望月もちぎ

学生作家。 ゲイ業界で色々やってきた人。 ■ブログは基本的にはどこから読んでも大丈夫なようになってます。一つ一つのタイトルテーマで完結してます。

望月もちぎ

学生作家。 ゲイ業界で色々やってきた人。 ■ブログは基本的にはどこから読んでも大丈夫なようになってます。一つ一つのタイトルテーマで完結してます。

マガジン

  • 天然温泉旅館「もちぎの湯」

    ここはあなたの宿であり、別荘であり、療養地。 あたいが毎月4本以上の文章を温泉のようにドバドバと湧かせて、かけながす。 内容はさまざまな思想や日記、業界研究や感想など。SNS分析や、誰かの相談事にも言葉を残します。コメントで今後書いて欲しいことや質問も受け付けます。 たくさん書いていくのでゆっくり読んで、どっぷり浸かっていっていっておくれやす。

  • 異世界転生ゲイ

    旅行行って書いたやつ

  • ウリセン編9 卒業編と最終コラム

    長く続いたウリセン(ゲイ風俗編)最終章です。3年間を振り返ったコラムなども書き下ろしで入れてます。

  • 一発一年寿命パンチ

    ひまなときに書くやつ

  • 有料記事(単発もの)

    読み切りサイズの単発記事。 気になるものがあったら読んでみてください。

ウィジェット

最近の記事

怒られて、いじられて、説教されるのが好き

 あたいは根が調子乗りで偉そうなため、他人に対して出過ぎた説教やお節介を焼き回る時がある。これは「よく気がつく」とか「良い意味で完璧主義」という類の能力から表れる行動ではなく、ふつうに思ったことをすぐに口に出してしまう辛抱の無さと、「指摘はいつだって正しい」と信じてやまない配慮不足から起きているだけの、未熟さである。あたいはまだ青い果実なのだ。(山口百恵であるという意味ではない)  そのため高飛車で尊大でリーダーシップを持ちたいような人間なのだと勘違いされてしまうが、その実

    • 「ヤバい奴見つけた」みたいなネットコンテンツしんどいよな

       「お笑い」ってのは、根幹に「人の不幸を笑う」って感情があると聞いたことがある。真偽はわからん。けれど理解できる節はある。確かにそうなんだろうなと思う。子どもを見ていても、大人を見ていても、そう思う。  でもそれがお笑いの全てではないとも思う。「おもろい」って感覚は、誰かを蔑む冷笑や嘲るだけじゃなくて、むしろそれはもっと浅くて表層に過ぎず、その先にある「だからこそ愛しい」とか「だからこそ共感できる」「自分に重なって自嘲もできる」というものが湧き立ってこそ、「お笑い」は芸能だ

      • 世界が愛おしくなると、作家としてなんにも書けなくなるな

         ひょんなこと(SNSでバズること)から始めたエッセイ作家の生業も、もう今年で5年目になってましたわ。早いようでものすごく長かった。  というのも、今まで別段やってきたわけじゃない漫画や文章といった書き物や、慣れない取材・打ち合わせといったアレコレがあまりにも楽しくて、その新鮮さのおかげで時間が溶けるように一瞬だった気もするし、生活面では周りの人間との関係の変化や、作家として活動してからの出会いが大きく、その移り変わりに没頭していると、すごく長くてゆったりした時を過ごした気

        • 特別なことなんて言おうとしなくていいよ

        マガジン

        • 天然温泉旅館「もちぎの湯」
          ¥560 / 月
        • 異世界転生ゲイ
          3本
        • ウリセン編9 卒業編と最終コラム
          11本
          ¥360
        • 一発一年寿命パンチ
          2本
        • 有料記事(単発もの)
          4本
        • 隣の住人が私のアンチだった。
          3本
          ¥120

        記事

          「自分が自分に飽きるとき」

          「自分が自分に飽きるとき」

          あとがきはズルだし、生い立ちなんてどうでもいいし。

           あたいのポリシー、いやポリシーって言うと若干カッコがついてしまうので、こだわりとか、そうじゃないとムズムズして落ち着かない腕の組み方とか寝る時の体勢とか、そういう生理的なもののひとつなんだけれど、あたいは「作り手の自分語り」があまり得意じゃない。  作り手である人間がつらつらと制作秘話や思いを書き募っているのを見ていると、むず痒い違和感を覚える。  なぜあたいがそう思うのかこの際 言葉にしてみようと思い立ち、つらつら書いていくことにした。まぁこうやって書くのも作り手の自

          あとがきはズルだし、生い立ちなんてどうでもいいし。

          【SNS分析⑤】そういえばネットは自由だったな

           最近、SNSでバズり散らかしている宇宙人がいる。あたいではない。あたいはバズってないし、宇宙人じゃなくただの一般美人なので。

          【SNS分析⑤】そういえばネットは自由だったな

          もうあたいは風俗に戻れない、と切に思う

          ⚠️性加害についての具体的なエピソードが出ます。  あたいはなんやかんやでゲイ風俗に5年ほど在籍していたが、まぁとりあえず大事には巻き込まれずに済んだ、と思う。死んでないし。  なにより、そこまでハチャメチャに売れたわけではないけれど、根強いリピーターさんに恵まれたおかげで細々ながら生活を続けられ、ゲイ風俗のお給料で大学の学費も賄うことができた。一応は念のため奨学金も多めに借りていたが、そこそこの額を手付かずのままでいられたので、利息がかかる前に一括返済できたのも気持ちに

