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10月7日(月):お遍路前日



いよいよ明日からお遍路に出発する。が、天気予報を見ると明日は一日中雨とのこと。初日から雨になるのか。ついてない。でもそれなら、荷物を引き払った事務所は今月末まで借りているので今日と明日はそこで寝袋使って寝泊まりして、出発は明後日からに変更しよう。そう決めてしまって飲みに出かけた。既にそこそこ降ってるし。

徳島「最後の夜」はどこで飲もうか。考えたけど、14年も住んできて「あそこに行っておかなければ」という店が残念ながらマジで一つも思い浮かばない。

普段は駅前ではあまり飲まないというのもある。繁華街は繁華街価格でやたら高いし、徳島は車を使わないと飲みにも行けないので、飲み代にタクシー代もしくは代行費用が上乗せされてしまう。そんな不自由をしてまで無理して飲んでも店のサービスがよくない、店員の態度が悪いといったことがままあり、楽しくないというのは婉曲表現、ぶっちゃけ不愉快な経験も何度もしてきた。

だから自分は店で飲みたくなったら徳島の繁華街にではなく、いっそ高松まで行ってしまう。宿泊費用や移動費用はかかるが、カプセルサウナで3400円とかだし、汽車は各駅停車を使えば片道1600円程度。お酒を飲んで眠くなったらすぐに徒歩1分のカプセルに帰って眠れるのも楽だし温泉やサウナにも入り放題なので、圧倒的にコスパがよく楽しめる。高松になら「行きたいお店」が無数にあるし。

あるいは店に行かずに自宅で飲む。これまた徳島は肉、魚、野菜、果物。食材がどれも豊富で質が良く値段は安い。むっちゃくちゃ楽しめてしまうのでわざわざ店に行くことはない。レンコン買ってきて皮も剥かずフライパンで適当に焼くだけでとんでもなく美味しいし、お店で刺身頼んでもマグロやサーモンばっか出てくるけれど、スーパーや産直に行くと珍しい魚がゴロゴロしてるのでそれを買って好きに調理するほうが楽しかったりする。

だから「最後の夜」なのにこれといって特に入りたい店がなく困っていたのだが、それならどこでもいいやと、それまで一度も入ったことのなかった全国的に有名な某チェーンの居酒屋に入った。寿司を握っているスタッフのお兄さん、と言っても、あとで年齢を聞いたら39歳とかでそれなりに「ええ歳」だったが、その「お兄さん」からめちゃくちゃ話しかけられた。

この仕事、むっちゃいいですよ!楽しいですよ!と言う。どういうところが楽しいんですか?と聞くと「給料ッスね!!」と即答。聞けば確かにとんでもない金額もらってる。「就職決めるだけで祝い金くれるんですよ」「ボーナスもめちゃ出ますよ」「残業代ももちろんくれます!」「ヤバないスか??」。話を聞いていて、このチェーン店で働きたくなってきた。確かに仕事はキツいのかもしれない。長時間労働もある。けれども髪の色も自由だし職場環境もよさそう。何より給料がいい。なんか話を聞いていて、世の中のたいていの仕事に対する不満は「稼げない」「給料が低い」に集約されるのでは。そんな気持ちになってきた。

いい気分で店を出て、シメに徳島ラーメンの有名店「東大」に入った。東大は、これは一応県外からの観光客、ラーメン好きのために書いておくが、何店舗もあって味どころかシステムや料金すらまったく違ったりするので、行くのであればとにかく徳島市内東大道にある本店を強くおすすめする(「東」大「道」にあるので東大なので)。写真は徳島ラーメン並。750円。これで生卵は入れ放題、ライスもつくのは素晴らしい。感動するほど美味しいかというと、そういうものではないが、ラーメンなんて「たかがされど」である。今時750円で卵もライスもつけてくれるとか最高以外の何物でもないじゃん。だから昼間長蛇の列に並んでまで食べようとしている観光客を見て「そういうものじゃ本当はないんだけどなあ」なんて実は思ったりもする。




あ、これまたいつか徳島を訪れたいと思っているラーメン好きのために書いておくが、東大のような茶色い系の徳島ラーメン食べるなら生卵は必ず入れてください。味が濃い、生卵入れてそれで薄めて「ちょうどいい」って感じの、言ってみれば「すきやき感」あるラーメンなので。

お酒も美味しかったしラーメンも食べて満足して帰る途中、ふらついて雨で滑って転倒。幸いケガはほぼなかったものの、自転車乗る前、お遍路行く前からこれ。前途多難だ。

#お遍路  

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