デフサッカー女子代表合宿 in 岡山県美作市

2020年1月11日〜13日、岡山県美作市にてデフサッカー女子代表合宿が行われ、チームに帯同してきました。

9ヶ月ぶりのデフサッカー女子代表帯同

昨年4月の群馬合宿以降は、W杯を目前に控えたデフフットサル女子代表と合宿が重なっていたこともあり、9ヶ月ぶりのデフサッカー女子チームへの帯同となりました。

監督・トレーナー・手話通訳兼メンタルトレーナーの私以外に、今回の岡山合宿より新しい技術コーチ、GKコーチを招聘され、5名体制でチームを強化していくことになりました。デフフットサル女子代表選手の数人もサッカー代表に復帰し、これから新たな布陣で9月の韓国W杯を目指し、チーム強化をしていくことになります。

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手話通訳として新たな役割

今までは、監督はろう者のため、監督と選手をつなぐ手話通訳をしての役割はあまり多くはありませんでした。しかし、新しく健聴者のコーチが加わり、2名のコーチと監督と選手をつなぐパイプ役として、手話通訳の役割がより重要になってきましたと感じています。

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メンタルコーチとしての役割

今回の岡山合宿での役割は、11月にデフフットサルW杯に帯同し、世界を舞台に戦い、感じたことをデフサッカーの選手たちにも伝えることで、少しでの世界で戦うメンタリティーをデフサッカーの若い選手に持ってもらうきっかけを作ることでした。

  「世界と対等に戦うための覚悟」
  「世界で勝つことの難しさ」
  「日本代表としての自覚」
  「一体感を生むためのコミュニケーション」

デフフットサル女子代表に帯同して、私自身が学び、伝えたいことはたくさんあります。

まずは、大会本番の映像を見て、独特の雰囲気を感じてほしいと思い、「準々決勝でのブラジル戦(優勝国)」「大会を通じた代表選手のゴールシーン」を映像で見る機会を作りました。
また、デフフットサル代表として参加していた選手自ら体験談を伝えてもらうことで、「世界で勝つことの難しさ」「日本代表としての自覚」を伝えることができたのではないかと思っています。

  「日の丸を背負い、代表選手として世界で戦うことの意義・責任・覚悟」

特にデフサッカー代表候補の若い選手たちは、海外の選手と戦った経験がありません。世界大会は楽しむだけで勝てる世界ではありません。一人一人が戦う意識と準備を「世界基準」に変えていき、活躍する自分を具体的にイメージし、理想の自分に近づいていくために、どれだけ努力していくかにかかっています。

次の合宿までの間でも、代表候補選手たちの意識を高めていけるようなアプローチをしていこうと考えています。

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チーム力を上げるコミュニケーション

また、今回の合宿ではチーム戦術がまだチームに浸透しておらず、トレーニングマッチでは多くのエラーから失点をしてしまいました。まだ、お互いの動きのイメージが共有できていないため、プレイしている選手たちももどかしさを感じているようでした。
まずは、戦術を一人一人が理解し、共有するためのコミュニケーションをもっととって擦り合わせていく時間をとってほしいと思います。

また、試合中に起こりがちなのが、エラーが発生した時、自分の考えが正しいと思い込み、相手を責めたり、押し付けてしまうことです。プレッシャー、ストレス、イライラが心のコップから溢れてしまうと、互いのミスを責めてしまい、チームがさらに険悪な雰囲気になっていくことがあります。
対戦相手と戦わなければいけないのに、仲間同士がミスを指摘し合っていては勝負に勝つことはできません。

  「チームで何を修正すればよいのか」「今の自分ができることは何か」

チームの方向性に沿った建設的な意見交換、コミュニケーションがどんどん取れるようになって欲しいですし、成功体験を増やしていくことで、自分たちが目指す動きのイメージが全体で共有できていくはずです。

次回の宮崎合宿では、コミュニケーションを扱った話をミーティングで行おうと思っています。

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まとめ

戦術理解を深めるために、ミーティングでは動画分析の時間を多く取るようになりました。聞こえない選手たちにとって動画で確認することはとても重要です。そして、俯瞰して自分のプレイを確認することで修正能力も高まってきます。この3日間だけでも、選手たちの意識が高まり、戦術理解が深まったように見えます。

こういった成果を感じることができたのも、岡山県美作市の多大なサポートがあったからでした。市長、市議会議長よりご挨拶をいただき、宿舎でも素晴らしいおもてなしをして頂きました。現地担当者、スタッフの皆様のサポートもあり3日間有意義に過ごすことができました。

たくさんの支えやサポートがあっての代表活動であることを、改めて感じた代表合宿でした。


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