コーヒー
食後には珈琲を
そういう大人が信じられなかった
甘いものを食べた方が
幸せでハッピーになれるのに
どうして大人はわざわざ
あんなに苦いものを好んで飲むのか
ずっと変に思ってた
でも今になってわかったよ
この苦さの良さ
色んなことを体験して色んな味を知ったから
あえてこの苦味がいいんだね
生きていくことは
デザートのように甘くて幸せなことだらけだ
いや、そんなわけなくて
苦いことも辛いことも酸っぱいこともあって
ずっと味わってると舌がバカになりそうになるね
心という舌ベロも一気に色んな味を食べたら
疲れてしまうよね
だからこそ珈琲という飲み物があるんだね
疲れた舌に疲れた心に
このほろ苦さは染みるんだ
全てをリセットしてくれるような気がして
良薬口に苦しというけれど
似たようなものなのかな
たった1杯で心が少し落ち着くんだ
僕も少しだけ大人になったのかも
こうやって変わってくんだろうな
一人一人少しつづ違った大人へ
親しかった友人も
愛した人も
みんなみんな少しづつ
変わっていくんだろうな
色んなことを味わって
みんな変わってしまうんだろうな
僕も変わってしまうんだろうな
少し寂しくなって
僕はまた珈琲を啜る
ほろ苦さが少しだけ
寂しさを紛らわしてくれるような気がした