Moto

神奈川県の茅ヶ崎市という海沿いの街で生まれ育ち、現在は都内でイベント制作の仕事をしながら「地域興し」にも携わりつつ、海外や国内の離島を中心に旅をする中で、様々なトラブルに巻き込まれ続けています…。そんなトラブルを中心とした、ホッコリと笑える「旅話」をエッセイ形式で配信中!

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神奈川県の茅ヶ崎市という海沿いの街で生まれ育ち、現在は都内でイベント制作の仕事をしながら「地域興し」にも携わりつつ、海外や国内の離島を中心に旅をする中で、様々なトラブルに巻き込まれ続けています…。そんなトラブルを中心とした、ホッコリと笑える「旅話」をエッセイ形式で配信中!

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  • 【旅のトラブル】インド・シュリナガル編

    インド・ジャム&カシミール州のシュリナガルで体験したトラブル記事をまとめています。

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旅の始まりとエッセイの開始

はじめまして。Motoと申します。 今後、様々な旅のトラブル話をエッセイ形式で書いていくにあたり、簡単にですが、自己紹介をしたいと思います。 僕は、神奈川県の茅ヶ崎市という海沿いの街で生まれ育ち・海遊びを中心に生活をしてきました。旅というと、父親が休みの際に、家族で行く国内旅行が中心で、海外は1度だけ「ハワイ」に行ったことがありました。正直、特に旅が好きな少年ではなかったし、大学生の終盤に差し掛かるまで、興味もありませんでした。 しかし、大学3年生の時に、有名な写真家が撮

    • 30歳の誕生日、そして…(アメリカ・ニューヨーク)

      2012年9月28日の夜、羽田空港を飛び立ち14時間、ニューヨーク「ジョン・F・ケネディ国際空港」に降り立っていた。 「9月28日」日付は変わっていない。 「時差」という誰もが使える魔法を使い、20代最後の1日を伸ばすことが出来た。そして、誕生日を初めて海外で迎えた後、30代をスタートさせる。 「Motoの英語は、聞き取りやすいよ」 宿泊している家のオーナーである、ケニーの一言に「ホッ」と、気持ちが楽になる。 海外を旅している時、その国の住民や外国人と話をする機会はあるが、

      • 2回のカウントダウン(アメリカ・ニューヨーク)

        「参加したい気持ちは分かるけど、やめたほうが…」 「なんで?」 「あれは地獄だ! もし行くなら、オムツが必要だね」 オムツという言葉を聞いた瞬間「なぜ?」が、頭の中を巡り続ける。でも、現地に長年住むルームメイトの話を聞いていくうち、その過酷な状況を理解することが出来た。氷点下近い真冬の寒空の下、ベストスポットを確保するため長時間エリア内に待機し、トイレに行きたくても、エリア外に出ることを許されないのであれば、確かにオムツが必要かもしれない。でも…オムツはしたくない。誰に見ら

        • 最終日、そして…(インド・シュリナガル7/7)

          窓の外から吹く、生温い風を浴びながら考える。なぜ、この場所にいるのだろうか。全ては、自分が選択してきたことだ。それは分かっている。この経験を無駄にしたくない。そのためにはどうすれば? ゆっくり考えよう。時間はあるのだから。 朝起きると、レミーはすぐにシュリナガルへと戻っていった。これで、悪者軍団の一員はサジャーンだけだ。今日の夜、ついにカルカッタに向けて出発する。平穏に22時発の電車に乗るまで過ごしたい。しかし、その希望はすぐに打ち砕かれてしまう。 「今日は、おれの兄が街を

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        • 30歳の誕生日、そして…(アメリカ・ニューヨーク)

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        • 【旅のトラブル】インド・シュリナガル編
          7本

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          試練は続くよ。どこまでも(インド・シュリナガル6/7)

