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白い紫陽花とAIの『ハピネス』

花のある生活をはじめて、1年弱になる。

あるとき私は気づいたんです。素敵な部屋には必ず、緑とお花がいたるところにちょこちょこと、散りばめられているってことに。

さいしょは小さな花束を買って、枯れ始めたらドライフラワーにして。気づいたら結婚式でもらったブーケや、赤い実をつけた枝ものも含めて、いまではたくさんの花に囲まれている。買えば買うだけ、自然とドライフラワーは増えてゆくのだけど、やっぱりそれでも1か所は、どこかに生花を挿しておきたい。

だってそれだけで、部屋がぱあっと彩り鮮やかで、生と瑞々しさを瞳から感じ取ることができるんです。だから生花こそ、テーブルとか、キッチンの水回りだとか、毎日使う目立つ場所に置いておく。たまには鏡に映すことで、メイクをする時にもっと綺麗になりますようにって願掛けをしたり。

すきなのは、1本でパッと華やかになるもの。ケシ、ダリア、紫陽花など。出かけることがめっきり減ったから、いつも買っている駅前のお花屋さんにはいけず、かといってスーパーの花束に満足できるわけでもなく、悶々としていた。そんな折、近所の住宅街にひっそりと佇む小さい植物園のようなお花屋さんで、ようやく出会えた白い紫陽花。

値札がなくて、聞かずに1輪包んでもらったらべらぼうに高かったけど・・(1320円もした)、いそいそと持って帰って挿してみた。あああ、やっぱり、いいな。可憐なその存在感が一気に、生活感のあふれる自分の部屋をうっとりで満たしてくれる。

花言葉を調べたら、白い紫陽花は寛容という意味らしい。

さいきんうちの会社でもようやく、他県から出勤している人から自宅待機となっている。同じ部署内でも二人が休むことになり、それでも業務は続いているから、必然しわ寄せは残ったメンバーに行く。

上司には数日前に不安も不満もぶちまけたけど、けっきょく家が近くてひとり暮らしの社員は今のところ、出社し続けるしかないみたいだ。せめてリモートにしたり、一気に休みにするのは無理でも、出社する人数と日数を2~3分割できないのって歯ぎしりしたくなっちゃう。

そんなこんなで今日はいつも以上に忙しく、イライラの募る一日で。心がくたくたになって帰ってきたら、暗闇のなかでほんのうっすら、ほの明るく輝いているようなこの花が出迎えてくれた。ああうちにいてくれてよかった、とおもう。

こういういっぱいいっぱいなときは、脳内BGMをいつも、AIの『ハピネス』にする。

余裕がなくて 優しくなれない。そんな時でも ちゃんと分かってくれてる人がいる。回りを見渡せば 色んなドラマ でも嫌なニュースだけじゃない NONONO。本当は溢れてるたくさんの笑顔が ほらこっち向いて。

震災の年のクリスマスに発表された楽曲だけど、2020年の今改めて口ずさめば、またいろいろのことをおもう。

どうしようもない悲しみや、目に見えない不安が立ち現れること。生きてればそれはぜったい、逃れられない。でもだからこそ、喜びが尊くて、小さな幸せを噛みしめられる感受性が育つのだとおもう。だからできるだけ・・凛と強く、笑っていよう。

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