アナ雪のミュージカルを観に行ったというお話②~劇場への階段は長ければ長いほどよい~
読んでいた本から目を離し、ふと窓の方に目を向けると、そこには日本人の心があった。そのあたまは雲を突き抜け、両腕はどこまで広がっているようだった。銭湯でよく見るような雪化粧はしていなかった。その肌は色黒く、なんとも力強く何かを訴えかけてきているように見え、私は数分間の間心を奪われていた。目線の先には他の山々も見えていたが、それらはまるで彼を引き立てるためだけに存在しているかのようにさえ思えた。新大阪を出発し、約2時間。私の身体は久しぶりの新幹線に疲れ果てていたが、壮大な光景を目の当たりにし、どこか緊張がほぐれた気がする。それと同時に、今、私は東京に向かっているのだという根拠のない実感がふつふつと湧いてくる。帰りは夜になるからきっと彼は姿を見せないだろうが、いつでも私たちを迎えてくれるだろう。永きにわたって、私たち日本人の営みをはるか高いところから見守ってくれている彼なのだから。
はい。というわけで、アナ雪ミュージカルレポ第2弾です。といっても、ここまで一切にアナ雪には触れていませんが笑
実は新幹線に乗るのが小学校以来だったので、窓からみた富士山に一人でかなり興奮していたのです。というわけで、冒頭のエッセイ?を書いたわけです。ポイントは、「富士山」という語を一度も使っていないところですね。でも富士山のことを言っているということはわかりましたよね。だって日本人の心ですから。全然話は変わりますが、もし日本語に男性名詞や女性名詞という概念があったなら、きっと富士山は男性名詞ですよね。たぶん。
というわけで、JR東日本四季劇場[春][秋]に到着しました!!
アナ雪は[春]の方で上演されています。この劇場は今年にリニューアルオープンされたところだったので、とてもきれいでした。もしかすると、[秋]や[冬]が日本のどこかに建設されるんでしょうかね。
さて、正面入り口を入ったところすぐ右手側に、『ばけものの子』の大きなポスターが貼ってありました。来年この劇場で上演予定だそうです。楽しみですね。
そのポスターを右手にみつつ、エスカレーターを上がっていきます。[春]のエントランスは3階です。3階に付くと、すぐにエントランスが見えました。左手にはグッズ売り場があり、右手にはチケット売り場がありました。たぶん。そして正面入り口でチケットの確認が行われます。チケットの確認を終え中に入ると、そこにはロビーのような空間が広がっています。入って左側にすぐ1階席がありました。これはなんとも残念です。
なぜなら、ボクの持論では、チケット確認後、席にたどり着くまでの階段は長ければ長いほどいい、とずっと考えているからです。これが今回の副題ですね。(冒頭のエッセイはこのテーマで書こうと思っていたのですが、富士山の方がうまく書けたので)
何を言っているかわかりませんよね。自分でもうまく伝えることが難しいなと思います。ここで、大阪四季劇場に来たことがある方は、チケット確認後、席にたどり着くまでの道のりを思い出してみてください。短いですが、階段やエスカレーターがありますよね?さらに、2階席に行くには、おしゃれな螺旋状?の階段を上らないといけません。
京都駅の劇場を思い出してみてください。チケット確認後、長いエスカレーターがありますよね?
つまり、劇場に入って、自分の席にたどり着くまでの間の階段やエスカレータに乗っている時間が、これから観るミュージカルへの高揚感を2倍にも3倍にもするのです!!
この階段やエスカレータを上っている間、「今日のキャストは誰だろう?」とか、「この演出が楽しみなんだよな」とか、「この曲は盛り上がるだろうな」ということを想像するのです。
それはまるで、サッカー選手がピッチ上で自国の国歌を聞いているときと同じ感覚でしょう。きっと。
ここまで長々と意味不明な持論を展開してきましたが、そういうわけで、[春]は少し残念だったなとボクは感じました。
しかし、それがミュージカルの優劣を決めるなんてことは一切ありません。ミュージカル好きなら、何か一つぐらいはこだわりを持っていることでしょう。そして、自分が観たミュージカルをどう感じるかは、その人次第です。ボクは別にアカデミックな議論をしたいわけではないのです。正解を求めているわけではないのです。ただ、自分が何を見、何を聴き、何を感じたのかを文字に起こしたいだけなのです。あわよくば、誰かにそれを共感してもらいとも思います。そういうnoteにしていけたらいいなと思っています。
さて、今回もアナ雪の内容には触れずに終わってしまいそうです。
次回は必ずアナ雪鑑賞レポを書きます。
ではまた。
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