とある人へ。
人は何をもって死ぬのだろうか。生物学的な解釈でいけば、生命活動が停止した時だろう。詩的なことを言いたいのならば、人の記憶から忘れられた時であるなどという表現もある。
ただそんな小難しい話をしたいのではなく、とある人に向けての手紙といった気持ちで書きたい。その人には、何かを伝えることはもうできなくなってしまったので、社会に発信して、ネット空間を彷徨ってもらうしかない。
君は突然消えた。ある意味では突然でもなかったけど。徐々に徐々に消えていった。正確にいうと、君に関する記録がというべきか。めちゃくちゃに有名だったわけでもなかったし、めちゃめちゃに好きで追い続けている存在でもなかった。
でもあなたは、消えていった。Twitterのサブ垢が消え、本垢が消え、YouTubeの動画も徐々に消え、ついにはYouTubeからも消えた。まるで、君自身の存在証明を消すように。理由はあなたにしかわからない。そもそもそういうことが得意ではなかったのかもしれないし、楽しそうな顔に僕らが甘えていただけかもしれない。
君はきっとどこかで幸せに生きているのだろう。3年くらい経っても、変に復帰してないことを考えると、自分の選んだ道を進んでいるのだと思う。
しかし、ほとんど残っていない記録を見て僕は思う。
君は本当にいたのだろうかと。