反権力としての消費者運動 あきたこまちＲの次に狙われるもの

はじめに

　反対運動は、当事者を生み出すことからはじまる──。
　社民党の福島みずほらが、米の新品種あきたこまちＲを「放射線育種品種」であると不安を煽ったことから、人気ブランドのあきたこまちが売れなくなったと生産者が窮状を訴えています。
　あきたこまちＲは土壌のカドミウムを吸収しにくい新品種で、国が育成したカドミウム低吸収性品種「コシヒカリ環１号」を、従来のあきたこまちに交配してつくられました。
　コシヒカリ環１号は放射線を照射して変異を促す、放射線育種によって生み出された稲ですが、稲や収穫された米は放射線を出したりはしません。
　このコシヒカリ環１号の性質を受け継いだ稲に、従来型のあきたこまちの性質に戻すため、あきたこまちを７回戻し交配してあきたこまちＲが完成しました。もちろんコシヒカリ環１号同様に、稲や収穫された米は放射線を出しません。また毒素を作り出す危険な稲でもありません。
　上記の説明は以前から各所で行われています。福島みずほらが開催した勉強会でも農水省から説明されましたが、彼女らは理解する気がない様子であきたこまちＲの危険性をひたすら印象づけようとしました。「お気持ち」を優先どころかゴリ押しするのは、原発事故後の風評加害で見られた光景そのものです。
　風評加害者は「私たちは悪くない。原因をつくった者どものせいだ」と言います。原発事故では国と東電のせいで風評被害が発生したとされ、あきたこまちＲでは「品種改良と普及させようとした連中」が悪いと言われはじめています。

造反有理が生む風評加害