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憧れの「アレ」をようやく手に入れた! #スローシャッター

ひろのぶと株式会社から出版された本「スロー・シャッター」には、美味しいものがたくさん登場する。
かなり切ない「メイウェイ」とか、「注文をきかない料理店」の1.4kg赤身肉ステーキとか。

その中でも特に印象的で、死ぬまでに一度は食べてみたいものだと思っていたのがこちら。
ジョシュの作る「セントラルパークチーズケーキ」だ。

彼らは、自分達の作るチーズケーキを広めたいという一心で遥々日本までやってきたわけだが、こういった売り込みはわりとよくある。僕は、何気なくそのサンプルを口にした。

……こんな美味いチーズケーキ、食ったことない。
僕だけではない。社内の誰もがそう言った。

「スローシャッター」193ページ

そんなに美味しいチーズケーキなら、食べないわけにはいかない。
食わずに死ねるか!
ところが2022年のクリスマスシーズンに「スローシャッター」を読み、必死で販売しているところがないかと検索した時には、すでに目的のケーキは完売しており、私はその年のチーズケーキを諦めなくてはならなかった。
たぶん、「スローシャッター」を読んだ人たちはみな、同じことを考えていたのだ。
出遅れた私は、来年こそ、と誓った。

ところが、それから一年後の2023年には、夫の定年退職に伴う引っ越しや、それに関連した諸々の事務作業に追われ、
「あ!チーズケーキ!」
と気づいた時には、やはり、完売した後だった。

食べられないと思うと、ますます執着するのが人間というもの。
いつだ、いつだ?
発売はいつだ?と2024年10月から、目を皿のようにして待っていると、ひろのぶと株式会社の編集・廣瀬さんのつぶやきが目に入った。

おほー!
やったあ!今年はきっと出遅れてないぞ、まだ予約できるはずだぞ!
早速オーダーし、到着を待った。

そこから2ヶ月強。
本日、ついに憧れのアレを口にすることができたのである!

これ!ほらほら、ロゴは違うけど本と同じもの!

冷凍で届いたのを、待ちきれず凍ったまま一切れいただく。

いやん、アイスチーズケーキも最高!
「いかにもアメリカンな味が濃いケーキなので、このままで日本人の舌に合うのか?」
と心配する様子が「スローシャッター」の中に描かれていたが、どこが濃いのだろう?

いわゆるアメリカ製のお菓子の「砂糖にまみれたくどさ」はまるでなく、チーズの濃厚さと、適度な酸味と、甘さが絶妙なバランスで成り立っている。
美味しくて、舌にねっとり絡む感触がチーズ好きにはたまらない。

解凍したらどんな感じかな?と、次の一切れは翌日まで冷蔵庫で解凍してから食べた。
「ふわっふわ!」
美味しさは変わらず、生地全体がスフレのような軽い感触に変わり、こちらもたまらない。

本に登場した美味しそうなもの(例えば『ぐりとぐらのカステラ』とか、『シロクマちゃんのホットケーキ』とか)を、リアルに味わったのはこれが初めてだ。

田所さんが、教えてくれた幸せだ。

世界を旅することはまだ叶わないが、田所さんが繋いでくれたジョシュのケーキで、私はマンホールから湯気の上がる寒い冬のシカゴを旅した気分になった。

美味しい幸せをありがとうございました。
ごちそうさまです!

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はんだあゆみ
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