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小3 小鳥の巣との出会い

「小鳥の巣」と聞いたら、萩尾望都ファンなら、ポーの一族の3巻を思い浮かべるに違いない。
私が買った初めての萩尾望都はポーの一族の3巻だった。新刊として本屋さんに並んでいて何故か惹かれて買ったのだった。
小学3年生が読むには、ちょっと難しい内容だった気がするけど、その時はすんなりポーの世界に入る事が出来たのだ。
小鳥の巣「14歳のまま歳をとらないバンパネラ、ポーの一族のエドガーとアランが西ドイツのギムナジウム(寄宿学校)へロビンカーを探しに行くお話。」

ギムナジウムに2人が転入した時
「なる‥‥。印象的だ」
エドガーとアランの2人を見て、同級生のキリアンが言うシーンがあった。
「なるほど」を「なる」と略して使うのか?ちょっと大人の言葉だと思った。いつか使ってみたいな。

バンパネラ、西ドイツ、1950年代、中洲に建つギムナジウム、魔の5月、ロビンカーは?
これに夢中にならないわけがないのだ。


後に全巻揃えたのだけど、引越しのたびにマンガは全部親に捨てられてしまったので、萩尾望都と美内すずえと、くらもちふさこは何回も同じマンガを購入する事となる。
ドイツが2つに分断されてたのも、ポーの一族で知ったし、マンガはとても勉強になるのだ。

ポーの一族のエドガーとアランはずっと14歳なわけで、私も14歳になったらバンパネラの仲間に入れてもらいたい、と本気で思ってた。
実際の14歳の時は福岡県A市で五大姉ちゃんに振り回されてたわけだけど。笑。

今年になって
萩尾望都のエッセイ?が出版された。
タイトルは「一度きりの大泉の話」
練馬区大泉で竹宮恵子と一緒に住んでマンガを描いていたのは知っていた。
さっそく読んでみることに。
すごい。もう50年近く前の大泉時代の事をまるで昨日あった出来事のように鮮明に書いてある。
読んでちょっと苦しくなる。
大好きな人に傷つけられて、それを封印した事により、今度はその傷つけられた相手を傷つけている、という気がした。
自分がもし漫画家で萩尾望都が近くに居たら、その才能に嫉妬してやっぱり辛くなって遠ざけようとしたかも、と想像出来るので、竹宮恵子の気持ちも分かる気がした。
そして、傷つけられて傷が深すぎたためそれは一生癒えることはないという、凄まじい感受性の強さは自分には全くないなぁ、と思った。
どんなに嫌な事されてもここまでにはなれない。
以前、算命学の占いをしてもらった時、
「あなたは傷つかない人だから」
って言われた。
だんなが何度も浮気?いや本気で彼女作って出て行ったりしても、結果戻りたいって言われたら良いよ、ってなんか許してしまうのは、わたしが傷つかない人だったからか。
なる‥‥。

こんな繊細さを持ち合わせない心の持ち主は、バンパネラの仲間には絶対してもらえないだろうな。
ぼくだけをみて!ぼくのことだけを考えて!なんてアランみたいにはなれないのだ。


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