【映画メモ】すばらしき人生
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すばらしき人生
監督 西川美和
出演 役所広司、仲野太賀、橋爪功、六角精児、北村有起哉
人生の大半を刑務所で過ごしてきた元殺人犯の三上。頭に血が上りやすいがまっすぐで優しい三上が、社会に出て何とかまっとうに生きようと悪戦苦闘していく姿を描いた話。
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長こと刑務所に入っていた人と近くで関わることになったら、正直なところとてもじゃないけど親しくしようと思えない。
でも、それはその人のことを「刑務所に入っていた」という面でしか知らないからなのかもしれない。殺人という犯した罪は同じなものの、事情や動機がそれぞれ違い、そしてこれからどう生きて行こうとしているのかという志も違う。
殺人犯とはいえ、三上の真面目さや不器用さを知り手を差し伸べる人が出てきて、その人達が根気強く近くにいてくれたこと、本人もそれに応えてどうにか社会に馴染もうと頑張っていく姿、その関わりが世の中って捨てたもんじゃないと思わせてくれる。
「心優しく真面目」なところは人間としてとてもいいところなのに、損をすることがたくさんある世の中。それでもやっぱりその心は、尊く輝いて眩しい。
その他引っかかった3点。
途中で三上がチンピラをやっつける場面から怖くて逃げ出したカメラマン。
「喧嘩を止められないなら、カメラで撮って世の中に伝えなさいよ!」
と叱られてた。確かに何かを止められなくても、せめて誰かに知らせるなり自分がやるべきことが何かあると胸に止めておこうと思う。
三上が頭に血が上りやすく感情をコントロールできないのは、幼少期に問題があったことが原因かもしれないという流れ。幼少期の生活、教育ってその人を形成する上で本当に大切な期間でやり直しが難しいと改めて思う。
そして、やっぱり役所広司さまさまでした。