          奴らからの仕打ちは、いつになったら終わるのであろうか。 シュリナガルで過ごした日々は過酷すぎて、もはや精神も限界に近い! 一刻も早く、奴らから解放されて楽になりたい。でも、現実は甘くなかった。 シュリナガル最後の夜を、悪人軍団のボスの家で、命からがら過ごした後、ついに、インド3番目の大都市「カルカッタ」へ向かう時が来た。2つの都市間は、直線距離で約2300キロ離れている。前日にボスから渡されたのは飛行機のチケットではなく、電車のチケットだ…その電車に乗るのも、同じ州内にある

          試練は続くよ。どこまでも(インド・シュリナガル6/7)

          ボスの家にて(インド・シュリナガル5/7)

          毛布にくるまりながら、震えていた。連日の肉体的疲労や精神的な疲労もあり、意識はウツロウツロとしているけど、絶対に寝てはいけない。もしもの時は、実行するしかないのだ! 僕は人生最大の決意を固めていた。 シュリナガルを脱出して、カルカッタへ向かうことが決定したが、その前に大試練が待ち受けていた。必死の思いで「希望の暗号」を作り、バックパックに荷物をまとめていたら、突然、ボスが信じられないことを言い始めた。 「今日は、おれの家に泊まれ」 「???」 「急遽、この部屋に予約が入った

          ボスの家にて(インド・シュリナガル5/7)

          一本の電話(インド・シュリナガル4/7)

          どこにあるのだろうか。僕が探し求めているモノは。 日本とは違い、インド北部のシュリナガルでは、なかなか見つける事が出来ない。祈るような気持ちで探し続けるうち、僕の心に焦りの色が出始めていた。 初の海外一人旅に旅立つ前、インドに到着したら、連絡する事を両親と約束していた。しかし、シュリナガルは、電話回線が通っていないエリアが多く、携帯電話も役に立たない。入国して1週間以上が過ぎているが、未だに連絡する事が出来ておらず、「ぼったくりツアー」の最中、常にその事が気がかりであった。

          一本の電話(インド・シュリナガル4/7)

          希望の暗号(インド・シュリナガル3/7)

          「絶対に許さない!」 インドのシュリナガルで「ぼったくりツアー」に参加しながら、心の中で唱え続けていた。ここを脱出したら、自分を騙した奴らに痛い目に合わせてやる。騙した相手が悪かったと思い知らせてやる。しかし、ツアーの最中にドライバーから、こそっと言われていた事が気になる。 「ツアー代金の支払いを拒否しないほうが良い」 「値段が高いと口にするな」 「それが自分のためだ……」 そのため、移動する車内や寝る時など、常に“殺されるかもしれない”という恐怖を感じていた。しかし、僕は冷

          希望の暗号(インド・シュリナガル3/7)

          目の前にあること(インド・シュリナガル2/7)

          目の前に置かれたカレーを右手で掴み食べ始めると、皆が物珍しそうに僕のことを見ている。インドに到着して1週間、既にインド式にも慣れ始めてきたが、どこか恥ずかしい。 思い切って“グッド!”と親指を立ててみる。すると、自分たちの食事が認められたことが嬉しいみたいで、緊張が解けたのか、様々な質問が投げかけられはじめる。 「日本はどこにあるの?」 「ニューデリーから日本までの飛行機代はいくら?」 「結婚をしている?」 答えを繰り返すたび、彼らは驚きの声を上げ、少しの戸惑いと笑顔を広げて

          目の前にあること(インド・シュリナガル2/7)

          旅のはじまり(インド・シュリナガル1/7)

          シュリナガル。 言葉として存在は知っていた。しかし、旅に出るまでここに来る計画などなかった。なぜ自分がこの街にいるのか理解が出来ていない。いや違う。頭の中で理解はしているのだが、現実として受け止める事ができない。 一体いつになったら、この場所を出られるのであろうか? 街中に目線をうつすと、真冬の防寒具を着用し、ライフルを手に構えた警官らしき人の姿や、古びた色のない衣服を纏った人達が見える。これまで耳にしたことのない言葉が、冷えた空気を無機質に伝わり、僕の耳まで辿りつく。コ

          旅のはじまり(インド・シュリナガル1/7)