決算報告資料の制作秘話 第1章
今期で3回目となるモテアソブ決算報告資料。
今年もモテアソブらしい大真面目で、大赤字の内容に仕上がりました!
会社を経営している人、モテアソブ三軒茶屋に関わっている人、
そしてお金が好きな皆さんに必見です。
そんな赤字丸出しの決算報告資料のプロジェクトメンバーである、カズキタ氏、プロジェクトマネージャーさおり氏、デザイナーY氏から聞いた作成秘話のインタビューを大公開!(インタビュアー・筆者:元インターン住民ゆず)
今期の合同会社モテアソブ三軒茶屋の決算報告のテーマは「関わっている人との関係性」。
赤字でも「人に投資をする」のが最終的には良い方向になっていくということが導き出されていくまで、カズキタ氏とプロジェクトマネージャーさおり氏による見解が分かる内容となっています!
そもそも合同会社モテアソブ三軒茶屋とはどんな会社なのか。気になる方はコチラ。
①「合同会社モテアソブ三軒茶屋がどんなことをやっているのか!?」という説明をするために決算説明資料を作り始める。
〈ゆず 〉
そもそも、なぜモテアソブで決算説明資料を作っているのでしょうか。
〈カズキタ氏〉
そうですね。なぜ作ってるのかっていうと、合同会社モテアソブ三軒茶屋の活動が世の中にあまり知られてないんじゃないかっていうところがあるんです。3年前からやってるんですけど、当時はほとんど情報が出てなくて、 「会社作りました。」 「たまに知り合いの案件やってます。」 「クラウドファンディングやってます。」 みたいな情報しかありませんでした。 だから基本的に、会社で「何を大事にしているのか」とか、「どういう思想で経営しているのか」っていうのをきちんと世の中に示したいという目的がありました。それを毎年継続的にやっている感じですね。
〈ゆず〉
決算資料より、会社説明に近いですね。
でも今期はかなり大胆に赤字を全面に出しましたよね。
〈カズキタ氏〉
赤字になった年があれば、応援してもらいやすくなるとか、そういう利点もあると思います。儲かっている会社を応援しようって気持ちにはならないけど、頑張って社会に役立とうとしている会社には応援が集まる。クラウドファンディングとかでお金を集めることが多いので、日頃から情報をオープンにしていくのがプラスになると思ってやってます。
〈さおり氏〉
決算報告の資料を作り始めたのっていつからでしたっけ?
〈カズキタ氏〉
3年前くらいですかね。決算の1期目では余裕がなくて。
当時はお金も時間もなくて、案件も3つか4つしかなかった。住人もまだスキルが足りなくて、住人の友達に発注することも多かったですね。
だからちょうど会社が3期目になったくらいからは、やりたいことや想定してたことが実現できるようになってきたので、決算報告の資料を作り始めようかと。少しお金やメンバーも揃ってきたのも大きかったですね。
〈さおり氏〉
コミュニティが広がり始めたタイミングだったんですね。
〈カズキタ氏〉
そうですね。去年初めて印刷物を作ったんですけど、それはかなり反響がありました。経営をしようと思っている人や経営者には興味を持ってもらいやすいですね。
【1期〜3期の決算説明】
【4期の決算説明】
②テーマは「ユニークさ」と「人の関係性」
〈ゆず〉
今までの決算報告資料と今回でそれぞれテーマは変わりましたか?
〈カズキタ氏〉
1回目は「なんでこの会社をやっているのか」を数値も交えて丁寧に説明する内容でした。2回目はよりオーソドックスな決算報告書で、前年との比較や次年度の予想を重視しました。3回目の今回はテーマ性やコンセプトがより明確で、ユニークさが出ている内容になっていますね。
〈ゆず 〉
今回のメインテーマはユニークさですか?
