れもんきゃんでぃー
先日の元旦。
色んな人にあけましておめでとうイラストと共にLINEで一言メッセージを送った。
久々に夜間専門学校時代の友人からLINEの返信が来たのだが、何故か彼女は年末年始に完全防備(目以外すべて隠れるフェイスマスクにゴーグルをしている状態)で、スキーをエンジョイしている画像が添付されていた。
(今年はコロナ渦でこの格好なんだと思ったら、1年前も同じ格好でスキーしてたらしいw)
本当に誰だかわからなくてめっさ笑ったwww
ちなみにこれwww(本人に掲載許可済み)↓
こんな世の中でも完全防備までしてスキーを楽しんでいる姿は羨ましくもあったが、私にとってスキーは苦い思い出がある。
私は生まれも育ちも(そして今も)札幌に住んでいるので、小学校に入ると必然的にスキー学習があった。
すこぶる運動音痴な私は案の定かなり苦戦しながら先生に教えてもらった記憶がある。
常に一番下手なグループに所属していたが、それでも5〜6年生くらいにはなんとか基礎が身について少し滑るコツを掴み始めていた。
そんなタイミングで中学校に上がることになる。
なんと、中学はスキー学習がなかったのだ。
あんだけ地道に6年間もスキーと向き合ってきたというのに!
っと思ったのも束の間、スキーのことは完全に忘れてあっという間に中学3年間は過ぎ去っていった。
それから高校に入学し、季節は過ぎ、高校1年の冬。
なぜかまた始まったスキー学習。
今の自分のレベルがどうなっているかわからぬまま、グループ分けのテストに挑んだ。
テストはスキーで山に登り、それなりの距離まで登ったら下まで滑走するという内容だった。
皆が簡単に山を登っていき、そして私をどんどん追い越していく。
もう完全にクラスの列どころか学年の最後尾くらいの位置にいた私も噂のスタート地点に到着。
いざ、出陣!!!
ドスッ、、スーッ、、ドンッ!
滑り始めて早々に転け、そのまま止まることなく木にぶつかりなんとか止まることができた。。。
言うまでもない。
トリプルXグループ所属となった。
(A(超完璧)からE(下手)グループまであるがトリプルX(ペケが3つという意味)は超絶下手グループのことである。)
その幻の様なトリプルXグループを神指導してくれる先生はまさかの校長先生であった。
そんなトリプルXグループだが、私以外にちゃんとメンバーが存在していた。
他にもメンバーがいることで“私だけではなかったんだ!”という安堵感に浸っていたが、即座に校長先生は私に向かってこう言った。
「もさこうさんは常に私と行動をとってくださいね!(ウィンク)」
なるほど。。。理解したよ、校長先生。。。
つまりこのグループ内でも1番下手ということか。。。
っとなると、9クラス中で1番下手なのは私ということが決定した瞬間だった。
基礎の基礎からしっかりとレクチャーしてくれた校長先生。
そのおかげで、低い山から順に少し高い山までなんとか滑れる様になってきた。
それから何回目かのスキー学習の日。
とうとうリフトではなく、ゴンドラに乗り、それなりの高い山から滑ることになった。
ゴンドラの中では、トリプルXの面々に校長先生がレモン味の飴を配り、皆で楽しく談話していた。
ゴンドラを降りると校長先生は、
「もさこうさんは最後に私と一緒に滑りましょう!」
と言ってきたので、私以外のメンバーが滑り降りていくのを静かに見守った。
そして、とうとう私と校長先生の番。
きっとここの山は私一人で滑るには難しいと考えた校長先生が、
「もさこうさん!後ろから私の腰をしっかり掴んで、私のスキー板の内側にもさこうさんのスキー板を沿わせてください!私の動きとともに滑るコツを掴んで降りていきましょう!」
(今思うと、女子高生がおじさんの腰に手を回している画であるw)
「はいっ!!!!!!」
私は昔のスポ根アニメの主人公張りに良い返事をした。
だがしかし、この日の山の雪はサラサラタイプであり、なかなかの傾斜であったので、校長先生の後ろから指示通りにしようと思ってもうまくいくはずがない雰囲気満載であった。
手こずっていたその瞬間、
「あっ」
私は校長先生の股下を通り抜けて滑り落ちていった。
わかりやすく言うならば、私は校長先生から産まれたのだ。
その瞬間は少しスローで、なんならクラシックが流れている感覚。
校長先生の股下を通り抜けた瞬間、太陽の光と綺麗に澄んだ青空が目に入ってきた。
「きれいだなぁ。。。」
こうやってお母さんの産道を通って赤ちゃんは未来に向かって産まれてくるのだなぁ。。。(何言ってんの?)
そのあとのことはもう全く記憶にない。(このことが衝撃すぎて、忘却の彼方へドーンした。)
そして、私の産みの親の校長先生は間もなくして定年退職された。
今はすっかり名前も覚えていない校長先生、でも校長先生のおかげでスキーは決して上手じゃないけど楽しく学べたなと思っている。
未だにレモン味の飴を食べるたび、甘酸っぱく、そしてほろ苦い思い出が蘇るのであった。
(まるで恋の話みたいに言うじゃんw)
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