おすすめのフランス語参考書と勉強法
フランス語の参考書は数多くありますが、
個人的にお勧めしたいフランス語の参考書を、4冊に絞ってご紹介します。
1)新・フランス語文法(朝日出版社)
大学(フランス文学科)時代の教科書がこれでした。
(私が愛用していたのは赤い教科書の方で、青いものが新版のようです)
薄い文法書なので、この一冊だけで足りるのかと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
色々と手を出すよりも、まずは信用できる文法書を一冊、しっかり理解することが大切。
私は仏検2級取得に向けた勉強をする際、
文法書といわれる類の本はこの一冊だけで勉強しましたが、特に不足を感じることはありませんでした。
仏検2級は、公式サイトによれば「日常生活や社会生活を営む上で必要なフランス語を理解し、一般的なフランス語を聞き、話し、読み、書くことができる」程度とのことなので、
高度な研究やビジネスのためではなく日常生活の語学力を身につけたい場合は、充分かなと思います。
ちなみに、仏検やDELFといった検定試験は必ずしも受ける必要があるものではありませんが、勉強の目安として受験することをおすすめします。
2) 3パターンで決める日常フランス語会話ネイティブ表現
(語研)
こちらは、日常フランス語会話で登場する表現が全部で528パターン学べる本です。
この本が優れているのは、
ネイティブスピーカーが日頃自然に使っている表現を学べる点だけでなく、
ひとつの事柄を表す表現が3種類出ている点です。
例えば、「ありがとう」と表現するにも、いつも"merci"一辺倒よりも
Merci beaucoup.
Je vous remercie. / Je vous remercie de tout mon coeur.
とか、その時の状況や気分によって、
いくつかバリエーションがあった方がぐっと会話の深みが出ると思うのです。
CDも付いているので、日々聞き流したり、追いかけて発音しているだけでも、
ネイティブスピーカーの発音やリズムが馴染むので、お勧めです。
ただ、単語のように丸暗記するのは難しいと思うので、
文法をある程度理解していた上で、
「ああ、こんなふうにシンプルに言い換えることができるのか」
「ネイティブはこんなふうに表現するのか」
と読んでいった方が、身につきやすいと思います。
それぞれのパートでワンポイント文法のような注意書きはついていますが、
あくまでもこの一冊で文法を学ぶための本ではないので、文法の参考書とは別に、
実生活で使える表現を増やすのにおすすめの本です。
「ザ・参考書」感のない、装丁のシンプルさも好き。
3) 仏検準1級・2球必須単語集(白水社)
4)仏検対策2級問題集(白水社)
この2冊は仏検対策の本になるので、純粋な参考書とは違うのですが、
先ほども書いた通り、私はフランス語の勉強にあたって、仏検やDELFといった検定試験を受けることをおすすめします。
なぜなら、期限と目標が明確になるから。
もともとの向上心と意欲を継続できる、つよい心をお持ちの方であれば不要かと思いますが、
例えば学生時代、毎日授業の予習・復習を難なくこなして、学期試験前はさらりと復習するだけでよかったようなタイプではなく、
試験の数日前、時には前夜になって、泣きそうになりながら初めてノートを紐解くような(私のような)タイプの方には、
わかりやすい目標と勉強する範囲、期限が決められていることで、
努力を継続することができます。
ちなみに、試験料も安いものではないので(2級は9000円)、
尚更、絶対1回で合格しなければ・・・という背水の陣的な必死さも出てきます。
目標を決めて、それに向かって努力をし、達成する、というサイクルができてくると、勉強(努力すること)も楽しくなってくるはず。
どんな分野にも言えることですが、学びが深くなればなるほど、語学の面白さにも興味が湧いてきます。
また、試験があるたびに、(1)でご紹介した文法書を通読し直すことになるのもいいところ。
一度読んで理解したつもりでも、(私だけかもしれませんが)時間が経つと見事に忘れていて、3級、準2級、2級と受験するたびに、結局読み直すことになっていました。
世の中で「教科書7回読み」という勉強法が流行ったこともありますが、
7回とまでは行かずとも、繰り返し読むことで、「理解したつもり」だった脆い知識が、本当に自分に定着して、身になる実感を持つことができます。
そして、仏検対策の本。
必須ではないかもしれませんが、特に単語は、覚えていて損になることは決してないです。
単語集の中でも、この本は、長めの例文が柱になっていて、例文中の単語を紹介するという形になっている点が好きです。
CDがついているので、例文をディクテーションするのもおすすめ。
ディクテーションは、聞こえてくる音をリアルタイムでひたすら書き取っていくという勉強法。
大学のフランス語の授業でもかなり頻繁に取り入れられていたということもあって、
私は個人的に効果的だと感じる勉強法です。
フランス語のリズムや、フランス語独特のリエゾンなどに自分を強制的に慣れさせることができるのと、
「一文全部聞き終えてから書く」のではなく、
「リアルタイムでついていく」ように努力することで、
日本語的な文章の組み立て方の回路(例えば「私は/銀行で/働いています」のように、述語が最後に来る)ではなく、
フランス語の回路(「私は/働いています/銀行で」という語順)に、脳をスイッチする練習にもなります。
つまり、「私は/働いています/銀行で」を全文聞いてから
→「私は/銀行で/働いています」と日本語の語順に直して理解する
という回路ではなく、「私は/働いています/銀行で」のままで理解し、そのままのスピードでついていく、という感じでしょうか。
以上、色々と盛り込んでしまい、かなり長くなってしまいましたが、
今回は、フランス語に本気で取り組んでみたいという方におすすめの参考書と勉強法をお話しさせていただきました。
もっと気軽な、パリ留学や旅行で使えるフランス語表現については
これからも引き続き、記事にしていきたいと思います。
守屋百合香
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パリ・東京 花仕事と二都暮らし
パリと東京の二拠点で、フリーランスのフラワースタイリストとして花仕事をしています。 このマガジンでは、元秘書で競技ダンサーだった私が花の…
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