〈さおり氏〉
ユニークさもそうですが、合同会社モテアソブ三軒茶屋と関わっている人たちの関係性とそれに伴った数字の部分に肝があると思っているので、それを今回は意識して進めていますね。
〈ゆず〉
ユニークさとコミュニティ内での人々の関係性、どちらも重視したのが今回のテーマということですね。
〈さおり氏〉
これまでモテアマスとモテアソブの関係性について語られてきましたが、モテアマスの終了など背景にある文脈が変わるとフォーカスすべき部分も変わります。だから関係性を紐解いた部分を明確にできたかなと思います。
モテアマス三軒茶屋とは、主任カズキタ氏たちが始めた“人を持て余す”シェアハウス。別名「インドなシェアハウス」。
主任カズキタ氏によるモテアマスの徹底解説。「モテアマス」を知るにはまずコチラから。
③決算報告資料を作成したさおり氏、デザイナーY氏の招集
〈ゆず〉
今回の決算報告資料を作る上でのメンバーはどのように招集されたのでしょうか。
〈カズキタ氏〉
そうですね。まず、これまで関わりのある人にお願いしようと思っていました。1年目は友達の高島さんが文章を書くのが得意で、真面目に語れる人だったので、適任だと思い、お願いしたのが始まりでした。
でも当時、高島さんがモテアソブに深く関わっていたわけではなかったので、モテアソブに関する説明をするのが大変でした。第三者として聞いてくれるのは良かったのですが、時間がかかってしまったんです。
〈ゆず〉
2年目はどうだったんですか?
〈カズキタ氏〉
2年目は私が関わる時間が少なく、代わりにモテアマス元住人のながりなに入ってもらい、高島さんと二人で進めました。その際、1年目のスライドを作った高島さんの会社の同僚であるデザイナーY氏にもデザインをお願いしました。
〈ゆず〉
今回もデザインされているデザイナーY氏は1年目からデザインされていたんですね。
〈カズキタ氏〉
そうですね。
そして、3回目の今回は高島さんがコミュニティから少し離れてしまい、ながりなも兵庫に引っ越してしまったので、もっと近い人にお願いしようと考えました。それで、文章が書けて、モテアソブのコミュニティを理解してくれるさおり氏にお願いしたんです。
うちにはクリエイティブな人も多いですが、この分野は難しいので、適任者を探すのが大変なんですよね。
〈さおり氏〉
確かにこの分野の仕事はなかなかピンとくる人が少ないですよね。
〈カズキタ氏〉
そうなんです。経理の人でも難しいと思いますし、会社経営やちょうどいい規模感の会社に属している人じゃないとイメージが湧かないこともあります。
〈元インターンY 〉
さおり氏はこれまで決算に関わったことがあったんですか?
〈さおり氏〉
エンジニアとして働いていた際に会計系のシステムを作っていて、決算書をよく見ていました。
今回の決算では数字を見るだけでなくて、その背景にあるエピソードが紐づいていくのが面白いと感じています。
〈ゆず〉
その経験があったからこそ、今回の決算報告の資料作成でコミュニティの構成が複雑だったり、数字がややこしくても面白く取り組めているのですね。
〈さおり氏〉
そうですね。裏でどういうお金が動いていて、人がどう動いているかというのが歴史を紐解くイメージで楽しいです。
〈ゆず〉
特に楽しかった部分で印象に残ったところとかありますか?
〈さおり氏〉
やっぱり合宿の話ですかね。モテアマスっていうコミュニティ自体はあるけど、仕事の上での関わりとモテアマスの暮らしがどうつながっていくのかイメージがついてなかったんです。
でも、合宿の話とか中にいる人の話を聞いたことで、「そういうふうにつながっているのか!」という、違う存在だけど、しっかりつながってるみたいなところを感じるのがすごい不思議だし、面白いなって思います。普通の会社でそんなこと絶対起こらないですからね。
④合同会社モテアソブ三軒茶屋は「人的資本」
〈ゆず〉
他に決算報告資料でこだわった部分はありますか。
最初は赤字を全面に出していこうという話もありましたよね。
〈さおり氏〉
そうですね。決算って、やっぱりそもそも気になる人が限られていると思ってるんですよ。会社の数字に面白みを感じる人が少ないのかなと思っているのと、とっつきづらさはどうしてもあるんじゃないかなと思ってて。
けど、そのとっつきづらさを乗り越えるフックはちゃんと作りたいなっていうのはあります。関わりしろのところとかは、ちょっとでもわかりやすく面白く伝わるかはこだわっていきたいと思っていました。
あとは、モテアマスがなくなったこの時だからこそ、モテアソブの存在をちゃんと明確にするとか、繋がりの関係性を表現できるといいんじゃないかとかは考えていました。その中で新しい関わらが生まれてつながっていけるといいな、とかは今回の狙いです。
〈ゆず〉
さおり氏は今回すごく楽しいとおっしゃっていましたけど、苦労したことはありますか?
