P2E(Play to earn) ゲームをしながら稼ぐは本当に定着するのか?
以前、「オンラインゲームで貧困を抜け出す人々 果たしてバラ色の未来なのであろうか?」という記事を公開しました。
どちらかというと批判的な見解を示させて頂きました。
長時間ゲームだけをして稼ぐというのは世の中に価値を生み出していない
資本家と労働者という現実世界の階級差が持ち込まれてしまっている
新規参入者が増え続ける前提で設計されている(ポンジスキーム的)
一方で、プラスの側面としては、
国ガチャへの対抗手段(出身国に関わらずゲーム内では平等)
ゲームを取っ掛かりにプログラミング等の技能習得に繋がる可能性
先日、「人気メタバース、ユーザー数が伸びず──市場の期待を下回る」(コインデスク)という記事が公開されました。
ビジネスモデルとしては注目され、VCから資金は集まっているが、肝心の利用者(ゲームをするユーザー)の間で盛り上がっていない。それは、単純にゲームとしての完成度が低い為であるということの様です。
とても説得力のある見解と思います。そもそも、ゲームをやる目的は楽しいから。より高いレベルに到達する達成感であったり、競争相手を倒す陶酔感であったり、格闘技系・シューティング系では爽快感(ストレス発散)であったり。
お金を稼ぐために1日8時間、モニターに噛りついてクリックし続けるというのは苦痛でしかない。ひたすらバナー広告をクリックして楽天ポイントを稼ぐのと変わらない。
そもそも大半のP2Eゲームは、ポンジスキームなのではという批判さえあります。ポンジスキームとは、新規出資者の出資金を既存出資者への配当に充てる、初期の出資者のみが潤う投資詐欺のこと。
記事の中でゲームの面白さではなく、稼ぐことを目的に設計されたゲームは、ゲーム内通貨(独自トークン)の価値を維持することが難しい。次々に換金されてしまうので、常に新規参集者に資金を投入し続けてもらわないと通貨の流動性が維持できないと説明しています。
一方で、その課題に挑戦していく動きも見られます。
1つ目はDEA(Digital Entertainment Asset Pte. Ltd)の事例。
ゲームとして満足できるものを作るという本質価値を追求したパターン。
この志(パーパス)には大いに共感できます。
もう1つは、Learn to earn(学びながら稼ぐ)という考え方。
こちらのサムライ・ギルド・ゲームでは、ゲーム内で教育機会を提供し、将来のゲームクリエイター養成も目指しているとのこと。
先日、P2Eゲームの代表格であるアクシー・インフィニティーから6億ドルがハッキングされ流出するというショッキングなニュースもありました。
現状は、発展途上の過渡期であると理解しています。今後、P2Eゲームがより良い社会の実現という方向で発展が進むことを期待したいと思います。
<追記(4/11)>
記事内でご紹介したDEA(Digital Entertainment Asset Pte. Ltd)社の山田耕三さんから、Twitterでコメント頂きましたので貼らせて頂きます。
つまり、GameFiとして経済圏の設計がきちんとできており、真に面白いゲームを開発すれば、大きなチャンスがあると理解しました。
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