Adobe MAX Japanに参加したらAIと人の関係性を考えさせられたという話
はじめに
こんにちは、ストックマークのプロダクトデザイナーの @motokazu です。
先日16日に開催されたAdobe MAX Japanにストックマークのデザイナーチームで参加してきました。そこでの学びをご紹介します。
ストックマークはAIの技術を活用し、ビジネスを支えるSaaSを提供するテックカンパニーです。
私自身はAIを使ったプロダクトをデザインしているので、AIと人がどのように関わっていくかには非常に興味があり、仕事の中でも考えることがよくあります。なので、どうしてもAIと人。みたいな観点で見ていました。
Adobe MAX Japan参加の印象
Adobe MAX Japan 2023 は 11/16に東京ビックサイトで開催されたクリエイターの祭典です。一部のセッションはyoutubeでアーカイブが見られるようです!
ここでは自分が感じた印象をお伝えします。
クリエイターの皆さんの楽しそうな雰囲気
一番印象に残っています。
クリエイティブであることは本当に人のモチベーションの根源だな〜と感じました。
展示会場に、絵が飾ってあるということが素敵すぎる!
作品自体もさることながら、"何かを生み出すという行為" 自体をみんなで楽しもうとする姿勢がいいなと思い📸
他にも様々なセッションが展開されており、これはnoteの他のクリエイターのみなさまが書かれていると思いますので、そちらにお任せし、ここからはAIと人の関わりという観点で書きたいと思います。
AIとクリエイティビティの相性
(ご参加された方はよく分かると思いますが)
今回のキーワードを1つ挙げるならば、"生成AI" つまり Fireflyだと思います。
どのセッションに行ってもFireflyのお話が1スライドは入っていました。クリエイター界での生成AIの盛り上がりをひしひしと感じました。
私もFirefly、利用していますが、初めて画像が生成された時は感動しました。(自分は、グラフィックデザインが得意でないのですが、それを瞬時に乗り越えられる感覚)
一方でコントロールが難しく、何度もプロンプトを書いたのを記憶しています。今でも思ったものが頭の中にある場合には、そこに近づけていく作業となり、もどかしい気持ちがあります。
下手すると、コントロールされている気持ちに…
欲しい場所に向かっているのか、向かわされているのか💦
そこで思うのは、
欲しいものとの差の違和感を察知できなければ、いいところに着地はしない
逆に言えば、違和感を伝える力があれば、クリエイティビティとの相性は非常に高いものであると感じます。
また、AIによって、この違和感を"検証" する回数が格段に上がるので、より良いもの・ことづくりにも寄与する(実際多くの登壇者の方が、自分の作業の中で生成AIをすでに組み込み、活用されてました)
(違和感と聞くと自分はすぐ深澤直人さんの講義を思い出してしまいます)
提案されたものへの違和感を感じとり、良き方向にディレクションしていくことが求められるという点でも、ベースとなる知識や創造性を日々磨くこと、さらには軸をはっきりさせること。が求められると思います。
私が参加したレタッチャーの工藤 美樹さんのセッションでも、"自分にとっての良いとは何かを持ちましょう" というメッセージが強く印象に残っており、非常に共感します。(Youtubeで見れますのでぜひ!)
クリエイティビティを発揮し続ける人としての思考やあり方がより哲学的になっていることに面白みを感じます。
クリエイティビティとの相性は高いことは想像できますが、人との関係性についてはどうでしょうか。
次はその観点で思考してみます。
AIと人の関係について
AIと人の関係性については、いくつかの観点が考えられると思っています。
AIは人のクリエイティビティを補完・拡張する
AIは作業を自動化し、人のクリエイティビティの時間を拡張する
AIは人のクリエイティビティを民主化する(ハードルを下げる)
AIは人と共存しお互いを補完・拡張する
1つ目
補完・拡張の観点では、本屋さんみたいな場所であり、コンサルのような存在です。アイデア発散などChatGPTの利用例でもよく出てきますが、イメージしやすい関係性かなと思います。
2つ目、3つ目
今回のAdobe MAXで一番感じた点です。
PhotoshopやIllustratorでの生成AIの関わり方のように、作業ツールの一部の自動化できる部分をAIが担当し、人がより進んだクリエイティブな面を担当していくという関係性です。
Github Copilotのようなツールに組み込まれたCopilotもまさにそのような動きをします。
このような関係性を作るには、汎用的に何でもできるAIだけではなく、作業の中にあるタスクを程よく自動化できるかが肝になります。
(相棒としてのAIを考える時には、ドメイン理解、非常に大事ですね!というお話でした)
4つ目
この観点も協調作業をする上で、重要な点です。AIが何が不得意であるかを理解し、お互いを補完し拡張し合うことです。
人間が持つ感性や感情は重要な要素の1つだと思います。例えば、AIが生成したデザインに感性やエモーションを加えることで、よりオリジナルで魅力的な世界観を届けることができると考えています。
余談:
AIの力を引き出せるかも大事!
セッションからの学びと自分たちの取り組み
ここからは少し、Adobe MAX Japanのセッションの話に戻ります。
冒頭でも紹介しましたが、実は今回は、デザインチーム全員で参加するという試みを @shio312 の起案のもと実施したのですが、チームで参加することで学びが共有でき非常に良かったなと思います。
弊社内では主にプロダクトデザイナーが多いというのもあり、数少ないUI UX関連のセッションの内容が実務にすぐに使えそうという点で、共有会では次のアクションに繋がる学びがありました。
特にUXリサーチにおける仮説検証をどのように進めるかという点です。
ここまで綺麗に検証パターンを決めて運用できているというのがすごいのですが、プロトタイプのパターンは非常に参考になり、社内展開してみたいとデザイナーで意見が一致した部分でもありました。
デザイナーチームで参加することで、現場の温度感を共有することができ、気づいたことや新しい取り組みに対して、熱量を持って自分ごと化して考えやすい環境ができていたのかもしれません。
なんにせよ、チームで同じオフラインイベントに行くというのはチームの結束力も高まり、知識も進化しで良い企画だと感じました。
おすすめできます。
さいごに
Adobe MAX Japan 2023に参加して感じたAIと人の関係性への考えと、デザインチームでの学び共有の場の雰囲気をご紹介させていただきました。
ストックマークのプロダクト開発では、本編で述べたようなAIと人の良い関係性を考え、日々ユーザーを理解し、人のクリエイティビティを高めるより良いサービスを提供していくことを目指しています。
様々な職種で仲間を募集中です!
ちょっと話を聞いてみたい、詳しく知りたいなど感じたことがありましたら、是非ご連絡ください。
あわせて、「Stockmark デザインマガジン」では、ストックマークで取り組んでいるデザインにまつわる話題を取り上げています。こちらもぜひご覧ください。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。