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地図におすすめのお店だけが増えていく

仕事が残っていると思うと、遊びに行けないタイプなので、この数日、私は家の近所の散歩しかしていない。

そのうっ憤を晴らすかのように、SNSで「松山 グルメ」を検索しまくり、GoogleMapに「ラーメン」「カレー」「肉」「B級グルメ」「ベーカリー」「多国籍料理」「中華」「スイーツ」「イタリアン」などのリストを作り、せっせと高評価のお店をプロットしている。

ずっと気になっているのが、「B級グルメ」の三津浜焼きだ。
見た目は広島風のお好み焼きっぽいのだが、オムそばっぽく生地を丸めて麺を巻いてあるようにも見える。
これは一体どんな食べ物なのだろう。
明日こそ、食べに行こうと思うのだが、だいたい活動開始時間が遅いうえに、実は私は全くグルメではないため、いざ出かけようとすると、途端にめんどくさくなってやめてしまう。
しかも、料理担当の夫が、夕飯のおかずを作りすぎる。
そして、その残ったおかずの処理係が、なぜか私になっているため、家で食べることが必須になってしまっているのだ。
私だって、外に食べに行きたい。
でも、行けずに、また夜が来て、おなかが空いたこの時間帯に、せっせとグルメ情報を仕入れては、「うまそー!明日こそ!」と思って眠るのだ。

何かついでの用事があればいいのになあ。
市役所にいかなくちゃいけない、とか、ホームセンターに行かなくちゃいけない、とか。

世の中には、フットワーク軽く、いろんな美味しいものをすぐに食べに行ける人と、私のように、見ているだけでちっとも行かない人がいる。
この違いは、一体何によって生まれるのだろう?
基本は、「食べられればなんでもいい」と思っている、この性格にあるのだろうとは思う。
少しでも美味しいものを、とか、あまり思わない。
微妙な味の違いなんて絶対わからないし、と思っている。

以前、グルメの友達が
「死ぬまでに、あと何食たべられるのかと計算すると、たったこれだけしかないのか、と思って、一回一回を大切にするようになるよ」
と言っていたが、思いのほか長生きできちゃった場合は、どうするのだろう?
「食べたいものは、全部食べつくしちゃった。もう食べたいものがない」
と悲嘆にくれながら、毎食お茶漬けでも掻っ込むのだろうか。
いつ死ぬかなんて、わからないのに、そんな計算して何になるのだろう。

……と、せっかくのアドバイスを、スルーする理由をすぐに考えちゃうからいけないんだな、きっと。
そこで、80まで生きると仮定して、まず、あと何回ご飯を食べるのか、カウントしてみた。

(80-58.5)×365×2=15,695

58.5というのは、誕生日から半年過ぎてしまったため、自分の年齢を58.5とした。
最後の「2」は、一日2食しか食べないから、2だ。
このうち半分は、家で食べる夕飯なので、外食のチャンスは答えを2で割る。
なんとまだ、7847回も残っている。
充分じゃないか?
こんなに外で食べるものを思いつけない。

ずいぶんな数の松山のおいしそうなお店をプロットしたつもりになっていたけれど、数えてみると100にも満たない。
全部回っても、軽く78周もできてしまうではないか。

「あと〇回しかない」という考え方では、私の「外に食べに行く」モチベーションを上げる理由としては、とても弱いようだ。

そこで、先ほど、エクセルで自作のスタンプラリー用カードを作った。
店名だけがずらりと並んだ、色気も何もないただの表だ。
しかし、何かを集め出すとコンプリートせずにはいられない、私の性格上、たぶん、3つか4つ丸がつけば、あとは自動的にリストのお店を探して食べに行くはずだ。

うん、我ながらいいアイデア。
とりあえず、近所で、3つクリアしよう。
三津浜焼の店には、たぶん、来年1月には到達できるに違いない。

**連続投稿654日目**


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はんだあゆみ
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