〈さおり氏〉
ん〜。苦労したことはないかもしれない。
〈ゆず〉
えっ!?すごい。。。だって数字も複雑だし、コミュニティの構成やその関わりも複雑じゃないですか。
〈さおり氏〉
私は複雑なものを書くのが好きなんですよね。あとは、会計知識がたくさんあったので。昔やっていたことがここで役に立つとは驚きましたけど。
〈ゆず〉
これまでの経験値が豊富ですね。
〈さおり氏〉
学んだポイントで言うと、構成を考えるときにその決算資料の形をどれだけ守るかみたいなことは大変だったかもしれません。やっぱり決算報告書の形式からずれすぎちゃうと決算じゃなくなっちゃうので。それを守りながらどうやって、モテアソブの良さを伝えるかを議論しましたね。決算の原理原則は守った方がいいよねっていうのは思いつつ、このぐらい遊んだ方がいいんじゃない?みたいに。でもなんか複雑だなぁとか、シンプルにするのは難しいというところは結構悩みました。
〈ゆず〉
どうやってバランスとっていくのが良いかというところですね。
〈さおり氏〉
そうですね。人的資本経営っていう考え方を入れて別パートに分けちゃった方がわかりやすくないかなというのが、話し合った結果出てきたのはすごい良かった気がします。
*モテアソブの人的資本についての詳細は第5期の決算報告説明へ*
〈ゆず〉
カズキタ氏とさおり氏で色々議論してましたよね。
〈さおり氏〉
その部分はかなり議論しましたね。人的資本の観点はキーポイントですね。人的資本の考え方でいろいろヒアリングすることが多かったです。今回、参考にしたのがsmartHRのフォーマットで、その中でモテアソブらしさのあるキーワードがうまく入れられたんじゃないかっていう気はします。
〈ゆず 〉
カズキタ氏はさおり氏と議論してどうですか?
〈カズキタ氏〉
そうですね。やっぱりフォーマットと数値データをベースにするみたいなところを見失わないようにするということを話しましたね。それで最初にさおり氏が決算の数字を全部出してくれてたのが大きかったんじゃないかなって気がしますね。前回もやってはいたんだけど、そんなにやってなかったような気もするんですよ。今年はちゃんと進んでるかんじがします。
〈さおり氏〉
ちなみに今までの数字はどういう感じだったんですか?
〈カズキタ氏〉
あんまり細かい数字とかは出していなかったですね。大きい母体として数字を捉えていたかんじはあります。
〈さおり氏〉
なるほど。売上を細かく分解したときにどの取引先の売上なのかが分析できてなかった。
〈カズキタ氏〉
そうそう。
〈カズキタ氏〉
あとは、あんまりその数字と今やっていることの結びつきが、大きい方針としては結びついてるけど、小さい方針には結びついてなかったりしました。それから、今年はその赤字の理由をきちんと説明しているのが会社の決算資料として良いと思います。普通は赤字だとクックパッドみたいにポエムでふわっとさせて誤魔化しているので、むしろモテアソブの方がちゃんとしてる気がします。
〈さおり氏〉
お金の使い方に価値観が出てる感じがありますね。
⑤決算報告資料のようにお金情報をちゃんと出す会社が増えてほしい!
〈ゆず 〉
最終的なゴールとしては読み手を増やしたい、ということですか。
〈さおり氏〉
そうですね。決算報告資料をパラパラ見ていても、なんか面白そうって思えるとか、気になるなって思った時にもっと知ってもらったり、まず関わってもらう行動に繋げたいです。
〈ゆず〉
カズキタ氏はどうですか?
