With COVID-19に、想像力と優しさを
このパンデミックから、私たちは何を学べるだろうか?
自然災害や金融危機から引き起こされてきたパターンを繰り返さないために、どう行動を変えられるだろうか?
COVID-19により、失われていく暮らしと仕事
COVID-19の影響で住まいや仕事を失った人たちを支える活動が、大阪のホームレス支援等に取り組むNPOの皆さんによって立ち上がった。
クラウドファンディングで活動資金を募っており、私は最高額を支援した。
(以下、プロジェクトのWEBサイトとクラウドファンディングのページ。)
最高額を支援したのは理由が2つある。
この取り組みに尊敬する友人が関わっていて、本当に困っている人たちのために必要な仕事をしてくれると信じられたのが1つめ。
もう1つは今、自分が思うように動けないから、たとえ僅かな金額だとしても自分の代わりにお金に働いてもらおうと思ったからだ。
COVID-19がもたらした「身体性の限界」
3月末から我が家では、COVID-19を感染拡大させない為の取り組みとして、1歳の息子に保育園を自主休園してもらって、妻と2人で息子を見ながら仕事をしている。1日の流れとしては、朝起きたら息子にご飯を食べさせ、午前は妻の仕事タイム。その間私は息子をなるべく密集度合いの少ないお外に散歩に連れていき、お昼ごはんの世話をして昼寝の準備をしたら、午後から妻とバトンタッチをして働くルーティンにしている。
実際、日中の稼働時間は3.5時間程度だ。夜、息子を寝かしつけてから再度仕事に戻る選択も必要に応じて取り得るが、1日中走り回る1歳児のお世話をして心身のエネルギーを使った後、毎日夜遅くまで仕事をするのは持続的ではない。正直、日々の仕事と暮らしを回すだけで精一杯だ。保育士の皆さんを心から尊敬する。
一方で、職業人の本心としては、この大阪のホームレス支援の取り組みも自分に何か手伝えることがあるならば、力になりたかった。
今回の世界的な騒動を受けて、私の事務所にもCOVID-19対応に取り組むNPOやスタートアップの支援、こと国内外からの資金調達観点での相談が複数寄せられた。
平常時ならば2つ返事で引き受けて、片っ端から想いある資金の出し手と未来をつくる現場の担い手をつながせて頂いたところだが、本当に残念ながら「身体性の限界」を突きつけられる中、プロとして出来ない約束はすべきでないと判断し、現時点での関与を辞退をさせて頂き、既存案件のみに注力することにした。
(当所の支援サービスは、事業や社会に変化/変容を生み出すのに必要な戦略-現場-パートナー開発-資金-成果や兆しの評価/可視化をトータルで動かしていくので、非常に手間がかかる為、現在の状況では新規案件のデリバリーに無理があると判断した。)
After COVID-19に向かう、想像力と優しさ
もろにCOVID-19によって自身の身体性の限界と向き合っている最中ではあるものの、少なくとも、想像力は忘れるまいと強く思っている。たとえ身の回りで精一杯だとしても、COVID-19によって引き起こされた事象によって、命や人としての尊厳そのものを脅かされている誰かを想像する、優しさとちからを。
どんなに満足に身体を動かせなくても、口だけ動かして世界的な危機をコンテンツとして消費する知識人ごっこに興じるのではなく、絶望の淵にいる人たちが深い谷に落ちてしまわないよう、お金に想いを乗せると決めた。
何故なら、こちらのnoteでも紹介されているように、自然災害や金融危機は往々にして突然、日々を生きる人々から希望を奪うものだから。
(こちらのnoteは、上記で紹介した、大阪でホームレス支援に取り組んでいる私の友人のものです。ぜひ、読んでみてください。)
https://note.com/hiromi0110/n/nd2a1d381a5cd
このCOVID-19を通して、私たち1人ひとりが、社会と物理的につながれない状況だからこそ、自分や家庭の外で起きている変化や兆しについて、可能な限り丁寧に想像する時間を持っていたいと強く思う。
この状況下でどれだけ他者を想像する余裕や優しさを持てるかどうかが、人類が進化出来るかどうかの鍵を握っているのではないかとかなり本気で思っている。日々自宅保育園&フルリモートワークの中でも、限られた時間の中で果たせる役割を果たし、作っていきたい。