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究極のチームワークとは?
私は、さまざまな組織のチームづくりを支援しています。
考えてみれば、私はチームでものごとに向かうことに喜びを感じていました。
突出した個人がいなくても上手くいくチームもあれば、才能あふれる人が集まったチームでも上手くいかないこともあります。
現代では、ほとんどの仕事がチームです。
家庭もチームです。
大人になれば、一人でいくつものチームに所属することになります。
チームとは不思議なもので、所属しているチームの雰囲気によって、充実感を感じたり、ストレスフルになったりしてしまいます。
だから、それぞれが究極のチームを作ることができれば、多くの人が幸せで充実した人生を送ることができます。
1.いいチームとは?
どういうチームづくりを目指せばいいのか?
2つの指標があります。
①ハイパフォーマンスかどうか
②全員の居心地はどうか
この2つのバランスが大切です。
バランスの比重は、メンバーひとりひとりの個性やリーダーの考え方によります。
チームの目的からも影響を受けます。
しかし、どちらか一方だけでは、いいチームとは言えません。
ハイパフォーマンスでも居心地が悪ければ、メンバー間の諍いが頻繁に起こったり、メンバーの離脱による入れ替えが激しくなったりして、チームは疲弊していきます。
居心地がいいだけでも、成果が上がらずに持続可能とは言えません。
このバランスがとても大切です。
だから、このバランスを定期的にメンテナンスすることが大切になってきます。
人間もチームも生きものです。
人が整骨院に行ってバランスを整えてもらうように、チームもバランスを整える機会をつくりましょう。
2.チームと個の違い
私たちはチームになると、個人では考えられないパフォーマンスを発揮することができます。
特に日本人は、このチームで動くことが得意です。
真面目だったり勤勉だったりと言われることが多いですが、もっと大きな別の要素があると思っています。
以前、アフリカのレストランで、壁の前に立っている店員さんを呼ぼうとしたところ、何度も無視されることがありました。
ただ、注文をしたかっただけです。
でも、全然届きませんでした…
後から聞いた話によると、店員さんにはそれぞれ担当のテーブルがあり、その担当以外のことはやらなくてもいいとのことでした。
困っている人がいても、担当が違えば助けてはくれません。
これでは、いいチームは生まれません。
子どもたちはよくこういうことを言いますよね。
「片付けなさい!」
「それ、〇〇ちゃんが出した!私じゃない。」(だから片付けない)
もしかしたら、大人でも何か問題があったときに、
「〇〇(同僚の名前)がすみません!」
と自分には関係がない、という言い方をしている場合が多いかもしれません。
このような場合は、同じ学校や同じ職場に所属していたりしていても、チームとしてではなく個人で行動しているといえます。
最高のレストランでは、例え担当外であっても、全員が困っているお客さんに気がついていて、行動を起こします。
日本人は、周囲に気を配り、気づく力を育んできた文化を持っています。
日本人がまとまりやすいのは、決して打算や義務から生まれるものではなく、心から湧き上がる惻隠の情と言われるような感情を生み出す日本の雰囲気が原因だと思います。
こんな気持ちを全員が持つチームが最強です。
3.どんな意識でチームに所属していますか?
すべての人がチームワームについて学ぶことができれば、同じ方向を向いたチーム運営ができます。
チームワークの大切さ、チームの可能性、チームとしての喜びなどを知っているだけで意識が全然変わります。
決して、我慢してみんなに合わせることがチームワークではありません。
リーダーの思いのまま動くだけのチームがいいチームということもありません。
まずは、知ることが必要です。
アドラー心理学では「共同体感覚」という感覚を持っているときに最高の喜びを感じると言われています。
つまり、チームのメンバーひとりひとりに好感を持っていて、そのチームのことが大好きな状態です。
バスケットボールでは「他者の成功に進んで手を貸そうとする確固たる意志」を「ヘルプ・ザ・ヘルパー」と言って大切にするそうです。
ラグビーでも「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」という言葉が使われます。
チームスポーツではこのように「共同体感覚」を生み出したほうが強くなると経験的にわかっているのです。
仕事や家庭にも最高のチームワークを発揮するような機会をつくることができます。
「チームの中やチームの関係者にあなたの助けを必要としている人はいませんか?」
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