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子どもにも保育者にも大切 「 オンリーワン 」の時間
前回に引き続き、 ConoCo の保育手法、aibase保育の詳細を説明します。
aibase保育は保育をする上で大切にしたい6つのコンセプト「 accept 」「 individualize 」「 believe&wait 」「 attachment 」「 socialize 」「 environment 」の頭文字を繋げた造語です。
今回は2番目の「 individualize 」をご紹介します。
赤ちゃんはどうして‟ワンオブゼム”で許されるのか?
突然ですが、自分に今、恋人や夫婦としてお付き合いをしている人がいるとして、その相手がほかにも自分と同じような関係を結んでいたとしたら、あなたはどう感じるでしょうか?
いわゆる不倫や浮気と呼ばれるようなものです。
昨今の芸能ニュースでのとりあげ方をみていると、おそらく烈火のごとく怒り狂う人が多いのではないでしょうか。
事情にもよると思いますが、この怒りは相手が「 自分だけに向きあっているのではなかった 」、つまるところ「 自分をないがしろにされた 」というところに起因するものも大きいと思うのです。
わたしとあなた、1対1でオンリーワンの関係ではなかったのか、と。
その様子を見るにつけ不思議に思うのです。
自分には「 オンリーワン対応 」を求めるのに、どうして人としてもっとも貴重な乳幼児期にいるわが子が保育園で「 ワンオブゼム 」、大勢のなかのひとりのように扱われることをあたりまえのように受けいれられるのかと。
発達的な面からみても情緒的な面からみても、乳幼児期こそ、世界にたったひとりの大切なあなたとして扱われるべきではないでしょうか?
(もちろん大人同士の関係においても同様に扱われるべきであろうことを申し添えます。)
「 individualize 」は「 1対1、その子のためだけにかかわる 」
ConoCo では、このごくあたりまえのように思われながらも、しかしながら施設であるという固定概念によってなくても許容されてしまっている、その子のためだけに向きあうという姿勢を、とても大切にしています。
わたしたちはその姿勢を「 individualize 」、「 1対1、その子のためだけにかかわる 」こととして、保育手法のひとつに組み込んでいます。
ですが保育園という限られた条件のある施設において、家庭のように、つねにお母さんやお父さんと1対1でかかわってもらいながら過ごしている状態を
完全に再現するというのはほぼ不可能なことです。
それではいったいどうするのかというと、排泄や食事・睡眠時、または不安なときや困ったときなど、生命の維持や情緒の安定に不可欠な場面を、毎回かならず決まった保育者が1対1でお世話をするようにしているのです。
そうすることで、家庭とまったく同じとまではいきませんが、それでも施設のなかの大勢のうちのひとりではなく、たったひとりの人間としてその子を尊重することにつながると考えています。
1対1は、子どもにとっても保育者にとっても必要な時間
1対1でその子ひとりのために向きあうことは、子どもにとっても保育をする者にとっても必要な時間です。
そうすることによって子どもは「自分は愛されている、大切にされている、必要とされている」と実感することができ、安心し、心が満たされていきます。そのようにかかわってくれる保育者への信頼感も抱きやすくなります。
一方で保育者の方はというと、こちらも慌ただしく何人もの子と同時にかわわるよりも、ゆっくりと落ちついてひとりずつかかわった方が、一人ひとりちがう子どもの思いや表現、特徴などを深く把握できるのです。
一人ひとりの子どもに対する理解が深まり、よりきめ細やかに寄り添うことができるようになります。
こうして1対1でかかわることにより、子どもと保育者、お互いの絆がより強固なものとなるのです。
乳幼児期にこのように信頼できる存在がいて安心してすごせること、そして自分は大切な存在なのだと実感できることが、その子が生きていく上での人格の基礎となり、自分やまわりの世界を信頼し大切にしながら生きていける土台となります。
「 1対1、その子のためだけにかかわる時間 」を保育のなかで保障することは、その子の健全な発達のために、子どもと保育者、両者にとって欠かせない重要なことなのです。
1対1は施設のなかでは意識しなければ作れない
保育園で過ごす時間のなかには、食事や排泄、睡眠のほかにも、絵本を読んだり、おもちゃであそんだり、運動したり、ふれあったり…。さまざまに子どもとかかわる機会があります。
ですが、施設という枠組みのなかでは、保育者がしっかりと意識して作らなければ1対1でかかわるチャンスは生まれません。
たとえたくさんの子どもたちを預かる立場であったとしても、一人ひとりの子を「 世界でたったひとりのその子 」として尊重する。
その大切さを決して失念しないように、aibase保育の2番目には「 individualize 」を置いているのです。