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変化への反応は人によって違う

選手のモチベーションが上がったり、下がったりする理由の一つに「変化の頻度と相違」という視点があります。

人によって「安定」を求める人もいれば、常に「変化」を求める人がいます。長く同じチームでプレイしたいと思う選手がいれば、常に違うチームでプレイしながら変化と刺激を求めるタイプがいます。同じチームの在籍していても、使う道具を頻繁に変える選手と一つの道具をいつまでも大切に使う選手もいます。

皆さんの身の回りの選手を思い返してみると当てはまりそうな選手が思い浮かぶのではないでしょうか。

変化・相違に対して反応の違う4つのパターン

「安定」と「変化」を求めるパターンには、4つのパターンがあるようです。簡単に紹介したいと思います。

「同一性重視型」
このタイプは「安定」求め、同じ状態が続くことを求めます。10年に一度は大きな変化を受け入れることはありますが、自分から変化を求めるのは15年〜25年に一度です。全体の割合は5%です。
「進展重視型」
このタイプは「ゆるやかな変化」を求めます。ほぼ同じ状態が続くことを求めますが、1年に一度小さな変化を受け入れます。変化が段階的でないと、抵抗を示す傾向にあります。全体の割合は65%です。
「相違重視型」
「劇的な変化」を求め、変化を生きがいにしています。停滞した状態、安定した状態に抵抗します。1年〜2年に一度は大きな変化を求め、それが得られない場合は辞めてしまうこともあります。全体の割合は20%です。
「進展・相違重視型」
「緩やかな変化と劇的な変化」の両方を求めます。物事が徐々に進み、その中で変化と革新が起こることを好みます。両方起こることで大きな満足感を得ます。3年に一度は大きな変化を必要としています。全体の割合は10%です。

ご自分のタイプを当てはめてみるとどうですか?近いパターンはありましたか?

ここで注意してほしいことがあります。これらのパターンは状況によって変わってくることです。スポーツの場面では「進展・相違重視型」の面が強いけど、仕事では「同一性重視型」という人もいます。すべてにおいて同じではないと言うことなので、今回はあくまで「スポーツの場面」においてどれが当てはまるかと言う視点で考えてみてください。

特徴を生かした練習をするには

「安定」を求める「同一性重視型」の選手には、決まったルーティンで決まった練習を与えた方が、黙々と練習に取り組め、その中で効率よくスキルを高めていくことができそうです。

全体の割合が65%と最も多い「進展重視型」ですが、チーム内にもこのタイプが多いのではないでしょうか。安定した練習を提案しつつも、今までやってきたことをどのようにすると発展できるのか丁寧に説明し、少しずつ変化を加えることでやる気が上がっていきそうです。

一方、「相違重視型」の選手は上記のような練習ではすぐにやる気をなくしてしまう傾向にあります。いろいろな課題を与え、飽きないように練習を工夫していく必要がありそうです。全く別ジャンルの練習を取り入れるなどしても良いかもしれません。

「進展・相違重視型」の選手へは、通常の練習を繰り返しつつも、時々変わった練習を取り入れるとやる気が上がりそうです。

私の過去の経験でこんなことがありました。幼少期からすごく成長が早く「才能が溢れ、輝いていた選手が、進学をきっかけに野球をやめ、陸上部に入ったのです。周りの誰もが、「もったいない・・・」と言っていましたが、本人にとっては、どこかで限界を感じ、成長を感じられないなら新しいことに挑戦したいと変えてしまったのかもしれません。

どのタイプがスポーツに向いているかと言うことではなく、タイプに合わせてどんな環境を提供し、どう練習を工夫していくのかによって、選手のやる気を引き出すきっかけを作れるかもしれません。もし、今モチベーションが下がっている選手がいたとしたら、少しアプローチを変えることで変化が見られるかもしれませんので参考にしてみてください。

<参考文献:影響言語で人を動かす>


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