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ホイミ

妄想するのが好きだ。気がつくと、頭の中で、いろんな人やモノがぐるぐる駆け回っている。

ある日突然、目の前に神様が現れて、其方に一つ呪文を授けよう、と言った。
どうしようか、メラゾーマやベギラゴンで職場を焼き払ったらすっとするだろうな、と考えたが、まあそんなことしたら、捕まるし、周りの人も怖がってもう僕に近づいてこないだろう。ゲームの中の魔法使いはあんなに頼られているのに…

じゃあ、ザキにしようかな。いや、衝動的に発動させてしまったらまずいから、これもなし。

普段使いができて、エネルギーもそんなに使わない魔法がいいな、と思った僕は、ホイミを選択した。

ホイミは、回復魔法で、物語の序盤では大活躍するが、終盤になると誰も使わなくなる、ちょっとだけ回復できる魔法。

僕は、体力もそんなにないからこれで十分だろう。
ちょっとだけ回復する、っていうのがなんだか今求めている物なんだなと思った。職場に着いたら、ホイミ。昼休憩でホイミ、残業で苦しんでいる後輩にそっとホイミをかける。

高級旅館で、温泉入って大回復、というのももちろん必要だけど、日常をうまくやり過ごしていくためには、小さな回復術を持っておくのがいいんじゃないかな。村上春樹が言う「小確幸」みたいなこと。

そんな妄想をしながら、僕にとっての小さな回復方法ってなんだろう…
灯を消して、お香を焚いて、ゴロンとする。
好きな音楽を聴く。
こうやって文字にして表してみる。

よし、僕のホイミリストを作っておこう。
そうやって、なんとかやっていくしかないのです。
みなさんにとってのホイミはなんですか。


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守田樹(もりた)
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