はじめての会議運営!意見がたくさん出る上手い会議の進行方法
「会議の仕切りを任されることになり、どう回していくのがいいのか戸惑っています…」
受講生の方からこんな質問をいただきました。今回のテーマは、会議を適切に進めていく方法についてお伝えいたします。
私が社会人になって、はじめて会議を仕切ることになったのは、20代後半のころです。最初はひどい進行をしていました。参加者の方に、「〇〇さん意見はありますか?」と随時ふっていくのですが、ひと通り意見がでたところで時間切れ、会議終了。意見を聞いたただけで、何も決まらず、出席者からは「何のための会議だったの?」と突っ込まれることが多々あります。
そこから15年。様々な企業様で会議の進め方などの研修を実施させていただき、良い会議の進行方法が見えてきました。今回はそのエッセンスをお伝えいたします。
本日のテーマは「ファシリテーション」についてです。
ファシリテーションとは?
ファシリテーションとは、助長する、促進するといった意味です。会議のファシリテーターとは、会議で最高の結論を導くための進行役になります。
そもそも建設的な会議とは何でしょうか。
私はこのように定義しています。
①意見がたくさん出ること
なぜ皆さんで集まるかというと、立場のちがう人が参加することで、様々な意見が出るからです。意見が全く出ないようであれば、そもそも集まる必要はないし、既に決まっていることを説明するだけなら、それは会議ではなく説明会だと思います。
②きちんと決まる
ここが最大のポイントです。会議というのは、会して議決すると書きます。つまり、会って決める、これが会議の目的です。何も決まらない会議は、会議の体をなしていないということになります。
会議を上手く仕切る方法
では、具体的にどのように進行していくか。
以前、ファシリテーションについて動画をアップいたしました。こちらも合わせてみていただけると理解が深まると思います。
youtube:会議の司会進行・ファシリテーションが上手くいく「4つのステップ」~GBJDモデルとは~
こちらの動画では「GBJD(ゴブジッド)モデル」をお伝えしましたが、「GBJD(ゴブジッド)モデル」をおさらいすると、
G=ゴール(決議事項)
B=ブレインストーミング(意見発散)
J=ジャッジ(判断軸)
D=ディシジョン(決定)
ということになります。
具体例にあてはめてファシリテーションを実施
ここからは、具体例を交えて「GBJD(ゴブジッド)モデル」を見ていきましょう。
テーマは「社員旅行の行き先を決める」にします。
皆さんがファシリテーターになったとして、「社員旅行の行き先を決める」ために、どういった視点で会議を運営するとよいか考えていきましょう。
「社員旅行の行き先を決める」という決議事項は決まっているので、G=ゴールはOKです。
G=ゴール(決議事項)=社員旅行の行き先を決める
次はB=ブレインストーミング(意見発散)です。
ブレインストーミングとは、制限なく、幅広く、否定することなく、意見を出し合う会議手法です。
たとえば「ハワイはどうですか?」→「ハワイ!そんな高いところ行けるわけないだろ!」、「大江戸温泉物語はどうでしょうか?」→「もっと奇抜なアイデアはないのか!」と、ひとつひとつNGを出したいたら、本来出てくる意見が上がってこなくなります。
よって、まずは「ハワイ、暖かそうでいいね!」「福岡、食事がおいしくていいよね!」「バルセロナ、いいんじゃない?2026年にサグラダファミリアが完成するらしいよね!」など、裁いたり否定することなく、一旦テーブルに乗せていきます。
デーブルに検討材料がたくさん乗ったら、次にJ=ジャッジ(判断軸)です。
いよいよファシリテーターの腕の見せどころです。今度はジャッジ(=判断)していかなければなりません。
たとえば「今回は、コスト(=価格が安いものと高いもの)と希少性(=めったにないものとよくあるもの)という軸で見ていきませんか?」といったように、ある程度判断軸を示していきます。もちろん、企業によって様々な判断軸があると思いますが、今回は便宜上、コストと希少性ということにいたします。
テーブルに乗っけたものを、判断軸にあてはめてジャッジし、収束していくと、何となく答えの輪郭が見えてきます。たとえば、「草津深夜バスツアーなら、コストもかからないし、8時間バスの中でお酒を飲みながら、みんなで語り合うってなかなかないですね~修学旅行みたいですね!」のように、良さそうな方向性が見えてきます。
そして、最後は、D=ディシジョン(決定)です。
ここで大事なのは、決め方を決めておくということです。
物事を決めるときのパターンは、概ね3つしかありません。
①決定権者が決める
②全員一致
③多数決
会社の会議だと、①の決定権者が決める、が多いのではないでしょうか。たとえば、社長とか部長が決めるとか。もちろん、②の全員一致だったり、③の多数決ということもあるでしょうが、大事なことは、予め決め方を決めておくということです。
色々意見が出て、ある程度の軸でジャッジしながら、最後に決議する。そうすると、意見もたくさん出て、最後にはしっかり決まる、そんな会議運営ができるようになります。
【本日のまとめ】
ファシリテーションの進め方
「GBJD(ゴブジッド)モデル」
G=ゴール(決議事項)
B=ブレインストーミング(意見発散)
J=ジャッジ(判断軸)
D=ディシジョン(決定)
ぜひ動画にて詳細をご確認ください!
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【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎30秒で伝える全技術 (KADOKAWA)
【オンラインセミナー、コミュケーション力アップ、伝わる話し方セミナー】
【プロフィール】
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役:桐生 稔
・モチベーション&コミュニケーションスクール代表講師
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・日本声診断協会音声心理士
1978年生まれ、新潟県十日町市出身。もともと臆病な性格で、対人関係が非常に苦手。小さい頃は親戚の叔父さんと話せない程、極度の人見知りであがり症。体も弱く、アトピー性皮膚炎、扁桃腺炎症、副鼻腔等、先天性欠如等、多数の病気に悩まされる。
18歳の頃に新潟から東京に上京。東京で新卒入社した会社では営業成績がドベで入社3カ月で静岡県富士市に左遷させられることに。しかしそこから一念発起。コミュニケーションスキルをあげるべく心理学、大脳生理学を学び始め、1,200店舗中営業成績でNo1となる。その後、ボイストレーニングスクールに転職。話し方の基礎を徹底的にマスターし、8店舗だったボイストレーニングスクールを40店舗に拡大。一気に全国区の業界大手に引き上げる。そして2013年、強いビジネスマンをつくりたいという想いからモチベーション&コミュニケーションスクールを設立。現在では全国で伝わる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチをトレーニングするビジネススクールを運営。全国40都道府県で年間2,000回のセミナーを開催し、受講者数は30,000人を越える。
北海道、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、新潟、石川、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、岡山、島根、広島、香川、徳島、愛媛、高知、福岡、大分、熊本、鹿児島、沖縄
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