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君の名は。 時空を超えた赤い糸 

SFの古典的テーマ

タイムパラドックスやパラレルワールドをベースにしたSFは古典的なテーマで全く新しい切り口ではないので物語り自体はそんなに驚きはしない。
ただ、こうしたSFは10代から20代の若い世代はあまり読んだり見たりしていないのできっと斬新に感じるのだろう。

それよりも、多分だが、新海監督は純粋に「運命の赤い糸」はあるんじゃないか、というロマンチックな話を誰が見ても面白いエンタティメントとして描いてみたかったのではないかと思う。

1000年に一度の彗星来訪がストーリーの背景


よく聞く話として、「ひと目合ったときにビビッときて、この人と結婚すると思った。」「きっと付き合うことになると思った」、みたいな事がよくある。
でもそれって、どう解釈したら分からない不思議な事である。

その解釈として過去や前世でその人と入れ替わったりしていたら納得できなくはない。

神の国日本ではわりとそういうことは珍しい事ではないという前提で、神主である三葉の祖母は時空のねじれの話や入れ替わっている事などをわりと普通に扱っている。

新海監督の特徴でもある愛らしいキャラクター作画


ただこれを普通に作ると昭和の恋愛ドラマになってしまうところを、新海監督はSFのプラットホームや愛らしいキャラクター作画、美しい背景画、人気のRADWIMPSの音楽などを駆使し、今の若い世代が共感できるエンターティメントラブストーリーに仕立て上げた。

これは、敏腕天才プロデューサー川村元気とのコラボレーションなくしてありえなかったと思われる。

最後に新海誠が「宮崎駿の後継者」みたいにマスコミに刷り込まれているが(多分これもプロデューサーの仕込み)、全くの見当違い。

どちらかというと優しいロマンチストになった押井守といったほうが近いのでは。

宮崎駿はものすごいリアリスト、新海誠はものすごいロマンチスト、叙事詩と抒情詩と全く方向性の軸が違うのだ。

SFの設定を借りた古典的な赤い糸伝説

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