見出し画像

色褪せた感情ではなく、生まれたての感情を。

「感じたことを自由に書いてみよう」
そう思った途端、言葉に詰まってしまった。

それまで、キーボードの上を
活発に動き回っていた手がピタリと止まり
「えっと…」と
iPhoneの中のメモ帳を開く。

メモ帳には
日常の中で思ったことや
感じたことなどを
箇条書きで書き留めている。
今日はその中から
記事になりそうなネタを
探そうとしていたけれど
なかなか良いものが見つからなかった。

「早く書かなきゃ」という焦りから
無理やり一つを選んで
言葉を付け足し、数行書いてみた…

でも、だめだった。
全然ピンとこなくて
書いていても
一向に気持ちが乗らない。
“賞味期限切れ”のネタなのは
どこからどう見ても明らかだった。

心のどこかでは、わかってた。
大切なのは「今」で
「過去」ではないということ。
わかっていたのに
「今」に目を向けられなかったのは
私自身が自分の感情と
向き合えていない証拠だった。

まったくもって素直じゃない
言い訳だらけで格好悪い私を
誰にも見られたくなかった。

だから
今よりは幾分か状態の良い
「過去の自分」を
まるで
「今の自分」であるかのように
偽って出そうとしていたんだと思う。

その無意味さに気づいて
自分で自分に呆れてしまった…

人の目ばかりを気にする性格は
思った以上に根深くて
今すぐ手放せるものではないけれど
せめてこのnoteには
今現在の私が感じている本音を
正直に残していきたいと思った。

メモ帳の中の言葉を
元にして書いた文章は
いったん全部消して
家族が寝静まった今
リビングで一人、この文章を書いている。

キーボードの上に手を置いて
「今」の私の感情と
一致する言葉かどうかを
一つひとつ吟味して書く。

思った以上に時間がかかったけど
読み返してみると
今の私が感じている
素直な感情であることには
間違いなさそう。

そう思えたら
ようやく心の中に循環が生まれて
澱みがほんの少し
解消されたような気がする。

短くても良い。
拙い言葉でも良い。
オチがなくたって
誰にも迷惑かけないはず。
今、感じていることを
賞味期限が切れないうちに
これからはちゃんと残していこうと思った。

過去の、色褪せた感情ではなく
今の、生まれたての感情を。

そう心に決めた、7月の始まりの日。

いいなと思ったら応援しよう!

もりさとこ
サポートいただけると、とっても嬉しいです☺️いただいたサポートは、聖地を巡る旅の資金に使わせていただきます📚✨

この記事が参加している募集