一緒に楽しんでくれるのなら嬉しい限りだ。 太宰治の短編「おさん」には百日紅の花が出てくる。夫婦の噛み合わなさを生々しく書いた話で、ギャグかなと思うほど思考や言葉が噛み合わない二人。百日紅の花や麦酒の黄色、紫のア

        • Sweet Rosemary

          暦の上では立秋でも、まだまだ暑い。そりゃそうだ、まだ8月だもの。夏。何かを思い出して書こうにも暑く、ひどくやる気が出ない。捻挫も完治しておらず、自由に動けない。普段スポーツをしている時間が長いので、こういう日が続くとなんとなく気持ちが塞いでくる。だからそんな日は、音楽でも聴こうかなと思う。 さて、数年付き合っていた人と別れて3週間ほどが経った。散々「仕方ない」と言い聞かせてきたので、気持ちは案外落ち着いている。以前の恋愛のほうが別れてしばらくーーあるいは振られてからしばらく

          捻挫

          捻挫した。右足首をグキっと。 「一晩寝たら治ってるかなぁ」という淡い期待は無残にも破れ、翌朝も痛みで上手く歩けず、近所の整形外科に行った。院内は古いが清潔感があり、土曜の朝から大繁盛。 問診表を書き、しばらく待つとレントゲンの撮影。終わってさらに待っていると、診察室に呼ばれた。 「あ~これ典型的な捻挫だねぇ。教科書通り、お手本みたいな捻挫!」 若干うれしそうな院長。「自力で治そうとすると2か月くらいかかっちゃうよ!すぐ来てくれてよかった!」そう言われ、いかにもベテラン看護師

          ウナギを食べた日

          先日の土用の丑の日は、久しぶりにウナギを食べた。たまたま商店街の魚屋に閉店間際に駆け込んだら半額になっていたので、即購入。 ウナギには日本酒が合う。俺はしっかり味の濃い酒よりは、ドライな酒に合わせるのが好きだ。今回は定番の日高見で一杯。冷たい辛口の酒が、ウナギのたれとふわふわの香りを引き立ててくれる。 日本では縄文時代からウナギを食べていたという。その証拠に貝塚にはウナギの骨が混ざっていることもあるようで、太平洋沿いの遺跡を中心に、北海道から沖縄まで見つかっている。もちろん

          ウナギを食べた日

          波に酔う

          昔は夏になると、時々家族で海に行った。父の車に揺られ、20分ほどで海水浴場に着く。母はパラソルを立てた浜で休み、兄と僕はパラソルの下で水着になり、熱い砂浜を裸足で駆けていく。波打ち際にたどり着くと、足先を海につけて冷たさを楽しんだり、海水を掛け合ったりする。そうこうしていると父が浮き輪を持ってきて僕たちに渡すのだ。「沖に行くぞ」。浮き輪は2つあり、どちらにも長い紐がついている。僕たちは頭から浮き輪の穴に入り、父がその紐を腕にくくりつけて海に入るのだ。父はダイナミックに泳ぎ、僕

          わかれ

          数年付き合っていた人とお別れをした。つい、今しがた。 「もう潮時だよね」と。互いの事情から「仕方ないね」と。 付き合い始めて気づけば数年。旅行に行ったり楽しい思い出もたくさんあったのだけど、まぁもうどうしようもない。本当にどうしようもない部分で、別れざるを得ない。詳細は書けないけれど、僕らの最善の手は別れしかなかった。お互いに嫌いになったわけじゃない。ただこれが最善の手だったことだけがわかっていて、それに従うしかなかった。好きだったよ、と言い合っての「さようなら」。 奇

          夏の前日

          小学3年生のこと。今日みたく蒸し暑い、梅雨も終わりに近づいた頃だった。校庭の脇に咲いていた紫陽花も色褪せて、みんな梅雨明け宣言を待っていた。 その日は朝からずっと雨で、薄暗く分厚い雲が空いっぱいに広がっていた。こんな日は誰も外で遊べない。休み時間になると女子たちはオルガンを弾いたり絵を描いたり、元気を持て余した男子は廊下で遊び、先生に怒られている。どちらにも入れない自分は、教室の窓から雨の降る校庭を眺めていた。湿気でべた付く机に頬杖をつく。気の合う連れ合いの居ない学校生活と

          いきちがい

          ちょっと暑すぎやしませんか。 連日40℃に迫る勢いで、少し外にいるだけで汗が止まらないどころか、気分が悪くなってくる始末。夜になっても気温は下がらず、野良猫たちは大丈夫なんだろうかと心配になる。 そんな暑さに負けじと、先日知人に誘われて久しぶりに外に酒を飲みに行った。一軒目でほろほろと微醺を帯びて、知人に連れられ二軒目へ。彼のよく知る店だというそのバーは、なかなかに洒落ていた。バーにしては明るい内装と照明に大きな画面。往年のスター歌手のMVが流れている。楽器がいくつか置いて

          いきちがい

          凌霄花

          ノウゼンカズラが咲く季節になった。遠方からでも目を引く鮮やかなオレンジのラッパ花。つる性でフェンスや壁を這い上がって咲くため、必然的に少し見上げるような形で目にすることが多い。晴れた日にノウゼンカズラを下から見上げると、青空に金魚が泳いでるみたいだ。 ノウゼンカズラは漢字で凌霄花と書く。由来はわからないけれど、字面を見ると「空を凌ぐような花」という感じでなんだかすごい。読みは「カズラ」なのに「葛」の字を使わないのも。昔の人の圧倒的なセンスに脱帽する。 この季節はそんなノウゼ

          自己紹介|はじめてのnote

          はじめまして。モトナリと申します。 まずは開いてくださってありがとうございます。noteを始めるにあたって「はじめてのnote」を書くと良いとかで、自己紹介をしてみます。 プロフィール 30代独身。酒好き。特に日本酒が大好き。ワイワイと飲みに行くよりも、少人数でこっそりしっぽり飲んでいたい派。週末に一人で晩酌するのが何より癒し。 運動は水泳と格闘技が好き。球技全般と走るのは苦手。 歴史と科学が好き。頭はよくないほうだけど、なんか面白いなって思う。 そしてあんまり書く記事に

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