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森の部屋

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山 森 樹木 磐 撮り貯めた写真アルバムです。
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古代人になったつもりで森を行く

古代人になったつもりで森を行く

一人森を行く

北風を充分に浴びた葉はこの時を待っていたのか呆気なく、細い枝から地に落ちた。

葉は、「践んでくださいな」そう言った。

「協力者は多い方がいいのでね。」

言われた通り、葉を踏みしめる。

かさかさと音をたて粉々に。

「やあ、お帰り」森全体から一枚の枯葉へ。届いていたかな?

その最後は、ポールギャリコの雪のひとひらみたいだった。

芳醇な、ワインの香り。土からは何故かフルーテ

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物語の始まるところ

物語の始まるところ

久しぶりの裏山散歩。

帽子を被ったどんぐりを拾ったり、野鳥の声を楽しんだり風を浴びたり

乾いた落ち葉を踏み歩くのが

何より好きなのだった。

まだ蚊がいると思い、裏山への散歩は当分行けないと思っていたけれど、

今朝方ぼんやりしていたら、風の揺らす木々の葉が、波と同じリズムで揺れていて

まるで自室が海辺みたいだったのです。

1/f揺らぎ?ですか?

この風と裏山どうかな?行ってみようかな

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水鏡 菫青石

水鏡 菫青石

原生林を散歩していたら、

小さな流れに行き着いて

それが

銀河の様でした。

陽射しが強くて何もかもが白く飛んで

けれどもそれが正解の様に思え、補正をかけずにそのまま写真を撮りました。

いつもは見上げる空の星を、

この日は眼下に眺めたのでした。

幾種かの鉄成分が規則性を持たずに青い塊の中に佇んで、

天の川を映している。

石の内側もそらでした。

黒岳の樹木と水

黒岳の樹木と水

これは2019年の写真です。

「森」をテーマにこれまでの写真と、これから出会う森や樹木を心に残したいと思いました。

特に黒岳には思い入れがあって、どうと言う事の無い写真を大量に残しています。それらを一気に眺められたら…。という想いです。

森へ入った途端、妙に無口になる。何となくですが、それぞれの森ではそれぞれの波長?とでも言いますか、行く場所で森の言語が違う様な錯覚があるのです。言語といいま

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