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テンタライブはハイカライブの全ての反省点をヌリ潰した

※この記事は他媒体で公開したものを、再編集し、リブート公開したものです。
(私の性質を如実に表した記事となっており、是非移管しておきたいと思いましたので持ち込みます)


私はスプラトゥーンが大好きです。
4桁時間以上はゆうにプレイしていますし、サウンドトラックも買いましたし、アミーボも買ってます。
コンテンツそのものも勿論ながら、その世界観に陶酔しており、極めつけのコンテンツがニコニコ闘会議で行われているライブコンテンツ「シオカライブ」「ハイカライブ」「テンタライブ」。
この世界におけるMCであるキャラクターコンビがプロジェクター投影とともにコンサートを行う、クールジャパンここにありなコンテンツです。
2019年1月26日におけるニコニコ闘会議においてテンタクルズの単独ライブ「テンタライブ」が行われたのですが……なんというか、もう、たまんなかった……。YouTubeにおいて公式配信されているので、まずは見てほしいですね。

しかし、その一方前回のライブにおいて演出に疑問があってこういった反応をしていました。

よくよく聞くと、客の熱量に差があるように感じませんか?
どうにも『ハイカライブ』より、2016年の『シオカライブ』の方が熱量が高いような気がしました。
それは、シオカライブの初見性によるインパクトがあったからだとか、シオカラーズのキャラクターとしてのカリスマ性がテンタクルズを食ってしまっているからとか考えました。
もちろんそれらもあるでしょう。今でもMCキャラについてのシオカラーズ原理主義者は多いですしね。そこはとてもよくわかります。
しかし、根本的な原因は多分別です。よくよく何回も聞くと(比喩でもなく何回も何回も見て聞いています)、テンタクルズ楽曲はシオカラーズに比べて圧倒的に相槌が打ちにくいのです。
一方、ハイカライブのセットリストの内、テンタクルズ担当曲についてはどれもこれも相槌が打てないんですよね。この事情に関しては公式もおそらく開催前から懸念はしており、それを顕著に感じるのがこのツイート。
一曲に合わせて、湘南乃風「睡蓮花」のようなアクションを求めるもの。
曲の方向性としてはわかるのだけれども、当然こんなパリピなフリをされても客層的に困惑するもの。
ライブ映像を見ての通り、タオルを振り回している人はごくごく少数派でした。
また、アンコール曲、シオカラーズ・テンタクルズのカルテットによる「イマ・ヌラネバー!」ではアオリによる「ラ〜 ラ〜ララ〜ラ〜」の扇動も行っていましたが、思うようなついていき方をしていない気がしています。
これはテンタクルズに魅力がないとかそういうのではなく、テンタクルズの楽曲はコンビ単体で完結するアーティスト気質だったからだと感じるんですよね。一方シオカラーズは客と一体化して完成するアイドル気質の楽曲だから、なおさら感じました。
意識してみると、シオカラーズはほとんど客の方向を向いているライブですが、テンタクルズはヒメとイイダが向き合うシーンが多かったり、イイダがDJブースにがっついたりと、技量の表現の結果、客を見ていない時間が多いんですよね。
どちらがいいとかではなく、対比。対比の結果そうなっただけであり、こんな書き方していますが、私は4人の中で一番好きなのはイイダです。
客の熱量が……とか言いましたが、思わず唸るようなところは歓声が上がっていますし、失敗なんかではとんでもない。大成功は大成功ですよ。

(引用が長い!)

前回は結構辛辣な思いがあっただけに、今回の満足感は相当なもの。なぜそこまで差が出たのでしょうか。

ギャラリーのテンションを爆発させた「前座」〜「ナスティ・マジェスティ」(2:oo〜)

単独ライブといえども、前座としてテンタクルズボーカルではないバトル曲である「Inkoming!」「Chip Damage」「エントロピカル」が会場を温めることとなりました。
これについては選曲が見事だった。単に人気が高い曲であるということもあるのですが、それ以上に客の合いの手が非常に挟みやすい曲であったから。「Inkoming!」については3:32〜あたりからのサビポジ曲調、「Chip Damage」はピコピコに対するペンライトアクションのしやすさ、「エントロピカル」は6:09〜からのサビ。濃淡がついており、客のアクションが言わずとも揃うものだったんですよね。「客の合いの手」はここから先は何回も言及していきますが、ここで先に客のテンションの足並みをそろえられたことが本当にクオリティの高い準備だったと思います。
ここで足並みをそろえられたから「ナスティ・マジェスティ」が会場を爆発させられた。もともとこの曲自体が非常に優秀で、冒頭の「ナッスティー!」から「シェケナボーイ!」と乗っかりやすいうえに、ヒメが「いくよ、カモーン!」をしだす10:00〜のアレンジで「ナーナナナナナー」のコール&レスポンスを繰り返す。前奏で客は温められておりここが自然に返せる雰囲気が醸成されているわけです。もうこの頃には客はライブに没頭しており、シラフでは気恥ずかしい反応も素直にできてしまうわけです。
ハイカライブのときはここが弱く、客任せであっただけに乗り切れてなかったところがあった。そこをハンドリングする判断が大正解だったと言えるでしょう。

