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第6回 タイムスリップ思考:未来の自分が教えてくれる今の大切さ
メジャーリーガーのダルビッシュ有さんにはこんな逸話があります。
ひょっとしたらご存知の方も多いかもしれません。
彼が20歳の日本ハム時代、5点ほどリードしていたのに、打たれまくって簡単に追いつかれた試合がありました。
その試合後、ホテルでこう考えたそうです。
「40歳になった自分がホームレスになって、お金もなく、ご飯も食べられへんっていう状況を1回、自分で想像してみたんです。そんな時に神様がいきなり現れて『おい、お前、20歳の時のことを覚えてるか? あの頃に戻りたいか? 1回だけチャンスやる。その代わり、できること全部やらへんかったら、またここに戻すぞ』って言われたら、誰でも絶対戻るでしょう?」
20歳の時にこのような思考ができるというのは本当にすごいことです。
私はこの話を聞いてから、一度未来の自分を想定するようにしています。
最近では、テックキャンプでの経験が良い例です。
できるだけ早く成果発表会を見学するようにしました。
成果発表会とは、その名の通り受講期間を終えた受講生が成果をプレゼンする場です。
成果発表会でプレゼンしている受講生が、受講期間を終えた6か月後の自分だと想像できると考えました。
成果発表会では、完成したオリジナルアプリの概要を発表している受講生、アプリの構成のみを発表する受講生、残念ながら最終課題を完了できなかった受講生がいました。
私は「オリジナルアプリを発表している受講生になりたい!」と思ったので、テックキャンプのゴールを「成果発表会でオリジナルアプリを発表すること」に設定しました。
ほとんどAIに作ってもらったハリボテのオリジナルアプリでしたが、何とか発表できたのはとても良い成功体験になりました。
もし自分が、定年した65歳になったときに何もやりきれていないままで、『今』の自分にタイムスリップできるとしたら、戻りたいと思うのではないでしょうか。
そして「あの時、あれをすれば良かった!」と、もっと努力するのではないでしょうか。
今が一番若いのですから、だからこそ今を一生懸命生きなければならないと感じます。
この思考法を「タイムスリップ思考」と名付けてみました。
流行るかな(笑)。