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【報告】タイのスカトー寺から来日 スティサート師とサンティポン師の「講演&瞑想の会」
2月17日土曜日の午後、タイから来日中のスカトー寺の副住職スティサート師とサンティポン師の「講演&瞑想の会」が都内のせたがやがやがや館で開催され、取材を兼ねて参加した。
5年ぶりにお会いするスティサート師は青年の瑞々しさはそのままに副住職としての貫禄もうかがえるように、サンティポン師はますます円熟みが増し、お顔を拝見するだけで心が安らぐ。
大きな会場は気づきの瞑想実践者が集結して満員に。私の知人だけでも東北から北陸、東海、関西、そして中国地方と全国各地から参加されていた。
zoomやX(旧ツイッター:仏教瞑想実践者の多くがXでつながり情報を共有し、ここからいろんなイベントやグループが生まれている)ではつながっていたが、初めてリアルでお会いする人も多かった。
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実践では、ただ立ち上がったり、左右に1、2歩ずつ動いたりといったシンプルな動きを一斉にする。そうして動作の終了後、その時何を考えていたかを聞かれた。
今までスカトー寺の修行のメインであるチャルーン・サティ(気づきの瞑想)の指導では「考えたことに気づく」とされ、考えた内容までは問われなかったので新鮮だ。自分の思考の内容まで気づくことで、より深い自己の洞察を育まれそうだ。また、苦しみの原因を知ることにも、直接つながるのだろう。
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意外なことに、座って目を閉じる瞑想だけでなく手動瞑想の指導さえなかった。ただ、手のひらを上に向けたり下に返したりを繰り返すことを、サンティポン師がレクチャーされた。
気づきの対象のメインは手だけど、別の体の感覚に気づいてもOK。ギュッと集中せずに、リラックスしてただただ軽く気づいていく。キーワードは「ルースース(ただただ知る、実直に知る、素直に知る)」。
手動瞑想や歩く瞑想だけがチャルーン・サティ(本来の意味は「気づきの開発」)ではない。どんな動きでも気づきを伴わせていくことでチャルーン・サティとなるそうだ。
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最後にスティサート師が「お坊さんも在家もそれぞれ生き方はあるが、人間としては変わらない。大切なのは心をトレーニングして苦しみを減らしていくことで、それはどちらも同じです」と言われた。
サンティポン師は「みなさんが苦しみなき道という、同じ道を歩まれていて嬉しく思います」と微笑む。
信頼できる先生と多くの善友さんとともに、同じ道を歩んでいることを実感し、心が大きな喜びに満たされた1日だった。
来日ツアーの運営から、イベントの開催、そして的確で聞きやすい通訳まで一人で何役もこなされていた浦崎雅代さんにも、お礼を述べたい。
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(おまけ)「在日タイ人向けイベント」
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この日の午前中は在日タイ人を対象とした「講演&瞑想会」があり、こちらも参加させていただいた。
仏教国の僧侶が来日され、在日の方に向けた集まりをするときは、日本人向けに比べて宗教色が全面に出ているのが普通だ。しかし、ここでは宗教色が感じられない。お話に仏教用語すらほとんど出てこない。しかも、お坊さんがフラットに参加者20人ほどの輪に入りお話しされている。
参加者もありがたい法話を聞きたいとか、お布施して功徳を積みたいというだけではなく、スティサート師の「心を苦しませないのは、他の人がやってくれるのではなく、自分でやっていくこと」という言葉に共感して、心のトレーニング法も学びにきた方たちのように見受けられた。
スティサート師は「法(ブッダの教え)はすべての国や宗教の人にダイレクトに届くもの」と言われる。タイでは中年層から若者まで仏教離れ、宗教離れが進んでいると聞くが、どのような人にも法が届くように、このようなスタイルをとっているところもあるのだろうか。
タイ仏教の新しいあり方の一つを示すようで興味深く、また親しみを感じた。