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自己紹介が苦手でなにも話せない。

初対面の人には自己紹介をするのが礼儀である。というわけで、なにを喋ろうかとても考えた。
まずは、一人称から決めようか。
「小生」はどうだろうか。
文化人みたいで、インテリジェンスな雰囲気が醸し出ているではないか。
……。
いや、そうじゃない。重要なのは自分をなんて呼ぶとか、そんな記号ではない。凝った名前をつけて中身スカスカだと思われるのが、もっとも心外である。

僕は自己紹介が大の苦手で、うまくいった試しがない。
一発大爆笑をかっさらってやろうといった芸人魂がかかってしまい、大滑りしたり、
特技の前後開脚を見せて、ドン引きさせてしまったり、
良い思い出がない。
この頃は、失敗するのを恐れるあまり、仏頂面で名前を言うだけになっている。

小説を書いています、という人がいても、へぇ、としか思わない。いい歳こいて痛いやつだな。
まともな人格を形成することができたら、小説なんて書こうという発想にならない。なのによく平気な顔をして、小説を書いてるアピールできるな。自分を痛い奴です、幼少時に問題を抱えて育ちました、と言ってるようなものじゃないか。

普通は、おしゃれなカフェでケーキを食べたり、キラキラしたイルミネーションを撮影したり、川岸でテントを張ってバーベキューをするものなんだ。好きな歌手やユーチューバー仲間で集まってオフ会して、お酒を飲み交わし腹を割って下世話な話をするものなんだ。

自己紹介の目的は、友達とか恋愛とか仕事とか、人間関係の輪を広げるためだと思う。
なのに、僕は変な自己顕示欲を発揮させちゃうし、人の自己紹介を聞いても仲良くなろうという気持ちが湧いてこない。だから輪にならず点のままなんだ。

僕にはおしゃべりとかSNSでは吐き出せないなにかを表現をする必要があったんだ。
小説家に憧れはなかったし、小説を書きたいという気持ちもなかった。これしか選択肢がなかったんだ。
そうしなければ、気が狂ってなにをしでかすかわかったもんじゃない。
全裸で街を徘徊すること間違いなしである。
僕にとって小説を書くことが精神療法になっているのだ。

というわけでございまして、小説書いているので読んでくださいませ。

ナックトゥ・ユングフラウ (もさく文庫)

イラスト:おじいちゃん


Noteでは、なんか思ったこと、思い出したことを書いていこうと思う。
あと、小説を書く理由が他にもあったなぁ、という気がしたので、そのことについても書こうかなと。


小説のまえがき、あとがき的な用途になるかも。

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