アイドルムーブに振り切った「リップル・リフレイン」「ウルトラ・カラーパルス」(11:30〜)

ハイカライブのときに印象が強かったのは「テンタクルズ、あんまりこっち(正面)向かないな」ってことでした。イイダがのけぞりながら美声を発したりヒメ&イイダが客席そっちむけで絡んでみたりと、置いてけぼりにされてた感じがありました。
今回はそういう点を感じず、正面を向いてふりふりとかつ大胆に動いてくれて、非常にキュート&クールだった。
むしろ、「ヒメこんないい動きするキャラだっけ?」と魅力を再発見させる一幕すらありました。
ハイカライブのときには「小さいながらも気高くアーティストである」一面を固める動きをしていた印象ですが、今回は打って変わって「小さくわんぱくなアイドル」ムーブな印象です。オクト・エキスパンションでの言動をベースにキャラを再構築してきた感じですが、こっちのほうがあってますよね。

リアルバンドメンバー紹介をするからこそ引き立つ、テンタクルズの「リアル」(18:12〜)

縁の下である皆さんであるドラム・ベース・キーボード・ギターの紹介。ここでの激しいソロパートが普通に格好良く、それらを軸に一曲仕上げてほしいとすら思ったのですが、なおさらよかったのがこの紹介から「普通に」イイダ・ヒメへの紹介へつながること。
この紹介はとてもずるい。キャラクターの実在性をここで更に疑えなくなり、身震いすらしました。

オクトへの衣装替え。ここでセットリストの「最後」を予感させる一幕へ(20:37〜)

ここで曲が「ミッドナイト・ボルテージ」へ。コスチュームも「オクト・エキスパンション」版である、ラッパー「ノトーリアス・B.I.G.」「2パック」テイストのものへ。二人そのもののフェミニンさを存分に活かしたコスチュームでかわいいんですが、この流れで客には「ここからはオクト〜尽くし」なんだなと予感させます。
それさえ予感させられれば、もう素人でも「どういうオチになるか」想像つきますよね。客はそれに向けて高まっていくだけです。

「詫び・寂び」。フィナーレが見えるからこそテンションを貯めさせる一幕であるスローパフォーマンス(24:54〜)

テンションはうってかわって静かに、オクト・エキスパンションのエンディング曲「フレンド・フロム・ファラウェイ」へ。これもすごく聞きやすくて、「これが締め曲でも全然おかしくない」と思っていたんですが、これが先ということは……! ですよね。
なにげに、左右にペンライトを振らせることを誘導しており、緩い曲だからこその一体感を感じさせるのも油断なりません。
この曲における、ヒメの全身を使った手を振る姿は必見です。めちゃくちゃかわいい。ずるっこい。

コール&レスポンスの真骨頂。名曲「フライ・オクト・フライ」の前奏でボルテージをマックスまで持っていく(29:40〜)

「オクト・エキスパンション」をやっているときにあまりにもその良さにびっくりしたラスボス曲「フライ・オクト・フライ」ですが、ライブ曲としても最大限のパフォーマンスを見せてくれます。
それがコール&レスポンスのしやすさ。この曲における「おっおっおー、おっおおっおー!」は一聴で耳に入る小節であり、この場にいると絶対レスポンスしたくなる。盛り上がりも十分で思い入れも十分となり、『その次の一曲』を完全に確信させる、セミファイナルを飾るのにふさわしい一曲ですよね。

「オクト」の思い出が刺激されるから名残惜しくない。「フロスロットル・テンタクル(Octo)」(32:28〜)

原曲の時点でかなり高まる「フロスロットル・テンタクル」ですが、Octoの名アレンジによりさらに極まる仕上がりに。
最後にふさわしい演出(ヒメメガホンにスモーク、イイダ美声パート、転調からの紙吹雪)をこれでもかと叩きつけ盛り上げに盛り上げ、さらなる転調で締めにかかる。
ここまで温まった客席であれば、ハイカライブのときには乗り切れず「睡蓮花的タオル振り回しパフォーマンス」が出来なかった公式推奨ムーブも出来てしまいますよ。かなりお客もテンタクルズの動きに乗じてノッていたと思います。
これについては、演奏直前に、客席のカットが入ってみんな満面の笑みだったんですけど、これはほころびますよ。私もこの場にいたら感激極まって表情ゆるっゆるになると思います。


「さすが3回目!」という最高のパフォーマンスを見せてくれた、最高のライブでした。
次はスプラトゥーン3になるのでしょうか。それとも、シオカラーズとテンタクルズをシャッフルユニットしてみるとか変わり種を見せてくれるのでしょうか。
今回は一つの完成形を見せてくれ、キャラクターの魅力を存分に感じられました。次もよろしくおねがいします……(感無量)

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めたぽ
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