魂のゆくえ 恋愛を超えた愛おしさ
2017年製作、ポール・シュレイダー監督
イーサン・ホークの代表作になる作品。
抑制の利いた美しい映像。
四角に近いスタンダードサイズの画面は今や珍しいクラシックな比率だ。
カメラも対象物をシンメトリーに写したり、横移動のみだったりと
映画全体を美しく落ち着かせている。
それは、聖職者トラーそのもののようだ。
唯一、この映画でファンタジックな邂逅のシーンが挿入される。
全編きわめて文学的ではあるが、このシーンがあることで映画としての映像の
意味が際立っている。
人間はある意味誰もが罪を犯してこの地球で生きている。
しかし、今立ち止まってどう生きて行ったらいいのか考える必要がある。
最後は賛否両論あると思うが、
恋愛ではなく、生きる事の愛おしさを表現しているのではないか。
そして、未来を託す、微かではあるが強い希望が描かれていると思う。
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