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なぜデザイン経営が競争力の源泉になるのか

この投稿は「デザイン経営が競争力になる理由」についての要約です。

戦略デザイナー森田昌希のビジネスレビュー

「中小企業におけるデザイン経営の戦略的重要性と新たな要件」の要約②になります。

森田昌希プロフィールついてはこちら

●キーワード●

デザイン経営/デザイン思考/競争力/VUCA/ロジカルシンキング/コモディティ化/独自性/新しい市場価値/コト消費/付加価値/情緒的価値

●VUCA

最近よく聞きますよね、VUCA

Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)

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これらの頭文字を並べた言葉で、元はアメリカの軍事用語です。

現在は今の時代を表す言葉として用いられビジネスシーンでのホットワードで、ビジネスを取り巻く環境変化が極めて不安定であることを端的に表しています。

●経営の意思決定

これまでの経営は、意思決定が論理的に導かれてきました

過去の成功体験や成功事例から科学的に未来を予測することで合理的な解(意思決定)を求めてきたし、それで結果が出てきたことも事実です。

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しかし、過去のデータやノウハウを可能な限り標準化し、数字に裏打ちされた論理的な思考で求める解はVUCAの時代では切り札にならないと言われています。

論文で「※個人の感想です」は通用しませんので、しっかりと「誰が?」を明示しておきます。

奥出(2013,p.44.)さんはこんな事をと言っています。

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「このような変化のなかで経営において利益あるいは利潤を生みだすものとされていた技術や知識が、もはや切り札にならない」

山口(2017)さんはこんな事を言っています。

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「複雑化・不安定化した現環境で論理的思考による意思決定による戦いは困難を極める」

A・T・カーニー日本の梅沢高明会長(日経ビジネス,2021,5/30号)はこんな事を言っています。

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「数字に裏打ちされた論理的な思考だけでは企業は新たな製品やサービス開発に対応できなくなった」

私の個人的な感想ではないことはご理解いただけましたでしょうか(笑)

このような環境下において、

デザイン経営による独自性(ブランド)と新しい市場価値(イノベーション)は競争力の源泉となるとデザイン経営宣言に書かれています。

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当然これは中小企業に限ることではなくグローバルな大企業にも言えることです。

●コト消費

もう一つの要因として、モノを消費する時代からコトを消費する時代へ転換したことが大きいと言われています。

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これは単なる消費行動の変化だけでなく、

企業が差別化するベクトルも一緒に変化したと言われています。

こちらも個人の感想ではなく、

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尾崎(尾崎,2020,p.21.)さんはこう言っています。

「技術力の高さを伝えるだけでは消費者の購買意欲は湧きませんし、他社との差別化も難しくなります。
商品やサービスに消費者が求める付加価値を与えて
“選びたくなる理由”を作り出す必要があります」

意思決定の変化“選びたくなる理由”が機能的価値から情緒的価値にシフトしたことは、

論理的思考で導かれた企業の意思決定と市場が結びつかなくなったと私も考えています。

●デザイン思考から生まれるもの

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「機能的な差別化はマネされやすい」

この一言に全てが込められていると思いませんか?

機能的な尖がりは、独自性(ブランド)や新しい市場価値(イノベーション)にならない時代になりました。

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Aの場合、

「じゃ弊社は、6合を35分で炊き上げる炊飯器を開発しよう!」

と目標設定が容易になります。

「目標設定が容易=意思決定しやすい」

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経営に関わる業務に就いたことがあると痛感しませんか?

定量的な判断材料で意思決定することが体の隅まで染み渡っているんです。

この意思決定は、競合が参入しやすい市場を形成していることに繋がるため、短期的な価値になってしまいます。

一方Bの場合、「バルミューダのデザインをパクろう」とはなりづらいですよね。※非常識なメーカーを除く

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●デザイン経営が競争力になる理由

デザイン思考によるブランド創造やイノベーションの創出が模倣困難な競争力になるからです。

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不安定な経営環境や消費者の行動の変化のなか、

これまでの科学的アプローチによる効率的な経営手法やコスト削減による経営改善が通用しづらくなりました。

その視点にいち早く気付いた経営者は早くからデザイン経営を実践しています。

では、どうやればデザイン経営を導入できるのか。

私のビジネスレビュー

「中小企業におけるデザイン経営の戦略的重要性と新たな要件」では、

先行研究をベースに方法論を論じています。

次の投稿では、その方法論について分かりやすく要約していきます。

~続く~

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