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P2E(Play to earn) ゲームをしながら稼ぐは本当に定着するのか?

以前、「オンラインゲームで貧困を抜け出す人々 果たしてバラ色の未来なのであろうか?」という記事を公開しました。

どちらかというと批判的な見解を示させて頂きました。

  • 長時間ゲームだけをして稼ぐというのは世の中に価値を生み出していない

  • 資本家と労働者という現実世界の階級差が持ち込まれてしまっている

  • 新規参入者が増え続ける前提で設計されている(ポンジスキーム的)

一方で、プラスの側面としては、

  • 国ガチャへの対抗手段(出身国に関わらずゲーム内では平等)

  • ゲームを取っ掛かりにプログラミング等の技能習得に繋がる可能性

先日、「人気メタバース、ユーザー数が伸びず──市場の期待を下回る」(コインデスク)という記事が公開されました。

3大メタバースのネイティブ暗号資産──ディセントラランド(MANA)、アクシー・インフィニティ(AXS)、ザ・サンドボックス(SAND)──はいずれも年初から下落し、ビットコインのパフォーマンスを大きく下回っている。

出典:コインデスク

ビジネスモデルとしては注目され、VCから資金は集まっているが、肝心の利用者(ゲームをするユーザー)の間で盛り上がっていない。それは、単純にゲームとしての完成度が低い為であるということの様です。

3つのメタバースはいずれもVCからの関心は高く、VCはメタバースやGameFiに数億ドルの資金を投下しているが、日々のアクティブユーザー数(DAU)は投資レベルを反映していないとの指摘がある。

「フォートナイト、GTA、キャンディークラッシュのような従来のゲームとは異なり、プレーを続けるために喜んでお金を支払いたくなるような、ユーザーを引き留めるオーガニックなエンゲージメントは現状、存在しない」とWeb3.0のアナリスト、DeFi Vaderはアクシー・インフィニティ(Axie Infinity)について論評した2021年8月のブログに記している。

出典:コインデスク

とても説得力のある見解と思います。そもそも、ゲームをやる目的は楽しいから。より高いレベルに到達する達成感であったり、競争相手を倒す陶酔感であったり、格闘技系・シューティング系では爽快感(ストレス発散)であったり。

お金を稼ぐために1日8時間、モニターに噛りついてクリックし続けるというのは苦痛でしかない。ひたすらバナー広告をクリックして楽天ポイントを稼ぐのと変わらない。

そもそも大半のP2Eゲームは、ポンジスキームなのではという批判さえあります。ポンジスキームとは、新規出資者の出資金を既存出資者への配当に充てる、初期の出資者のみが潤う投資詐欺のこと。

記事の中でゲームの面白さではなく、稼ぐことを目的に設計されたゲームは、ゲーム内通貨(独自トークン)の価値を維持することが難しい。次々に換金されてしまうので、常に新規参集者に資金を投入し続けてもらわないと通貨の流動性が維持できないと説明しています。

一方で、その課題に挑戦していく動きも見られます。

1つ目はDEA(Digital Entertainment Asset Pte. Ltd)の事例。

ゲームとして満足できるものを作るという本質価値を追求したパターン。

「失礼な言い方ですが、当時はまだブロックチェーンで遊べる”ゲームとしてちゃんとおもしろいゲーム”がほとんど無かった。ゲームを遊ぶだけで稼げるというコンセプトだけではすぐに廃れると思ったので、しっかりファンのつくゲームにしようと考えました。そこで、制作陣に『金田一少年の事件簿』など数々のヒット作を世に出した樹林伸氏にストーリーを作っていただいたり、キャラクターデザインも日本の人気漫画家さんたちにお願いしました。15年のテレビマン生活でエンタメの基礎はできていたので、ゲームを作るときに活きたと思います」

出典:Yahooニュース

この志(パーパス)には大いに共感できます。

「仮想通貨やブロックチェーンのすごさは、ネット上のデジタルデータに「価値」をもたらすことと、「国境」を無くしてしまえること。仮想通貨なら世界中の人と銀行を介さずに直接お金のやりとりができる。つまり、マーケットを世界に広げることができるんです。これはエンタメを生業にしてきた者にとっては革命的。この2つの利点を活かせるエンタメは何かと考えた結果、ゲームが最適でした。ゲーム上のデータに価値をつけられ、それを世界で売買できる。言語の壁も突破しやすいので尚更いい。調べたらブロックチェーンを利用したゲームはまだ世界にわずかしか無かった。パートナーの吉田が元々ゲーム会社を経営していた経験もあり、これしかない、これで行こうと」

出典:Yahooニュース

もう1つは、Learn to earn(学びながら稼ぐ)という考え方。

こちらのサムライ・ギルド・ゲームでは、ゲーム内で教育機会を提供し、将来のゲームクリエイター養成も目指しているとのこと。

「Samurai Guild Games」は、単に、ゲームギルドがメンバーに対し、ゲームをプレイするためのNFTを貸出しメンバーがゲームコインを稼ぐといった、一般的なゲームギルドの機能に加え、教育活動を中心に最高品質の情報を提供し、“Learn To Earn”を推進します。

さらに、これらの教育を通じて、ギルドメンバー内で育成されたクリエイターが、「Samurai Guild Games」と提携するゲームメーカーのゲーム開発へと参画していくのも大きな特徴です。

ギルドメンバーが作成するゲーム内のキャラクターをはじめとする様々なクリエイティビティをNFT化し、ゲームの中にショップを設置し、売買を可能にします。

必要な情報や学びを提供することで、誰もが参入しやすい環境を整備するとともに、それだけに留まらず、ゲームメーカー等との提携により、“稼ぐ”ことのできる環境を提供することで、ギルドメンバー全員で“PlayTo Earnを”を現実のものとし、金融資本主義に代わるゲーム経済圏を創ることを目指します。

出典:PR Times

先日、P2Eゲームの代表格であるアクシー・インフィニティーから6億ドルがハッキングされ流出するというショッキングなニュースもありました。

現状は、発展途上の過渡期であると理解しています。今後、P2Eゲームがより良い社会の実現という方向で発展が進むことを期待したいと思います。

<追記(4/11)>

記事内でご紹介したDEA(Digital Entertainment Asset Pte. Ltd)社の山田耕三さんから、Twitterでコメント頂きましたので貼らせて頂きます。

つまり、GameFiとして経済圏の設計がきちんとできており、真に面白いゲームを開発すれば、大きなチャンスがあると理解しました。

<併せて読む>

Move & Earn という新しいコンセプトを引っ提げ、日本で話題沸騰中のSTEPN。その可能性とリスクに関する考察。

日本発NFTプロジェクト「新星ギャルバース」。Zombie Zooの生みの親でありNFTアート成功の方程式を熟知した草野絵美さんが仕掛け人。世界中に散らばった8,888人のギャルの素性が徐々に明かされ、最後はアニメとして公開予定。


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