書けもしない読書感想文:いのちへの礼儀
いのちへの礼儀 生田武士
国家・資本・家族の変容と動物たち
どう感想文を書いていいのかわからないから、とりあえず初めに目次を書き出してみることにする。
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序章 震災と動物たち(Ⅰ)
前篇
Ⅰ 「家族ペット」の時代
Ⅱ 「生体商品」としてのペット
Ⅲ 動物虐待ー暴力の連鎖
Ⅳ 屠畜と肉食の歴史
Ⅴ 畜産革命ー工業畜産と動物工場
Ⅵ 動物の福祉(Animal Welfare)・動物の解放(Animal Liberation)
Ⅶ 動物の解放・人間の解放
間奏
後篇
Ⅰ 反「国家・資本・家族」の動物
Ⅱ 動物と人間の共闘
Ⅲ 動物の精神分析
Ⅳ 日本現代文学と猫
Ⅴ 戦争と動物たち
Ⅵ 震災と動物たち(Ⅱ)
終章 「野生動物の天国」チェルノブイリ
あとがき・引用文献
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畜産革命についてどういったことが起こったのか。鶏に絞ってまとめてみようと思う。
20世紀半ばに、「畜産革命」と言われる巨大な変化が世界中で起こった。動物を殺す屠畜は、大規模化、機械化することで大量の肉を生産。こんな「畜産革命」は飼育のオートメーション化と管理化の徹底を特徴とし、他にも「工業畜産」「動物工場」や「CAFO」concentrated animal operation 大規模家畜飼育養施設と言われている。そう、そこでは動物の『死』ではなく『生』の管理が成されていてそれが問題にも発展している。
この革命の一つの例として挙げられているのが、日本にも多いブロイラー(食肉用鶏)の飼育方法で、現在は人工授精(孵卵器から数万羽がほぼ同時に誕生)→密集した大規模鶏舎で飼育されるが為に、鶏本来の自然な行動はできず。一羽あたりの行動面積はA4用紙以下でしかも排泄物で汚れた床。そこから皮膚炎などを起こす。蓄積した糞尿を微生物が分解、その時に出るアンモニアが肺を焼き、眼が炎症を起こす。急激な成長に体がついていかずどうなるかというと、歩行困難、脚の断裂、そして太陽も空も目にすることなくそういった極悪な環境で生後55日程度で若鶏として出荷される(3キロ程度)。一体何を与えたらそんな短期間で若鳥まで大きくなるんだろう。そんな急激に太らされた肉は、はたしておいしいんだろうか。55日!そして最終的に屠畜場に運ばれた鶏たちは、冷たいベルトコンベア式に吊るされ、首をきられていく。
産卵鶏にいたっては、もう産卵鶏という名の「機械」といってもいい程不自然な命に仕上がっているという事が書かれていた。1950年ころの産卵鶏は1週間に1度程度卵を産んでいたのに、現在では人間による選択、淘汰によって驚異的な効率で卵を産み、年間300個程度産む品種に作りあげられたそう。就巣性や雛を育てる本能を人間が選抜し、毎日卵を産むために作り出された鶏は、もう「機械」に「意味を持たない命」を跡付けされたかのような生き物になってしまったという事か。でも稀に、卵を産むのを辞め巣籠りをはじめる、いわば本能が残っていた鶏がいるみたいで、その鶏は不良品とみなされ、隔離されたり廃鶏になるそう。この卵を産む機械、"動く"のは2年。(本来鶏の寿命は10年を超える)その後殺処分して加工肉にされる。当然卵を産む雌がいるという事は、雄もいる。この雄の命も、命なんて言えたもんじゃない扱い、日本では1年間に1億羽程度の雄の雛が処分されている。圧死、窒息死、シュレッダー。ここまでくると命なんて言葉が存在しないんじゃないかと思う。冷酷。冷酷。鶏目線で見たら、一体どんな世界に産まされた命なんだか。命なのか機械なのか物なのか。ちなみにわたしは酉年生まれ。鶏のきもちに少しでもより添えようと努力してるよ。うちの鶏には、自由に庭を歩き回って、たくさんお日様にあたって、虫をついばみ、落ち着くネスティングボックスでたまごを産んでもらい、最後は感謝をして命をいただくよ。
全体をまとめるとなると、なんか莫大な量を文字にしないとならない気がして、今回は鶏をピックアップした。
ベジタリアンでも、肉食でも、食に興味があってもなくても、同じ地球上に存在する生き物として、人間にとって、動物とは何者なのかを知ることのできる本。たくさんの人に読んでもらいたい。