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自分のこと、唯一無二だと思ったことないよ



 自分のことを「他に代替のきかない唯一無二の存在」だと思えるのは、まず親から「生まれてきてくれてありがとう」と生誕と生存を肯定されることが手っ取り早いんだろうと思う。

 じゃあそういう肯定をされなかった人間、「親と家庭」という最初に出会う自己形成の世界で、生まれを望まれていなかったと感じたり、そう仄めかされたり、冗談でも本気でも直接そう言われた人間はどうすればいいだろう。


 よくも悪くもガキンチョにとって絶対的な存在である親や、世界そのものである家庭に拒否されてつまびかれた人間は、十中八九、というか例に漏れずみんななにかしらの形で自己肯定感や自信を喪失し、思わぬ形で人間関係や自身の人生選択において悩むと思う。

 こうやって言い切ってしまうのは偏見を煽るような物言いだけれど、そういうスタートラインに立たされてることを自覚的であった方がいいと思うので、あえてこういった書き方をしている。「どこの家庭でもこれが普通だ」「これは親の躾の範疇だ」「親孝行だから当たり前だ」「自分には愛されない理由があるから仕方ない」ーーという納得感を持つ必要はない。

 ふつう、ガキンチョなんて世界の歪さを納得しなくていいし、疑問に思うことなく自分が世界に肯定され、愛される存在であると信じていいし、そういう自己中心さこそが成長の土台だと思う。それからようやく自分を愛さない人間や自分に興味のない人間と出会って、それを知覚することでようやく世界を広げて、自分の形を世界に合わせて叩き直していくものなのだから。

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ここはあなたの宿であり、別荘であり、療養地。 あたいが毎月4本以上の文章を温泉のようにドバドバと湧かせて、かけながす。 内容はさまざまな思…

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