アナ雪のミュージカルを観に行ったというお話②~劇場への階段は長ければ長いほどよい~
読んでいた本から目を離し、ふと窓の方に目を向けると、そこには日本人の心があった。そのあたまは雲を突き抜け、両腕はどこまで広がっているようだった。銭湯でよく見るような雪化粧はしていなかった。その肌は色黒く、なんとも力強く何かを訴えかけてきているように見え、私は数分間の間心を奪われていた。目線の先には他の山々も見えていたが、それらはまるで彼を引き立てるためだけに存在しているかのようにさえ思えた。新大阪を出発し、約2時間。私の身体は久しぶりの新幹線に疲れ果てていたが、壮大な光景を