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『世界から嫌われる日本企業の"致命的な勘違い" 〜グローバル人材不足は幻想か、真実か〜』
「森田さん、うちの会社の外国人社員は、なぜこんなにやる気がないんでしょうか。。。」
シンガポールに移住して10年。日系企業の経営者から、この質問を何度聞いたことでしょう。
でも、本当の問題は外国人社員のやる気なのでしょうか?
■"目覚めの瞬間" 〜くすぶっていた若者が覚醒する海外体験
アクセンチュアでの組織人事コンサルティング経験を経て、@cosme、beBitの創業に関わってから、27歳でシェイクという会社を起業しました。マーケティング事業からスタートしましたが、その後、自律型人材育成事業に事業転換し、10年間の経営者としての経験を経て、ある"覚醒"を経験しました。
それは、世界各地に若者を連れていって実施したグローバルチャレンジプログラム(GCP)での出来事です。日本の常識と違う現実の世界に直面し、価値を提供するプログラムで、若者が目覚め、成長していく姿を目の当たりにしたのです。
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■日本、シンガポール、タイで、組織人事コンサルティング会社を設立
日本国内だけでやっていくのではなく、世界とつながることで、一気に視野が広がり、人は成長することを実感。その後、2012年に日本で海外修羅場研修を展開するbeyond globalの前身となるドアーズを創業し、2013年にシンガポールでbeyond global社を起業、移住。アジア全域での組織・人事コンサルティング事業を展開。2016年にはタイでもbeyond global Thailandを設立しました。
■日系企業が多い親日のタイ国で、駐在員が知らない真実
興味深いデータがあります。タイは東南アジアで最も日系企業が多い国。6000社ほどの日系企業が進出し、多くのローカル社員の方を採用しています。
さて、タイ人の学生の就職したい会社ランキング100位の中に、日本企業は何社くらい入っていると思いますか?
タイの駐在員に聞くと、20-30社くらいかな?という答えが返ってくることが多いのですが、実は、答えは、文系の学生のランキングでは5社。理系の学生のランキングでも6社しか入っていません。
■就職人気企業ランキングに日本企業はゼロ?
また、シンガポールでは、就職したい会社ランキング100位の中に日本企業は一つも入っていないランキングもありますし、入っていたとしても最大2社程度です。
これはどういうことか。
日系企業は、製品やサービスは素晴らしいのですが、外国人の方からみて、「働く場所」としては魅力が少ないということです。
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■優秀な外国人が日系企業を"お断り"する残酷すぎる理由
優秀な外国人から、「日本企業では、活躍するフィールドがない」と聞くことがよくあります。
出世も遅いし、上には日本人駐在員がいて、ポジションは限られていて上に上がれるかどうかはわからない。給与も低いし、評価基準も曖昧で透明性(Transparency)はなし。どうやったら上司に認めてもらえるのかよくわからない。
しかも、日本人駐在員は、外国語が苦手で、ダイバーシティマネジメントに慣れておらず、駐在で日本にいる時よりも役職があがったけれども、そのための準備は不十分で、役職に見合った動きができないと現地社員から評判がとても悪いのです。
■優秀な人のやる気を奪う「日本企業という残念なメカニズム」
入社当時はモチベーションが高かった現地社員も頑張らなくなります。それほど仕事を頑張りたくない人が増え、簡単には首にはならない安定した会社がいい、というぶら下がり社員たちが残り、ゆるま湯文化が形成されてしまうケースも数多く発生しています。
実際、現地社員に、なぜこの日本企業で働いているの?とインタビューすると、「Job security(雇用の安定性:クビにならない)」が高いから、という答えが数多く返ってきます。一生懸命働こうとして日系企業で働いているのではなく、クビにならないから今の会社にいるのです。
■"現地化"という名の責任放棄 〜駐在員が陥る罠
一方、日本人駐在員の方々は、諦めまじりに「やっぱりローカルの人はやる気がない。彼らには任せられない」「自分たちがやるしかない」と思い込んでいます。
しかし、「〇〇人は優秀ではない」のではなく、実は、「あなたの会社には優秀な〇〇人が来る魅力がない」
もしくは「あなたは、優秀な〇〇人をマネジメントするだけのマネジメント能力やリーダーシップがない」ので、「あなたの会社では、優秀でない〇〇人しか採用できていない」というのが真実です。
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■世界基準の"一流"と日本基準の"一流"のズレ
日本企業が目指す一流と、世界基準の一流はズレています。
それに気づかず、海外でマネジメントをすると、全く噛み合わず、優秀な外国人はどんどん抜けていき、入社してくれません。
■日本のいいところは残し、グローバルチームマネジメントに進化せよ
そのズレを補正するためには、私は、今後、日本企業は、グローバルチームで活動することを前提にマネジメントのあり方をみなすことが必要だと考えます。
私が目指す世界は、日本企業がグローバル市場を見て、優秀な外国人と共にチームを作り、世界中に溢れている数々の社会課題を解決していく価値ある事業を数多く行なっている世界です。
日本でくすぶっているやる気のある若手がどんどん海外に出てチャレンジして、想いを持った優秀な外国人と共に、面白いグローバルチームを作ってバリバリ活躍している状態を作りたい、そう思っています。
■実は世界は繋がっている 〜人類進化の鍵
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私は、企業の進化と共に、人類の進化が必要だと考えています。技術は確かに進歩し、便利になりました。でも、人は本当に幸せになったのでしょうか?
世界は繋がれます。いや、むしろ昔はもっと繋がっていたのかもしれません。漢字が中国から日本に来たように、仏教がインドから日本に来たように、人類は元々つながり合って進化してきたのです。
■日本人は、世界をつなぐ役割?
一方、日本は、世界の中で、世界の大国である、アメリカとも繋がり、中国とも歴史的に大いに関係があります。宗教などについても、中立的な立ち位置で、世界中からいろんなものを取り入れてきました。だからこそ、中立的な立場で、世界をつなぐファシリテーター的役割になれるのではないかという希望を持っています。
世界から学ぼう。世界から見ることで、日本の素晴らしさを再発見しよう。本気でやりたいことをやり、言うべきことを言う。そんな文化を創っていく。それが私の使命だと感じています。
日本企業同士で学び合うだけでは、時代のスピードに追いつかないですし、海外のヒトを巻き込んだ素晴らしい組織の構築は難しいのではないでしょうか。
■複雑な社会課題は、グローバルチームで解決していく
世界はいま、大きな転換点を迎えています。技術革新、環境問題、人口問題。。。解決すべき課題は山積みです。
しかし、その中にこそチャンスがある。日本企業には、世界の課題を解決できる技術力があり、チームワークの文化があり、改善を積み重ねるDNAがあります。
あとは、その強みを世界と共有する勇気を持つこと。
そして、世界から学ぶ謙虚さを持つこと。
■日本企業に今こそ、必要な人財マネジメント革命
その両方ができたとき、日本企業は真のグローバル企業として進化できるはず。そして、日本人は、世界をつなぐファシリテーターになれるはず。
これは、単なる企業の問題ではありません。人類の進化に関わる大きな挑戦なのです。
日本企業は、過去の高度経済成長の成功体験から、マネジメントスタイルをなかなか変化させられていません。今こそ、日本企業は本気でグローバルチームマネジメントに「人財マネジメント革命」を起こすタイミングではないでしょうか?
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