相手を怒らせずに言いにくいことを伝えるコツ
Q.:「人に注意するのが苦手です。何かよい方法はないでしょうか?」
注意するのって気が引けますよね。嫌な顔されたり、反発されたり…。
今回のテーマは、
言いにくいことを伝える2つの方法
をお伝えいたします。
1つ目は、言い方の順番を変える
2つ目は、言い方の表現を変える
です。
きっと、要らぬストレスから解放され、変に喧嘩することなく、スムーズにコミュニケーションが行えるのではないかと思います。
①言い方の順番を変える
いま、平山さんという方が目の前にいます。
その平山さんに向けて、AパターンとBパターンを実際に伝えました。
A)平山さんは、明るくて、素直で、頼もしくて、用心深くて、短気で、嫉妬深い方です。
B)平山さんは、嫉妬深くて、短気で、用心深くて、頼もしくて、素直で、明るい方です。
どちらにポジティブな印象を受けましたか?
実際、平山さんに確認したところ、「Aパターンです」という回答をいただきました。
これは有名な実験ですが、ポーランド出身の心理学者ソロモン・アッシュ氏が、性格を表す形容詞を羅列した文章を2つ用意し、それを読んでどのような印象を持ったかをチェックしたものです。
やはりAにポジティブな印象を持った方が多かったということです。
A)平山さんは、明るくて、素直で、頼もしくて、用心深くて、短気で、嫉妬深い方です。
B)平山さんは、嫉妬深くて、短気で、用心深くて、頼もしくて、素直で、明るい方です。
これは順番を変えただけです。
ただ、Aは「明るくて、素直で」というポジティブなワードから入り、Bは「嫉妬深くて、短気で」というネガティブなワードから入っています。
~最初にインプットした情報に印象を受ける~
人間はどうやら、最初にインプットした情報を大きな印象を受けるようです。
この習性を活かして、先にポジティブ、後にネガティブの順番で伝えます。
たとえば、
「平山さん、資料の作成、絶対遅れないでよ(怒)!平山さんは集合時間だけはいつもきんと守るんだからさ、よろしくたのむね」
と言うのと、
「平山さんは、集合時間には絶対に遅れないじゃないですか。すごいと思うんです。だから、資料の提出期限も遅れないでほしんです」
と言うのと。
きっと後者の方がよい印象を持たれるのではないかと思います。
「あの人、口が悪いんだよね(ネガ)。根はいい人なんだけど(ポジ)」
「あの人、根はいい人なんだ(ポジ)。でも、ちょっと口が悪いけどね(ネガ)」
これもやはり後者ではないでしょうか。
どちらを前にするかだけで、印象は随分変わります。
なぜ、言いにくいことを伝えるのが苦手かといえば、相手が受け入れてくれるか心配だからだと思うんです。
だからこそ、相手に伝わりやすい順番に変えて届ける。
これだけで随分伝えやすくなると思います。
これが1つ目、「言い方の順番を変える」でした。
では2つ目、「言い方の表現を変える」いきます。
②言い方の表現を変える
たとえば、
「提出期限、守らないとダメでしょうが!!」
と、
「提出期限、守らないとだめでしょ(^^)」
同じことを言っていますが、どちらの方がポジティブに聞こえましたか?
これも実際に、平山さんに答えていただきました。
「提出期限、守らないとだめでしょ(^^)」
こちらの表現方法の方が、印象がよいとおっしゃっていただきました。
たしかに、
「提出期限、守らないとダメでしょうが!」
は高圧的なエネルギーを感じますね。
でも、
「提出期限、守らないとだめでしょ(^^)」
は癒やしのエネルギーです。
人間は、注意するとき、嫌なことを言うときに、表情や雰囲気もつられて怖くなります。
でも、それに合わせる必要はないと思いませんか。
もちろん厳しく伝えないといけないケースもありますが、
「だめでしょ、遅刻しちゃ(^^)」
と明るくポジティブに言われたほうが、「悪いことした...」と相手が反省するケースもあります。
同じことを言っていても、その表現方法で伝わり方が変わるということです。
お客様から、「何やら売ろうとしていません?」と言われたときに、売れない営業マンは「いやいや…売ろうとなんて(汗)。。」と言います。
でも売れる営業マンは、「ええ、営業マンですから(^^)」と爽やかに言います。
どんな風に言うか。その言い方が肝です。
~言葉と雰囲気を合わせる必要はない~
注意するとき、怒るとき、言いにくいことを伝えるとき。
ぜひ伝えるエネルギーを変えてみてください。
言われる方は傷つくこともあると思うので、あえてポップで明るく癒やしのエネルギーで、「次にミスしたら、本当に怒るよ〜(^-^)」と、少し工夫するのも有効打です。
伝わったかどうかを決めるのは?
言いにくいことを伝えたり、注意するとき、
「相手が悪いのに、なんでそんな顔されなきゃいけないの!」
「なんで反発されないといけないの?」
と感じるときもあります。
相手が悪いので、そう感じるのも当然なのですが、伝えるではなく「伝わる」をゴールにした場合、どうやったら伝わるかを考えるのがコミュニケーションのマスターです。
伝わったかどうかをジャッジするのは相手です。
だからこそ、
「ちょっと伝える順番を変えてみる」
「少し表現方法をアレンジしてみる」
この工夫が、相手に伝わる確率をグンとあげます。
相手も「わかりました」と受け入れやすくなり、豊かなコミュニケーションを築くきっかけになると思います。ぜひ動画でもお楽しみください!
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【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎図解版:雑談の一流、二流、三流(ASUKA BUSINESS)
【プロフィール】
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役:桐生 稔
・モチベーション&コミュニケーションスクール代表講師
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・日本声診断協会音声心理士
1978年生まれ、新潟県十日町市出身。もともと臆病な性格で、対人関係が非常に苦手。小さい頃は親戚の叔父さんと話せない程、極度の人見知りであがり症。体も弱く、アトピー性皮膚炎、扁桃腺炎症、副鼻腔等、先天性欠如等、多数の病気に悩まされる。
18歳の頃に新潟から東京に上京。東京で新卒入社した会社では営業成績がドベで入社3カ月で静岡県富士市に左遷させられることに。しかしそこから一念発起。コミュニケーションスキルをあげるべく心理学、大脳生理学を学び始め、1,200店舗中営業成績でNo1となる。その後、ボイストレーニングスクールに転職。話し方の基礎を徹底的にマスターし、8店舗だったボイストレーニングスクールを40店舗に拡大。一気に全国区の業界大手に引き上げる。そして2013年、強いビジネスマンをつくりたいという想いからモチベーション&コミュニケーションスクールを設立。現在では全国で伝わる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチをトレーニングするビジネススクールを運営。全国40都道府県で年間2,000回のセミナーを開催し、受講者数は30,000人を越える。
北海道、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、新潟、石川、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、岡山、島根、広島、香川、徳島、愛媛、高知、福岡、大分、熊本、鹿児島、沖縄
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