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"なんもない"を、分かってる【アニソンを想ってアドカレ】
この記事は アニソンを想って Advent Calendar 2024 の 12月17日分の記事です。
16日は、hoshitaさんの「音色の彼方」という音楽の紹介でした。
hoshitaさんが今年リリースの音楽を紹介なさっていたため、
せっかくなので自分も今年リリースの音楽から紹介させていただきます。
なんもない / MAISONdes feat. 星街すいせい, sakuma.
―アニメ映画「トラペジウム」オープニング主題歌
今年6月に映画化された本作。原作は、乃木坂46で現在も活躍している現役アイドルが執筆した同名小説です。
主人公が「アイドルになる」という強い意志を持って多くの人を巻き込んで進んでいく内容となっています。
個人的な感想として言うと、映画の感想は控えさせていただきたいところなのですが、この主題歌はどうしても心に刺さって抜けない瞬間があります。
本作の主人公は、アイドルになるために相当本気で、逆に言えば「それ以外ない」が故に周囲の人間の心情を考慮しない部分があるなど、悪く言えば"身勝手"さの目立つキャラクターとなっています。
それほど、作中では「理想以外に何も見えていない」ように見えがちな主人公のキャラクター性があるからこそ、この歌詞はあまりにも"現実"で、あまりにも追い詰められている。
作中ではこんなことを口にしなさそうなキャラクターであるからこそ、現実をまざまざと浴びながら内心ではこんな葛藤があるのだと思うと、察するに有り余るものがあります。
そういうギャップを想起させる音楽であり、夢を追いかける人間の"歩みを止めていないが故にどんどん押し寄せる現実"を高解像度で描写する側面があると思います。
恥ずかしながら クリエイターとして半分以上挫折してしまった身としては、こういった歌詞がひどく心にしみいって、抜けなくなる時があります。
「自分はここにいても良いのか」「ここにすらいられなくなる時が来るのか」と。
忘れようにも忘れられないほど刺さって抜けないからこそ、そこには共感があり、そこには「好き」があるのかも、と思わせてくれる一曲でした。
後戻りはできない 戻りたくもない
そこには何もないと決めつけた
あの一等星はハリボテだ
とっくに気づいていた でも進んでいた
…震えてた
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