【読書メモ】逆ソクラテス
逆ソクラテス
伊坂幸太郎
とても久しぶりに伊坂幸太郎。
「アヒルと鴨のコインロッカー」が大好きだったかれこれ20年ほど前。初期の作品はよく読んでいたものの、ものすごいペースでどんどん新作が出てくるのでお腹いっぱいになって休憩してたら、いつの間にか10年以上経ってました。
伊坂幸太郎の本の何が好きって
・シンプルな文章
・意表を突く展開
・やさしい人物
・小粋な台詞
私的にはいいレストランで出てくる前菜みたいな感じ。ちなみに私はメイン以上に前菜好き。
オサレな器にのって出てきて、ジュレがかかってて口当たり良さそう。あれ?こんな素材の組み合わせ?美味しいなぁ。うん、やっぱスパークリングが進むわ。
みたいな印象。
今回は小学生が主人公の短編集。
小賢しい?小粋な?セリフに、変わらんなぁとニヤニヤしながら読み進めました。
今回のお気に入りのセリフ。
「ぼくは そう 思わない」
「はなはだ簡単ではありますが、これで私の掃除に代えさせていただきます」
「おまえたちをいじめる人がいたら少なくとも、そいつが幸せになることだけは阻止するね」
本筋とは関係ないお母さんのお言葉からのもありますが。
そして本を読み終えた感想は、
大人や周りの先入観によって人を決めつけないでね。悪いことを起こしてしまった人への救済の気持ちを持つのも悪くないよ。何にしても井の中の蛙になんなよ、世界は広いよ、先は長いぞ、子供達。
っていうようなメッセージを受け取りました。
とは逆に、世の中は意外と狭い。悪いことやってたら誰かが必ずそのことを覚えている。黒歴史は消えないんだ、覚えとけ。
みたいなメッセージも。
伊坂幸太郎って、、
バリバリの体育会系のノリが好きじゃなくて
白か黒かどっちだよっていう圧が好きじゃなくて
強い人にも弱い人にもいろんな側面があることを忘れてなくて
ずるさに負けず正直にまじめに生きてる人に
幸せになって欲しい
って思っている人なんじゃないかと勝手に思う私。小難しくてそして絶対、いい人だと思う。