〈カズキタ氏〉
そうですね。
さおり氏が言ってくれたのもあると思いますが、俺の場合はもう一個ターゲットがあって、こういう会社を増やしていきたいという思いもあります。どんどん情報を出していく会社ですね。資本主義のあり方を見直していくとか。めちゃくちゃ稼いで、なんかその金って何に使われてるのかわからないみたいな会社が多くなっていると思っていて。
もっと情報開示をすべきだと思っているので、そういうムーブメントを作っていきたいなと思っています。
〈ゆず〉
なるほど。たしかに、会社がどれくらい稼いでいるのか。そのお金が何に使われているのか、あんまり分からないかも。
〈カズキタ氏〉
とにかく多くの人に読んでもらって、ムーブメントを作っていければいいですね。だから、いろいろな切り口で見てもらえば。モテアマスの爆破でばら撒いた号外新聞から入ってもいいし。事業売却するところから見つけても良いし。noteを見て入ってもいいし。イベントでも良いし。
〈さおり氏〉
最初に話してた時にモテアマス号外新聞の話はなかったけど、物理的に感じれる何かにはしたいよね。決算報告資料を本にするとか。みたいな話はしてましたよね。
〈カズキタ氏〉
興味を持ってもらいどころを増やす、というのはありましたよね。モテアマスの爆破と同日に三軒茶屋の駅前で配ったモテアマス号外新聞にうまく昇華できた形になったけど。
〈さおり氏〉
そうそう。
〈カズキタ氏〉
接点を増やしたいみたいな話では、号外とかフリーペーパーってめちゃめちゃ読んでもらえるし、みんなどんどん配りやすいから、すごくいいなっていうので今回の決算も載せました。あと、新聞っていう形態が決まった時に新聞と決算資料はすごく相性いいんじゃないかなと。
コンテンツとデザインって相性いいんですよね。デザイナーY氏が作ってくれたデザインもめちゃめちゃ新聞っぽくってすごい良かったです。
〈ゆず 〉
号外新聞の反響はありましたか?
〈カズキタ氏〉
みんなパラパラと読んでるからまだ反響はないけど、ゆっくり読み直す機会があるときに反響がでると思います。
〈さおり氏〉
ありそうですね。
〈カズキタ氏〉
今のところめっちゃ反響あるかってそういうわけじゃないけど、これから決算報告資料も出していくし、号外とお互いに影響し合ってもう一回読み直すとかそういう感じにはなるんじゃないかなっていう感じですね。
〈さおり氏〉
私がページを開いてもらった時に、意外とちゃんとやってるんだねと言われました。ちゃんとやっている感が伝わるっていうのは確実にあるなと思います。だからモテアマスというシェアハウスの住民で、モテアソブという会社の存在を知らない人とかも、関係性があるところでこんな感じでやってるんだって思ってもらうことはあったかなとも思います。
「事業売却って本当に売ってんの?」とか、「いろんなことやってるね。」とか、売却のラインナップを見て思ってもらえたのではないかと。
⑥来期はカズキタさんを救いたい!
〈ゆず〉
最後にこのnoteを読んだ人に言いたいことはありますか。
〈さおり氏〉
数字のところはそんなに読まなくても最悪いいんですけど、赤字に対しての問題提起のところとか、人に対しての考えのところとかは見てもらいたいです。それで、自分なりに応援するとか、関わりたいと思ってもらえるといいなって思います。
〈ゆず〉
カズキタ氏はどうですか?
〈カズキタ氏〉
そうですね。こういう取り組みに共感してくれるのであれば、ちょっとでもモテアソブとの関わりしろを読み取って、一緒にやれることをやっていきたいですね。もし経営者だったら、事業を買ってもらうとかもあるし、一緒に決算報告のムーブメントを作ったりしてくれると良いですね。
個人だったら、メンバーに入ってもらったり、何かで関わってくれると嬉しいですね。一番大事なのは、赤字を脱却することなんで。協力をしてほしいです。赤字になると俺のお金を使ってるっていうだけの話になってしんどいんですよ。だから赤字を脱却したい。
〈さおり氏〉
みんなで脱却ですね。
〈ゆず 〉
みんなでカズキタ氏を救おう。
デザイナーY氏を交えたインタビューの続きはコチラ
「モテアソブ三軒茶屋の人的資本」がキーポイントとなった今回のインタビュー。
私(ゆず)も決算報告資料に携わらせていただいて、「モテアソブ三軒茶屋がいかに面白い仕組みで成り立っているか」そして「会社の赤字がすべて悪いことでもない」ということがとても勉強になりました。
それでも、来期は赤字の脱却が目標。
第六期での黒字回復を目指し、事業売却を決定しました!売却対象となるモテアソブの事業は、現時点では十分な利益を生み出していないものの、「汁だけ担々麺」や「バーチャル三茶CITY」といった奇抜なユニークで面白いものばかり。
そのため、事業をさらに盛り上げてくれる新たなパートナーを募集しています。
ぜひ当社事業にご興味ある方はお気軽にご連絡ください!
売却している事業はコチラ
最後にお知らせ
来年1月に決算報告会が開催!
今期のモテアソブ三軒茶屋の決算がなぜ大赤字となったのか。
大赤字よりカズキタ氏が大切にしているものはなんなのか。
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モテアソブ三軒茶屋以外の会社も決算報告で登壇予定!
奮ってご参加ください!
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