今、とまらない合宿をはじめる理由
2020年、世界を覆った転換期
2020年、世界的なパンデミックの影響により、人類全体が大きな転換期を迎えています。
国家間移動を含めて物理的な移動が制限され、人と人が顔を合わせる機会が激減しました。ウイルス感染への恐れから、他人との接触が難しくなり、他者との心のつながりを感じるのが少しずつ、ですが確実に難しくなりつつあります。
移動を制限されたことでインターネット上の情報量は劇的に増大したものの、溢れかえる断片的な情報やそれぞれの立ち位置から発せられる強いメッセージの集積が、私たちが平常心を持ち、他者や世界を理解していく余白をけずりとっています。
生き残りたい、あるいは何かに貢献したい想いの交錯が、ある場面では経済活動を行わざるを得ない切迫感を焚き付け、ある場面では家族と暮らしを守る重要さを突きつけ、各所で矛盾を生み出しています。
パンデミックの中で感じた危機感
私自身、このパンデミックに直面している当事者です。まずは家族の健康を守り、不要な感染拡大リスクを下げる目的で、未就学児の自宅保育を決断しました。結果、生産活動に回せる時間が通常の半分以下になりました。
ソーシャル・イノベーションの触媒として仕事をしている立場上、こういった社会情勢では却って忙しくなる場合が多く、多方面からNPOやスタートアップへの資金支援や事業転換の相談が寄せられました。しかしながら、1日の半分以上を保育に充てている状況下では、正直に申し上げて、新たな機会のほとんどを辞退せざるを得ませんでした。
自分の職業人としての社会への貢献幅を限定しながら家庭と暮らしを守る中で、私はある危機感を感じていました。
このまま、何が起ころうとしているのか
それは、わたしたちが無意識のうちに視野狭窄状態に陥ってしまい、未来を見据えられなくなったり、意図せず誰かを傷つけてしまう危険性への恐れです。
家庭や暮らしを守る一心で取った行動が、隣人やコミュニティの仲間を傷つける。
事業継続への焦りから短絡的な打ち手に走り、未来に向けた価値ある可能性を見逃す。
自分たちのコミュニティが持つ弱さをないがしろにする余り、その局面における弱者を切り捨てる。
そして、文化的に生きる愉しみや、人とわかりあい、つながれる可能性を忘れてしまうこと。
自分自身も日々の暮らしや育児、仕事に埋もれながら生きていますが、自分をみつめ、他者を想像し、未来を創造する余白が、今、わたしたちに必要なのではないかと感じています。
いかに人的ネットワークに恵まれた個人であっても、個人としても役割としても生き残りへの危機感を突きつけられる中では、その人らしい創造的な選択や意思決定は極めて難しくなるのではないか、と感じています。
では、そんな時、どうすればいいのでしょうか?
今、とまらない合宿をはじめます
そこで編み出したのが、「とまらない合宿」です。
この企画では、3ヶ月限定のインターネット上の私設ラボとして、12回のトークコンテンツ、6回の内省を促すワークシートの配布を通して、わたしたちの中に他者を想像し、自らの未来を選択するための余白をつくりだそうとしています。
しかも、何か変化や即物的なチャレンジを強要するスパルタなノリではなく、温泉につかるようなゆとりを持って深い対話をあじわう中で、未来への一手が見つかればいいな、くらいの無理のない形で運営していくスタンスを取っています。いわゆる「豪華ゲスト」に依存する企画は行わず、集まって下さった方々1人ひとりが主役です。
(その方が、自分のような子育て世代や、世の中の役に立ちたくても何らかの理由で動ききれず、歯がゆい思いもしている人たちも普段着で参加できて、何らかの支えになれるかも知れないと考えたからです。)
「この転換期」の次を見据えて、自分に余白をつくる時間。
今、日々に埋もれてしまいそうなじれったさを感じている人だけでなく、自分には内省なんて必要ないかなと思いながらも、どこかに焦りや普段と違うジャンルの人たちと話してみたいニーズを感じている人に、ぜひ集まっていただきたいです。
関心を持って下さった方は、是非以下のWEBサイト(Peatix)をご覧頂けないでしょうか。
https://innovatewith-onlinecamp2020.peatix.com/
(「この転換期」で何かと経済的に大変な場面もあるかと思い、出来るだけアクセスしやすい価格設定を心がけ、学割も設定しました。特に、このご時世の中でなかなか家族と職場や学校の人以外との接点が持ちづらい人にも来ていただけたらと思っています。)
2020年6月3日、とまらない合宿がはじまります。
自分であることを止めないために、未来を止めないために。
みなさんを、お待ちしています。