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新しくなった道後温泉に行ってきた

昨年のちょうど今頃、松山市民になった。
転入届を出しに市役所に行くと、転入者一人につき一枚、このチケットがもらえる。

チケットは3枚綴りで、右は、早々に使ってしまった松山城に登るためのロープウェイまたはリフトが使える無料券が付いていた。
真ん中は、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」を元に激動の明治に関する資料の展示を行う「坂の上の雲ミュージアム」の無料入場券、そして残る左が道後温泉の入浴券である。
有効期間が転入後一年だったため、慌てて大規模修繕工事を終えた道後温泉に行ってみることにした。

ちなみに、前回温泉を訪れたのは、昨年の3月終わり頃。

私は、人が多いところがとにかく苦手なので、前回は「番号札を持って、テントの下に座って入浴の順番が来るまで待った」以外の印象は特にない。
今回は、一応地元民になって初めての訪問なので、よそからくる人を案内できる程度には土地勘をつけておきたい。

ので、写真とともに道後温泉を案内してみたい。

道後温泉に公共交通機関で来るには、伊予鉄の路面電車または伊予鉄バス、空港直結のリムジンバスが便利だ。
いずれも、温泉に続く商店街(通称ハイカラ通り)の手前で降りることになる。

レトロな「道後温泉駅」
駅舎のすぐそばには、土日祝日限定で走る「坊ちゃん電車」も展示されている

ハイカラ通りの入り口には、定時に人形が出てくる「坊ちゃんからくり時計」が設置されていて、人気の観光スポットになっているらしい。
時間になると、マドンナやら赤シャツやら出てくるのだろう。(予想)

このカラクリ時計を右手に見て、進むとそこがハイカラ通りだ。

入り口には、お客さんを待っている人力車のお兄さんたち。
道後豆知識や歴史などの観光案内もしてくれるので、乗ってみてもいいかもしれない。

商店街には、いろいろなお店があるが、やはり愛媛の推しはみかん。
なので、こんな珍しいものも売られている。

当然、食べたことはない。
「元祖」というからには、「みかんおにぎり」を真似するお店もあるのだろう。
研究に研究を重ねた驚きの美味しさなのだろうと思うが、常識に足を引っ張られ、今ひとつ勇気が出なかった。

このハイカラ通りは、途中で90度折れ曲がっている。
その折れ曲がるところにも、狙ったように温泉の建物がある。
だから、
「あ、ここだ、ここだ。ここが道後温泉だ」
と間違えて入ってしまう人もいると思う。
いや、こちらも道後温泉なので決して間違いではないのだが、由緒ある「本館」はここではない。

途中に現れるのは、「椿の湯」と「飛鳥乃温泉」。

Wikipediaより

これを過ぎ、さらに少し歩くと、天皇家御用達の道後温泉本館が現れる。

ちなみに、上に貼ったWikipediaでは入浴料は410円となっているが、今は700円が最安値である。
このお値段でできることは、道後温泉の1階の「神の湯」に浸かって、体を洗って出てくることだ。

「入浴後に休憩室でのんびりしたい」「人の少ない温泉にゆっくり浸かりたい」人は、プラスアルファの料金で、2階、3階の休憩室や、特別な湯(霊の湯)に入ることができる。
ちなみに、泉質は神の湯も霊の湯も同じ。

霊(たま)の湯
霊の湯は、天皇や皇室の随伴者、政府要人のために作られた浴室。浴槽には、日本三大花崗岩のひとつ庵治石や、しまなみ海道の大島で採掘される最高級の石材・大島石、壁には大理石を使った高級感ある造りとなっています。

いよ観ネット より

さらに、道後温泉には、皇族の方しか使えない特別な「又新殿」という湯殿と休憩室があり、普段は500円の観覧料金を払えば、案内付きで見学できる。

さて、私のもらったチケットは、当然、神の湯一択なので、入り口の下足入れに靴を入れて、湯に向かう。

いったい何人入れるんだ?!という数の下足入れ。
撮影している私の背後にも同じものが置かれている。
すごい。

館内は撮影禁止ではないが、「他の人が写らないように配慮してください」と受付の方から注意があった。
「じゃあ、録音は?録音はしてもいい?」
と聞きたくなるほど、多言語が飛び交っていたことは付け加えておく。
インバウンド、すごい。
海外から来る方は、みんな東京に行きたいのかと思っていた。
そうではなく、あの人たちには「日本」が面白いんだなあ。

肝心の神の湯は、洗い場が20人分ほど用意された、広くて天井が高くて浴室内が明るいとても気持ちのいい温泉だった。

しかし、人のいない穴蔵のような温泉が好きな私には、ここは眩しい。
私は、やっぱり仄暗い別府駅前高等温泉がいいな。

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