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選手によって好む練習方法が違う理由

近年では、一つの競技でも様々な練習方法が開発されていたり、他競技の練習や感覚を重視した練習なども取り入れられるようになってきました。昔のやり方は今となっては「古い」と思われていたり、科学も発展してより効率的な練習が取り組まれるようになってきています。

その中で、選手がどのような練習を好み、選択をしているのか。皆、同じ練習を取り組んでいても、その練習に対するモチベーションは実は人によって違っています。それには2つのタイプの特徴によって違うのではと思っています。

「オプション型」と「プロセス型」

ひとつは「オプション型」と呼ばれるタイプの方です。
「オプション型」選手の特徴は、
・今までと違ったやり方で練習をする機会や可能性があるとやる気がでる。
・常により良いやり方があると考え、模索している。
・新しい手順を考え出すのは得意
・提示された方法に従うことや、一つのことに専念することは苦手な場合がある。
・「なぜ」その練習が必要かという視点で捉えている。
・様々な選択肢、可能性、機会を大切にする。
などがあります。

もう一つは「プロセス型」と呼ばれるタイプです。
「プロセス型」選手の特徴は、
・既存の確立された手順に従うことを好む。
・物事には正しいやり方があると信じている。
・正しいやり方を提示されることでやる気が出る。
・一度手順を知ったら、何度でもそれを繰り返し取り組むことができる。
・手順や方法が示されないと戸惑いや不安を覚え、立ち止まってしまう。
・一度取り組み始めたことは最後までやり切ることが重要だと考えている。
・それをする「理由」よりも「どのようにそれをするか」に興味を持っている。
などがあります。

割合としては、「オプション型」の選手は40%、「プロセス型」の選手は40%、両方持ち合わせている人が20%ほどを言われているようです。

私自身は、この2つのタイプで言うと「オプション型」の傾向が強いです。コロナウイルスによる在宅自粛で時間があったので、抹茶プリンを作りました。「プロセス型」の人なら手順通りにきっちり作るのでしょうが、私は抹茶の味を濃くしたいと思って適量の倍入れてみたり、甘さを控えめにしたいから砂糖を半分にしてみたり……
初めて作るのにレシピどおりに作らなかったため、まんまと失敗してしまいます。ですが、めげずに次はどうしたらより良くなるかと、レシピは参考にしながら試行錯誤して、美味しくなっていくことに満足感を得ようとしていました。

選手の特徴によって練習方法を工夫する

それぞれの特徴に対して、どのような言葉をかけてあげるとやる気が出てきそうでしょうか?
オプション型の選手は、俗に言うあきやすいタイプかもしれませんね。このタイプの選手は、練習の意図をしっかり押さえながらも、様々な練習方法を提示していく方が選手のやる気は高まっていきそうです。練習メニューの流れを変えてみたり、変わったトレーニング方法を組み込んでみたりしても良いでしょうし、自分で練習方法を考えさせてみる機会があっても良いかもしれません。

プロセス型の選手は、成功・成長までの練習手順、プロセスをはっきり示して取り組ませることで、やる気が出てきます。取り組む中で、選手の変化や成長を細かく伝えていくことでその成長は加速していきそうです。やるべきことがはっきりしないまま自由な練習時間を与えると、何をして良いのか分からない選手が増えそうです。

とはいっても、やっぱり2つのタイプの良いとこ取りができたら良いなと思います。基本的なプロセスを示しつつも、その中で改善・改良を加えながらより良い練習方法を確立していくことに楽しみを感じられる練習ができたら良いですね。

参考にしてみてください。

<参照文献:書籍「影響言語」で人を動かす>

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