
【ボイトレ】聞きとりやすい話し方トレーニング
Q:「声が通らずに困っています。何かいい方法はありますでしょうか?」
あります!これまで、当スクールでは約1万回セミナー、研修を実施してきました。講師は100人、200人の前で話す機会もあり、講師業としては、通る声はまさに生命線です。その方の印象を決める要素にもなります。
声が通らなかったり、聞き取りづらかったりすると、自信がなさそうに見えたりもします。
今回は、我々講師が普段やっているトレーニングを含め、よく通る声で、聞き取りやすくするためのポイントをお伝えします。
よく通る声とは?
まず、よく通る声を定義しましょう。
よく通る声は「大きい声」
ではありません。
通る声とは、響く声です。
なぜかといえば、声は振動だからです。糸電話ってありますよね。なぜ聞こえるのでしょう?それは声が振動しているからです。
オペラ歌手は、コンサートホールでもマイクを使わずに歌います。マイクを使わなくても、2階のアリーナ席までバッチリ声が届きます。それは、声が大きいからではなく、響いているからです。
余談になりますが、宇多田ヒカルさんが屋形船で、名だたるアーティストを呼んでパーティーをしたときのこと。アカペラで一人ずつ歌おうという話になったそうです。そのときは、まさに花火大会の最中。花火がバンバン打ち上がってうるさいわけです。そんな中、宇多田ヒカルさんが「First Love」を歌ったそうなんですが、屋形船の一番後ろの席までバッチリ聞こえたそうです。まるで耳元で歌っているかのようにハッキリと。
周りがうるさくても、声が響いていれば、届くんですね。
声は大きさではなく、響きであるということ。これを、ボイストレーニングの世界では、共鳴と呼びます。
共鳴の3ステップ
では、どうやって共鳴させるといいか?3つのステップがあります。
ステップ①:呼吸
ステップ②:声帯
ステップ③:腔
息を吸う、吐く、この呼吸を通じて、声帯が震え、腔(鼻腔、口腔、咽頭腔)で鳴って、声になります。
今回は、3つのステップの中で、最も大事な呼吸に焦点を当てて、お伝えいたします。
呼吸で大事なポイントは?
ポイントは横隔膜にあります。
横隔膜は、肺の下にある筋肉性の膜です。横隔膜が下がると、肺が広がります。そうするとたくさん息を吸うことができます。
ただ、横隔膜は自分で動かせません。では、どうやって肺を広げていくかというと、下丹田です。
下丹田に着目
下丹田とは、へその下5センチくらいのところにあり、体の支えになるところです。
上丹田、中丹田、下丹田とありますが、下丹田に腹圧がかかると、横隔膜が下がって、肺が広がります。
呼吸がたくさん吸えるということは、吐ける息もたくさんあるということなので、響きやすい声が出せるようになります。
2つのブレス
下丹田を意識する呼吸方法は2つあります。
①短いブレス
短いブレスは、下丹田に腹圧をかけながら、「スッ、スッ、スッ…」と短く息を吐いていきます。これを1分やったら、相当体が温かくなります。
②長いブレス
長いブレスは、短いブレスの反対です。下丹田を意識して、「スーッ」と長い息を吐きます。一般の方だと、30秒続くかどうかだと思います。これもやっていくうちに、30秒が35秒、40秒、45秒になる。長い方、特に水泳の選手だと1分間続きますからね。
短いブレスも長いブレスも、下丹田を意識して呼吸をすると、車でいえばガソリンが満タンの状態になります。ガソリンが入ってこないと、か細い声しかでません。
是非、下丹田を意識して、短いブレスと長いブレスをやってみてください。短いブレスなら、1分もやれば十分です。ロングブレスなら、30秒を2セット。合計2分程度なら、習慣にしやすいと思います。
私はもともと喉が脆弱でした。小学校の頃は喉の病院に通っていました。薬を入れないとすぐに声が枯れてしまうのです。しかし、今は100人くらいの前ならマイクを使いません。
決して無理に大きな声を出しているわけではないんです。意識しているのは下丹田だけです。
呼吸を制するものは?
「呼吸を制するものは声を制する」と言われるくらい、呼吸は大切です。
呼吸って、意識しなくてもできますよね。だから多くの方は呼吸を学ぼうとしない。しかし、呼吸こそ大事です。
呼吸の仕方をマスターすれば、声も通り、リラックスできるようになります。磨けば確実に光ります。是非、呼吸を練習することで、話し方を変え、通る声、聞き取りやすい声を出し、一段上のレベルの話し方をマスターしていきましょう!詳細は動画でも解説しております。
【コミュケーション力アップ、伝わる話し方、あがり症改善セミナー】はコチラ
【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎説明の一流、二流、三流(明日香出版)
【株式会社モチベーション&コミュニケーション:桐生稔 著書】
◎30秒で伝える全技術 (KADOKAWA)
【プロフィール】
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役:桐生 稔
・モチベーション&コミュニケーションスクール代表講師
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・日本声診断協会音声心理士
1978年生まれ、新潟県十日町市出身。もともと臆病な性格で、対人関係が非常に苦手。小さい頃は親戚の叔父さんと話せない程、極度の人見知りであがり症。体も弱く、アトピー性皮膚炎、扁桃腺炎症、副鼻腔等、先天性欠如等、多数の病気に悩まされる。
18歳の頃に新潟から東京に上京。東京で新卒入社した会社では営業成績がドベで入社3カ月で静岡県富士市に左遷させられることに。しかしそこから一念発起。コミュニケーションスキルをあげるべく心理学、大脳生理学を学び始め、1,200店舗中営業成績でNo1となる。その後、ボイストレーニングスクールに転職。話し方の基礎を徹底的にマスターし、8店舗だったボイストレーニングスクールを40店舗に拡大。一気に全国区の業界大手に引き上げる。そして2013年、強いビジネスマンをつくりたいという想いからモチベーション&コミュニケーションスクールを設立。現在では全国で伝わる話し方、あがり症改善、人前でのスピーチをトレーニングするビジネススクールを運営。全国40都道府県で年間2,000回のセミナーを開催し、受講者数は30,000人を越える。
北海道、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、新潟、石川、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、岡山、島根、広島、香川、徳島、愛媛、高知、福岡、大分、熊本、鹿児島、沖縄
所在地 〒163-0649 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル49F
お問い合わせ TEL:03-6384-0231
MAIL: info@motivation-communication.com
-----------------------------------------------------------------------------