波の上下
生き物は生きている限り変化し続けるものなので、短期的にも長期的にも波がある。
季節の影響も受けるし、ホルモンの多寡にも左右されるし、人間関係からもストレスを受けたりする。
長く生きてきて、こういうこともわかってるくせに、根が悲観的な私は、波の底にいる時はいつも死にたがりだ。
これから上昇していくのだというイメージが持てない。
ずっとどん底が続く、と思ってしまう。
本当にどうかしてると思うんだけれど、一例をあげると、花粉症のシーズンとか。
世間の花粉症の人たちを不憫に思いながら、「私とスギ花粉は、一生何の関わりもなく生きていくのだろう」とずっと思っていたのに、ある年、突然花粉症になった。
なってみると辛いなんて一言じゃ語れない。
起きている限り鼻水は滴りまくりで、寝ているとセメントで固めたように鼻が詰まる。
口呼吸でカラカラになった喉が痛み、頭は重く、鼻のこと以外何も考えられない。
1日でも発狂しそうなこの症状が、花粉が飛び続ける限り続くのだ。
私はこんな時、割とすぐ死を思う。
「頭が重くて回らない。鼻をかみすぎて鼻の下が痛い。生きて体があるから辛いんだ。こんな状態で生きてても楽しくない。もう死にたい」
と。
しかし、これが花粉が落ち着くとケロリとしているのである。
なんて極端な人格なのかと思うが、みんなそうなのだろうか。
私の場合、不満があっても何も言わないし表面的にはいつもと変わらないので、誰も私がそんなストレスを抱えているとは思わないだろうが、心の中はドタバタとどえらいことになっている。
本人としては、もっと穏やかに淡々と生きたいのだが、メンタルのアップダウンはたぶん人より激しい。
嬉しい時も、些細なことで上昇する。
今日は人の家の庭先に咲いていた桜を見た時、過去の桜にまつわる嬉しい記憶が蘇ってきて、生きててよかったなあ、と涙を流さんばかりに感動しながら、ふわふわと雲の上を歩いているような心地で帰ってきた。
たかが桜を見たくらいのことで。
本当にどうかしてる。
この、振れ幅の絶対値が大きいことは、何かの役に立つように与えられた私の特性なのだろうと思うのだが、今のところ何の役にも立っていない。
ただただ、困ったことだと思っている。
こんなに揺れなくてもいいのにねえ。
**連続投稿759日目**