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ドント・ウォーリー 美しい短編小説のよう
故ロビン・ウィリアムズが映画化を切望していた、四肢麻痺の風刺漫画家ジョン・キャラハンの自伝をガス・ヴァン・サントが映画化した。
自伝は読んでいないが、映画はドキュメンタリーを意識したものではなく、過去現在の断片を紡いで一つの物語に仕立てていく短編小説のような構成。
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事故による車椅子生活、絶望からの復活という筋立てはよくあるが、この構成、編集がこの映画の秀逸なところ。
それが、この種の映画にありがちな深刻さや教訓的な雰囲気を払拭し、美しさや軽やかさ、文学的な深みをかもし出している。
ジョンキャラハンはアルコール中毒であるが、中毒患者を救済するセッションに参加する事で希望が見えてくる。
いくつかのミッションをクリアしていく事でアルコールを断つプログラムなのだが・・
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この映画は四肢麻痺の絶望からの希望が描かれるわけだが、これは、誰もに置き換えられることだ。人生に絶望はつき物。
その時にこのミッションは役に立つ。生きていれば必ず希望はあるはずだ。
最後のミッションが心に染みる。
その通りだと思う。