「mottainai 」って、そんなにいいことですかー?!
うちの夫氏は、子どもの頃、実家がたいへん貧乏だったそうで、それが染みついておられる。
なので、とにかくモノを捨てられない。
特に衣服は、病的に捨てられない。
靴下は、穴が開いたら「つくろいもの箱」に入れて、暇ができたら穴をかがって、最低でも5回は縫わないと気が済まないらしいし、Tシャツやトレーナーは、首の周りが伸び切って、この先もし双頭になっても大丈夫なくらいスペースができても着ている。
で、それらの衣類は最後はどうなるかというと、すべて台所でウエスとして活用されるのだ。
雑巾や台ふきは使わない。
というか、そういう名前の市販品を買ったことがない。
自分の着られなくなった服を雑巾サイズにカットしてストックしておき、コンロの油汚れなどは、そのウエスでササっと拭って捨てている。
本人はたいそう大変ご満悦だ。
「ここまで使ってやれば、服も安心して成仏できるだろう」
などと言っている。
まったく意味が分からない。
時々、食卓を拭いている布が、かつて旦那氏のパンツだったものだったりすると、とてもイヤーな気持ちになる。
それはやめてほしいと抗議すると、
「俺にとって使える資源をそのまま捨てることは、ティッシュを引き抜いて、鼻もかまず、眺めただけで捨てるくらい苦痛を伴うことなのだ。お前は、ティッシュを何もせずにそのまま捨てることができるか?できないだろう?」
と、謎の理屈をぶつけてくる。
「そういうことではなくて、あなたのパンツで拭いた食卓でご飯を食べるのが嫌なんだよ」
というと
「別にさっきまではいてたものじゃないぞ。洗濯したあとのパンツだからただの布だ」
と返ってくるのだが、じゃあ、私のパンツで食卓を拭かれても平気なのだろうか、この人は?
引っ越してきてから半年くらい、このウエスについて不毛な戦いを展開してきた。
が、最近は慣れてきて、食器かごの下にパンツと靴下らしきものが、並んでおかれていても平気になってきた。
信念のある人は強い。
私は特にそういうものがないので、簡単に夫氏の狂気じみた「もったいない」に負けてしまう。
夫氏との暮らしの中でおきるいろんな不可解なことに慣れても、ここだけは浸食されないようにしようと思っていたのに。
慣れって怖い。
(ちなみにトップ画像は、かつてラグラン袖のロンTだったもの)
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