          もうあたいは風俗に戻れない、と切に思う

          食欲と性欲って、わりとキモいよな

           そういえば、いつごろ無くなったのか明確ではないんだけど、あたいは昔、人前でご飯を食べることに対してそこそこ強烈な苦手意識を持っていた。  といってもガキの頃は昼食となれば、学校という場ゆえ否応なしに友達と輪になって給食やお弁当を食べていたし、苦手ではあったもののそれで強烈なストレスを感じて吐き戻したりするなどの拒絶反応が出ることはなかった。会食恐怖症を抱える人はたぶんここまでの経験を持つだろうと思う。あたいはそこまでではなかった。  唯一あった困難と言えば、食事中に談笑

          食欲と性欲って、わりとキモいよな

          自分のこと、唯一無二だと思ったことないよ

           自分のことを「他に代替のきかない唯一無二の存在」だと思えるのは、まず親から「生まれてきてくれてありがとう」と生誕と生存を肯定されることが手っ取り早いんだろうと思う。  じゃあそういう肯定をされなかった人間、「親と家庭」という最初に出会う自己形成の世界で、生まれを望まれていなかったと感じたり、そう仄めかされたり、冗談でも本気でも直接そう言われた人間はどうすればいいだろう。  よくも悪くもガキンチョにとって絶対的な存在である親や、世界そのものである家庭に拒否されてつまびかれ

          自分のこと、唯一無二だと思ったことないよ

          「好きな作家がSNSやってないと不安になる」 〜「作品と作者は別」論について

           あたいの友達に、互いにスタンスが近かったり遠かったりするものの、飽きもせずに何年もずっと長いことつるんでいて、政治やSNSやジェンダーや社会のことについて議論できたり、いろんな思ってることをブレインストーミングのようにつらつらと言い合える心理的安全性の高いダチがいる。  その子は、元々はあたいがゲイバーで働いていた時に飲みに来ていたお客さんだったんだけど、歳も近く、酒の飲み方(ペースとか)も似ていて、なおかつ飲み屋であろうが臆面もなく社会学やフェミニズムの話ができたので初

          「好きな作家がSNSやってないと不安になる」 〜「作品と作者は別」論について

          「界隈」って言葉があんま好きじゃない

           あたいは寂しがりやなので人が集まる場所が好きだし、基本的に他人のことが好きだ。ただそれは慈愛に満ち溢れているわけではなく、他の人間への興味関心が強いわけでもなく、ただ単純に「他人といる時の自分の気分」が好きだから他人が好きで、だからわざわざ人の集まる場所に顔を出すのだと思う。  こういう人間ってのは基本的に自己優先で、隠れエゴイストだと思う。疲れていたり気分じゃなければ、無理して他人と会おうとせず、ひたすらに内にこもる。あたいもそうだ。機嫌が悪ければそれを他人に共有しよう

          「界隈」って言葉があんま好きじゃない

          「身内に怒られてない奴」←ほんまにヤバい

          「ヤバい奴とは、考えなしにうっかりヤバいことをしてしまう者ではなく、ヤバいことをしても周りから諌められず、遠巻きから寄せられた批判や注意に耳を傾けないでいられる者である」というのがあたいの持論である。  昨今、TwitterやInstagramやYoutubeなどで炎上している人間は毎日ってほど見かけるし、そういった話題が目に入ってくるたびに「またお前か」という常連もおりますわ。  普段から軽率で、深慮せず、身内ノリが抜け切っておらず、信頼関係ができてようやく成立するよう

          「身内に怒られてない奴」←ほんまにヤバい

          同情されると死にたくなるよな

          ◆ 「同情されると死にたくなる」とタイトルに書いたけど、今のあたいはあんまりそう思ってない。  ただ、昔はそう思ってた。だって同情されるって、自分が目を逸らしている現実を、他人が勝手に事細かに見つめて、これみよがしに「あなたはこんな境遇なんですよ、だから可哀想なんだけど分かってる? 自覚あるの?」と提示してくる迷惑な行為だと感じていたから。(我ながらすげぇ曲解と繊細さだ)  そう感じてしまうくらいに、ガキの頃のあたいは自尊心も無く、他人への期待も無く、人に弱みを見せて助

          同情されると死にたくなるよな

          ゲイとBL好き女が20年近くつるんだ結果

           どうやら彼女は17歳の時に、「うちら、30歳になっても互いに独身で、親からなんか言われたら、形だけでも結婚しとこうな」と、あたいに冗談混じりに話したようだ。あたいは正直覚えてない。  この話は、2024年6月26日に発売される、ゲイの周りの女たちに焦点を当てたコミックエッセイ「あたいと焦げない女たち」(KADOKAWA)に書こうと考えたけれど、やっぱり文章で、つらつらと綴りたい気分になるエピソードだったので、ここに記そうと思う。 ◆   まず、拙著『あたいと他の愛』(

          ゲイとBL好き女が20年近くつるんだ結果

          「みんなからうっすらと嫌われてるんです」

           以前、こう話す人と出会ったことがある。 「自分、みんなからうっすらと嫌われてるんです」  何か嫌われるような事をしたの? たとえば放火とか横領とか……、とあたいが問い返すと、「いやそんなことはしてないですけど……」と若干引き気味に返答し、それから自分なりに努めて冷静に、それでいて他人のことを語るかのようなどこか冷めた目で身の上話を語り始めた。  その人曰く、どうやら初対面の時は誰とでも分け隔てなくある程度は話せるらしく、コミュ力と呼ばれる外向きの社交性こそそこまで低く

          「みんなからうっすらと嫌われてるんです」