高齢犬の腎不全と前庭障害の介護は?
「要らない」と捨てられたジャック。雪の降る日におばあさんを見つけ人命救助をしました。
ジャックの病気は高齢になっての腎不全と前庭障害でした。
ジャックはおじいさんと二人で暮していました。おじいさんが亡くなり、おじいさんの遺品整理の時に家族から「犬は要らない」と公園につながれて捨てられていた犬です。
おじいさんと暮らしていた時からジャックは近所の皆さんに可愛がられて散歩などもしてもらっていたようです。そのジャックが公園に捨てられているのを見て、可愛がっていた方たちが散歩やご飯をあげるなど、かわるがわる世話をしてくださっていました。
しかし通報され、何度も警察に保護されることがあったようです。そのたびに世話をされている方たちが迎えに行ってくださっていました。その中で自分の会社に連れて行こうという方が現れましたが、体調を崩されてマザールーフにやって来ることになりました。
ジャックは顔が人間のおじさんのようだとスタッフに人気が高く散歩は引っ張りだこでした。とても優しく手がかからない犬で、散歩も元気よく走ったりして楽しそうにしてくれ、ご飯も文句なくガツガツ食べてくれる健康な犬でした。
そんなジャックと師走の雪が降る寒い夕暮れの日、いつものように散歩に出かけていました。
楽しく一緒に走っていましたが急にジャックがビルとビルの間で止まり間に入ったのです。驚くことに、そこには裸足のおばあさんがいました。
ビックリしながらおばあさんを暗いところから手を引いて出したら、薄い服一枚でした。「小雪が降っているこんな寒い日に裸足で薄着とは?どうしたんだろう?」と急いでスタッフに連絡をして履物と上着を持ってきてもらいました。散歩は止めてマザールーフに連れていき、お茶を飲ませて警察や高齢者の施設などに居なくなった人はいないか問い合わせをしました。
数分するとお巡りさんと男性の方が2名(親子のようでした)一緒に来られました。
お二人は安どした様子でおばあさんに声をかけていらっしゃいました。1時間以上も探しまわっていたそうです。ちょっと目を放した隙に自宅から出て行ってしまったそうです。家族中で近所などを探していたとの事でした。
ジャックのお手柄で尊いおばあさんの命を救ったのです。
しかし、その時のジャックの、お巡りさんを見た時の行動に驚きました。
ジャックは昔、派出所に何度も保護されていたので、お巡りさんの制服を覚えていて、苦手のようで後ずさりをしてドアから外へ出ようとしたのです。
その時のジャックがとった行動が今でも忘れられないほど可哀そうでした。その姿を見ていたスタッフはジャックが不憫でたまらないと言ったほどです。
そんなお手柄ジャックは、みんなに可愛がられ毎日朝と夕の散歩は公園を走ったりして元気いっぱいです。
お世話をされていた皆さんからは、ジャックに毎年フィラリアとワクチン代を送っていただいていましたが、高齢になり腎臓が悪くなり脳にも問題が生じたようで頭が直角に下に曲がるようになり亡くなりました。
最後まで、みんなを笑顔にしてくれる行動とお茶目さを持っていた犬でした。
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